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「働き方改革」に反対します
私は以前から、いわゆる「働き方改革」に反対だと周囲に話してきましたが、今後はこの考えを積極的に発信していこうと考えています。具体的には、SNSやブログのほか、著作などの機会があれば発信していくつもりです。
私がこう考える理由は、社会全体に「働き方改革」に対する反対意見がほとんど見られないためです。おそらく、反対を表明すると「ブラック企業を容認している」と捉えられるからでしょう。しかし、この改革が続けば、日本の社会や経済に深刻な影響を及ぼすと危機感を抱いています。
誤解しないでいただきたいのは、私は決して「ブラック企業」を容認しているわけではないということです。過労による病死や自殺、過酷な労働環境の強要は決して許されるものではありません。また、同じ成果を出すならば、より効率的に生産性を高めるべきだとも考えています。
しかし、問題なのは、かつて日本にあった「勤労は美徳」という価値観が薄れ、働く側に成果よりも時短や休暇を重視する風潮が強まっていることです。最近では、求職者が企業を選ぶ基準として「休日の多さ」が最も重視される傾向にあると聞きます。仕事とは、本来「どのような成果を生み出せるか」「どのような働きがいを感じられるか」が重要ではないでしょうか。
先日聞いた話では、ある会社では「病気で休みたいが、有給休暇は旅行のために取っておきたいので、欠勤扱いにしてほしい」という人が増えているという話を聞きました。極端な例かもしれませんが、現在の勤労意識を象徴する出来事のように感じます。
もちろん、現在の労働観が「働き方改革」だけによって生まれたわけではないことは理解しています。社会の変化の中で徐々に醸成されたものです。しかし、だからこそ、こうした労働観を変える方向に社会を導くのが国の役割ではないでしょうか。「働き方改革」はむしろ、今の風潮を助長しているように思えてなりません。
今後も、折に触れて「働き方改革」に対する問題提起を発信していきたいと思います。