うつかも?→初受診までが難しい<後編>
前編では、
1.うつかも、と思ったら受診したほうがいい理由3つ
2.受診しないまま(=未治療)だとどうなるか?
についてお話しました。
3.病院へ行こうとしない…家族や周囲はどうすればいい?
相手が子どもではないなら、無理やり引き摺って行くことは出来ませんし、本人に治療する意思が無いなら、受診してもあまり効果は期待できません。
しかし家族としては気が気ではない。病院に行けば全てが解決するわけではなくても、専門機関と繋がり、何らかの診断を下してもらえるほうが安心出来ます。
そんな時でも、家族に出来ることもあります。
①通いやすいエリアに、相応しい病院はあるか調べておく
うつ病になった時にかかる人が多いのが「心療内科」「メンタルクリニック」という看板を掲げている街の開業医院です。
心療内科とは、心の病が体に症状として現れた時に、その症状に対して薬で治療をしてくれるところです。
具体的には
・不眠→睡眠導入剤の処方
・気分が憂うつ(抑うつ状態)→抗うつ薬の処方
・食欲不振→胃腸薬の処方
などです。
病院によっては、カウンセラーもいて、並行してカウンセリングや心理検査を受けられるところもありますので、受診前にホームページをチェックするのもいいと思います。
②初めての場所に行くのが億劫で行かない人もいる
行ったことが無い場所に行くのは、どんな人でも気が重いものです。
もし本人が希望するなら、出来るだけ同行しましょう。
同席者がいることを拒否する医師はいないと思います(私は拒否された経験はありません)。
本人には「行く気になったら一緒に行くことも出来るから相談して」と、伝えておくといいですね。
③無理に整容させない
整容、つまり身なりを整えることです。
うつ病になると生活上の何もかもが重労働になってしまうので、入浴、洗顔、着替えといった諸々の身支度が出来なくなります。
「お医者さんに行くのだから、みっともない格好をしてはいけない」と思いがちですが、逆です。
普段通りの、何も出来なくなっている本人を見てもらうのが、状況を理解してもらうには一番手っ取り早いです。
最低限の身支度(靴を履く、寒い日はコートを羽織る)くらいでOKですので、ご安心ください。
4.私の経験
夫の場合どうだったか、ご参考までに付記いたします。
まず最初に家から出られなくなりました。当然出社できません。
数日欠勤を繰り返した(この時点で有給は消化済み)後、上司と相談、『会社が契約している産業医がいるから相談してきなさい』と指示されました。
そこで「抑うつ状態ですね。紹介状書くので、この病院へ行って診察してもらってください」と言われて、初診に当たる病院へ行きました。
夫も私も、言われるがまま動いた感じですね。
でも逆に、そうして指示してくれた人がいたからこそ、悩むこともなくスムーズに受診につながったのだと思います。
一つだけ後悔したのは、紹介された病院が、自宅と勤務先の途中駅にあったため、休職中に通うには少し遠かったこと。
自宅近くがいい、と、相談しておけば、違う病院を紹介してもらえて、もっと通院が楽だったかもしれません。
通いやすさは、病院選びではとても大事です。特にうつ病の場合は移動が億劫なので。
5.まとめ
本人に受診する意欲がわくまでは、家族は準備をしながら待つ
ただし未治療期間が長引くと予後が悪い、回復までにも時間がかかる可能性が高い
病院は病気じゃなくても行っていい
何科を受診すればいいか分からないなら、かかりつけの内科でもOK
「一人じゃ行きたくない」なら、家族の同行同席もOK
行ってみて、通いづらさや、主治医との相性に疑問があれば、転院しても問題なし
病院は通いやすさが大事
です。
うつ病に限らず、心の病は目に見えないからこそ放置が怖い。
元気になる入口として、病院へ行き、医療と繋がりましょう。
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