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ナポレオンの言葉から感じる、「おごりは転落のもと」

先週は『ナポレオン大いに語る』という本を読んでみました。本書はフランス革命後、皇帝までなったボナパルト・ナポレオン(1769年~1821年)と対話した人が残した日記や手記をドイツの歴史家がまとめたものを日本語訳したものです。
 
本書を読んでいて一番印象的だったのは、ナポレオン没落のきっかけとなったロシア遠征(1812年)直前のナポレオンの言葉です。
すでにスペインの反乱に直面していたこともあり、警察大臣からスペインに加えてロシアと戦争することは危険と進言されます。その進言に対するナポレオンの反論の一節です。
 
「もし私がサンクトペテルブルク(ロシアの首都)におけるイギリスの影響を一掃すれば、すぐにスペインは降伏してしまう!私は八十万の兵力を必要とするが、現にそれを保有している。私は全ヨーロッパの軍隊を率いて進撃することもできる!ヨーロッパなどといっても八十万の兵力を率いる私なら、好きなように扱えるよろよろの老婆みたいなものだ。
 
この時までに常に上昇し続けていたナポレオンには、正直おごりがあったのでは、と感じるのです。
そのようなおごりの気持ちが「ヨーロッパなどといっても、好きなように扱えるよろよろの老婆みたいなものだ」と言わせしめたように感じます。
 
しかし、ナポレオンはロシア遠征で敗れ、その後は「よろよろの老婆」と呼んでいたヨーロッパ全体から攻め込まれ、没落したのです。
 
ナポレオンは極端ですが、うまく行っているときほど、おごりの気持ちがないか省みることが必要と感じます。それが転落のもとになるだけに。

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