高校時代に気になっていたガリバルディというおっちゃんについて
高校時代に世界史を勉強していた時、19世紀まで分裂していたイタリアが1861年に統一する中で気になっていたことがありました。
イタリア王国が生まれるにあたり、北部はサルディーニャ王国という国を中心に統一が進んでいたのですが、南部は両シチリア王国という勢力が強いために南北統一が難しいと考えられていました。
そこに、ガリバルディという人物が現れ、両シチリア王国を征服し、イタリアは南北統一できたのです。
「なんだこのガルバルディというおっちゃんは、唐突に現れて」と高校で世界史を学びながらひっかかりました。しかし、あまり深入りせずに30年以上が過ぎいたのです。
最近、Amazonをみていると中公新書で「ガリバルディ イタリア建国の英雄」(藤澤房俊著)という本があったので、高校時代のひっかかりを思いだし、買って読んでみました。
読後の感想としては、「長い歴史の中では、恐らく平時に生きていたら「ならず者」と呼ばれたであろう人が、動乱・混乱の時代に生きるととんでもない偉業をなす人が時々現れるんだよね」という思いでした。まさにガルバディはそういう人物だったのです。
若いころから海の上で暴れまわり、ほとんど亡命のように南米に逃れ、壮年時代を過ごします。そのうち、イタリアの統一運動が盛り上がってくると、イタリアに戻り、「赤シャツ隊」、「千人部隊」という私軍を組織して統一運動に身を投じます。
そして彼の名前を不朽なものとしたのが、両シチリア王国の征服と南北イタリアの統一だったのです。ガルバルディがいなければ、もしかしたら今でもイタリアは南北に分裂していた可能性はあります。
「長い歴史の中では、恐らく平時に生きていたら「ならず者」と呼ばれたであろう人が、動乱・混乱の時代に生きるととんでもない偉業をなす人が時々現れるんだよね」。これはガルバルディに限らず、中国でいえば漢の劉邦、日本でいえば幕末の高杉晋作などでも見受けられます。人材の活用においても考えさせられる歴史からの学びです。
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