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発信現代社会と自己肯定感

新しい年に、今年は自己肯定感を少し上げたい、と思っている人もいるのでは。自己肯定感は、英語だとself esteem。私は自己肯定感がかーなーり低いので、常に自己肯定感アップは課題です。

私は、自己肯定感とは根拠はないがゆるがない自分への自信と言えると思います。自己効用感はself efficacyで、自分はできるという思い。意外と自己効用感は高くて成功している人でも、自己肯定感は低いという事もよくあります。

現代社会特有の傾向

自己肯定感の育て方を考える時、SNS、そして発信が当たり前の現代社会は特有の危険性をはらんでいると思っています。

これは、発信をすることで、それに対する賞賛や反応がもらえるので、それの中毒になりがちだからです。自分が投稿したコンテンツのいいねの数が気になる、という所はSNSを仕事に使っている人以外でも思い当たるはず。

以前、精神科の医師と話した時にも同じ話題になりました。特に、なにかを達成しても、自分の満足感や自己肯定感ではなく、他者からの評価や承認にすりかわってしまう。本来はであれば、達成する事で自己肯定感を育むはずが、成功や達成などの自分の行動の評価が逆に他者評価に依存するスパイラルを自分で作り出すことになっている、と言っていました。validation addiction(他者評価中毒)になり評価軸が他者に依存した状態になり、自己評価よりも他者の評価に重きを置いてしまうそう。

若い世代の危うさ

特に、若い世代でもこれは顕著で、SNSでの反応、他者評価がすべてになり、その中で苦しむ事になり、どんどん健全な自己肯定感が育ちにくい、それがない事で自己肯定感の低さに葛藤する事があると言っていました。

確かに、子育てでも、親にほめられる事が目的になってしまうと健全ではないと言いますが、それに似ています。

発信する事はもろ刃の剣

今年の目標ややりたい事を宣言して自分を追い込む、モチベーションを保つ、などもあると思います。もちろん、発信する事、たとえばやりたい事やこれからやる事を宣言する事のプラスの側面もあります。SNS全盛の現代、やりたい事を宣言する事で広く知ってもらい応援してくれる人が増える、それに関する情報が集まる同じような人とつながるなど、も起こります。

ただ、目的と手段が逆になってしまうのは危ないのも確か。

とはいえ、すぐにいいねやコメントなどがついて反応が可視化されるのは気持ちがよい。特に若い人は即時報酬(instant reward)を求める傾向にあるので、中毒になるのも分かります。

言わない勇気を持つ

悩む人も多い自己肯定感。では、自己肯定感を上げる為にはなにをすればいいのか、精神科医の医師がすすめてくれたのはこの二つ。

自分がよいと思っている事をする事
自分がポジティブに評価している事を実践する事を繰り返せば、それをしている自分もポジティブに見る事ができる。

そして、もう一つは

自分が決めた事を誰にも言わずにやる事
ここで大切なのは、言わない勇気を持つ事だそうです。達成したことや難しいことを成し遂げたとき、それをシェアせずに、自分の中で静かに満足感を味わう事。

このプロセスが、自己肯定感を本質的に育てる力になると教えてくれました。

自分で自分を認めるというシンプルな行為が、実は最も強力な自己肯定感の基盤を作るのです。

敢えて言わない。でも確かに本来であれば自分が認めてあげればよい話ですよね。

子供と育む自己肯定感

自分が自己肯定感が低いので、7歳と5歳の息子たちには自己肯定感を高くもって欲しいと思っています。そして、それを促すような声かけをしたり、そのような考え方を日々の中で少しずつシェアしています。でも、ある意味その声掛けは子供と同時に自分にもかけているとも言え、子供達がと一緒にいる中で私自身も「自分を肯定する」という感覚を学び直しています。

現代のSNS社会や発信がベースの文化は、どうしても自己肯定感を外部に依存させやすい環境を作っています。だからこそ、時には「言わない勇気」を持ち、自分自身で価値を認めることができる という事を忘れず、たまには自分の中で静かに満足感を感じる事を意識したいです。


赤ペンと紙で思考を整え、行動につなげる「赤ペンジャーナリング」を提唱しています。赤ペンジャーナリングのコラムはhttps://redpenjournaling.com/blog から

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