人の発言に対して、「そうではなくて」ではなく、「そのうえで」と返す
企業様のミーティングなどでよく聞くお話に次のようなものがあります。
「ミーティングで人の意見に対して否定から入る人がいると、場の空気が悪くなり、自由に発言しにくくなる」
この気持ちはよく分かり、私なんかも人の意見に否定から入る人に直面すると、ややうんざりすることは正直あります。
論語の「おのれの欲せざる所は人にほどこすことなかれ(自分がされて嫌なことは、他人にもしてはいけない)」のように、自分も周囲に同じ気持ちにさせないように、近年になってからですが、次のような心掛けをしています。
それは、人の発言に対し、仮に自分の意見と違っていても、「そうではなくて」と返さないのです。それではどのように返すのか。
まず、発言に対して感謝を伝え、発言内容に対する理解や、同意できる部分についてお話します。
その後、「そのうえで」とまくら言葉をつけたうえで、発言者と違う自分の意見を伝えるようにしています。
これは、ある人の話法をみていて学んだことなのですが、このようにしてから、あくまで自分の感覚ですが、コミュニケーションがスムーズになりました。この返しだと、受け手も自分の意見を受け止めてもらいつつ、意見を上書きされるような感覚をもって頂けるのかもしれません(実際、私もその意図です)。
コミュニケーションの目的とは、他者の意見を否定して、自分の意見が正しいことを証明することではありません。他者の意見も踏まえつつ、自分の意見も積上げてよりよいものを生み出したいものです。