余計な一言とは?
昨日『サザエさん』を見ていたら、タイトルのようなネタがありました。
カツオの余計な一言、みたいな。確かにキャラ的に言葉数が多いので、『余計』と感じられることが多いのかもしれません。
カツオはマンガのキャラクターですが、実生活でも「余計な一言」に悩んでいる人は多いと思います。
余計な一言はどこで発生するのでしょうか。言わない方法はあるのか、言われたらどうすればいいか、を考えてみました。
1.なぜ「一言」が付け加わるのか
せっかく中島君がカツオのいい面(ストレングス)を見つけてくれたのに、カツオがそこに価値を感じず、思ったことをそのまま言ったために台無しになりました。
しかしこの時、カツオ側に悪意は全くないのです。思ったことを、考えずに口に出してしまっただけです。
長くこの作品を見ていて想像するには、普段は中島の言う通りに、カツオの一言を責める人はいないのでしょう。
使い方によっては『言い得て妙』と膝を打たれる→褒められる→カツオにとっては「良いことをした」という強化子になっているのかもしれません。
なので、余計かどうかは別として、カツオ自身にとって一言付け加えること自体は「良いことだ」と学習されているのではないでしょうか。
2.何が「余計」なのか
上記の場面のカツオの言葉が「余計」だと思われるのは、カツオの発言の対象が、会話相手の中島だったから、ではないでしょうか。
同じ内容でも、「中島には分からない」ではなく、「ねえさんには分からない」だとしたらどうでしょう。
その場にいない人への陰口ととられるかもしれませんが、サザエの人となりをよく知っている二人の間で交わされるなら、中島とて「ひどいよ」と言いつつも、笑って流してしまうのではないでしょうか。
自分に向けられた言葉だったから、解釈の仕方によって『余計』な一言になってしまったのでしょう。
3.余計な一言を言わない方法はあるか?
作中では、余計な一言を言わない方法として、
①波平:「お小遣いから罰金を取る」
②カツオ:(中島に)「自分が余計な一言を言いそうになったら止めてくれ」と頼む
の2つが出てきます。
①は事後の罰なので、長い目で見た時には効果があるのかもしれませんが、暫くの間はカツオにも周囲にも不利益は続くでしょう。
②については、事前に止めろと言うのは無理があります。カツオの余計な一言の前に、何か特定のシグナルやルールがあるわけではないでしょうから。
何が余計で、どういう状況でカツオが余計な一言を発しているのか(学校か、家か、遊んでる時か、怒られている時か)を分析すると、具体的な対策が見えてくるかもしれません。
4.言われた時、どうする?
逆に『余計な一言』を言われたら、どうすればいいでしょうか。
アニメの中では、気心の知れたキャラ同士で、しかもカツオ自身が多少の叱責ではへこたれない性格であるためか、言われた側も率直に不快感や怒りを表現しています。
現実の世界では、正直に不快さを伝えることは中々出来ないでしょう。
「余計なことを」と思いつつ、表面上は何も感じていないように振舞う。
しかし発言者への感情は少しずつ(良くないほうへ)変化していきます。
不快感を体験しないために接触そのものが減る、ということも考えられます。
<「それは余計だ」と意思表示する>
率直に不快感や怒りを伝えることは、実はとても大事なことではないでしょうか。
それによって、
(言われた側)自分は〇〇という言葉は「~~」という意味だと解釈して傷ついた、と伝えられる
(言った側)自分の〇〇という言葉が相手を「~~」という理由で傷つけてしまった
ということを共有することが出来ます。
当然そこには伝え方(言葉の選び方、タイミング、言葉なのか態度なのかメールかLINEか直接か、など)に工夫が必要ですし、全ての『余計な一言』に対して言う必要があるのか、という問題もあります。
但し、自分にとって重要だと思う局面での『余計な一言』に対しては、ある程度確固たる態度で臨むほうが、自分のメンタルヘルスを守ることにも、長い目で見れば言った側の再学習にもつながります。
カツオの余計な一言について、マスオさんが会社で穴子さんに相談した時、
『大人になって奥さんに余計な一言を言ったら、たくさん怒られるからいつか治るよ』と答えます。
夫婦間かどうかは別として、生きていく中で経験を積んで言動が変化する、ということは十分考えられます。
ただ穴子さんの例をとっても、奥さんが意思表示をしたからこそ、の結果ではないでしょうか。