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M&A後のシナジー実現に必要なこと

中堅・中小企業でもM&Aは普通のことになりつつあります。そうしたなかで、M&A時にはシナジーを期待していたのに、実際にはシナジーを実現していない、ということがよくあります。つい最近でも、その状況をお聞きしたり、ご相談を受けることがありました。なかには買収して10年以上経つものの、全く別会社の状況が変わらない、ということもあるようです。
 
私はM&A後のシナジー実現や統合作業のご支援をさせて頂くことがありますが、その時には次のような進め方をご提案しています。
 
・統合作業を進めるため、事業単位や機能単位(製造、営業、本社など)などで分科会を組成し、買収会社・被買収会社双方からメンバーが参加する。分科会のリーダーは原則買収会社から選出する。
・経営者においてM&Aにより実現したいシナジー効果と、それを実現するための取り組みテーマを明確にする。
・各分科会に取り組みテーマを割り振り、その実現に向けて実行計画を立ててもらったうえで、推進してもらう。各分科会は月1回以上は会議をもち、進捗確認を行う。
・経営者は月1回、各分科会のリーダーに集まってもらい、各取り組みテーマについての進捗報告、課題対応について報告してもらう。
 
例えば、M&A後に買収・被買収会社双方でお客さまが重複している場合、両社に営業機能があると営業体制が過大となっている可能性があります。グループ全体で最適な営業体制とするため、営業機能を集約することなどが取り組みテーマとなります。
 
もちろん、営業機能の集約というのは一言で言えるほど簡単なことではないので、営業の分科会を立ち上げ、そのメンバーに実行計画を策定してもらい、推進してもらいます。経営者は月1回はその進捗状況を確認します。
 
M&Aで買収すれば自然とシナジーが実現したり、統合作業が進むものではありません。
むしろ、M&A後のシナジー実現や統合作業というのは一大プロジェクトですから、組織的、計画的な推進がより一層求められるのです。

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