恋愛とマーケティングの共通点
恋愛市場、というと、街コンや婚活サービスを提供している企業や、デートスポット、情報誌、ファッションなどが含まれるでしょう。
しかし、恋愛そのものも、マーケティングの理論がそのまま当てはまるのでは、と思いました。
恋愛という、いわば人の心の一番純粋で強烈な感情を、金銭流通と同じように考えるのは味気なく感じるかもしれませんが、迷っている時には何かのヒントになるかもしれません。
1.恋愛の流れと消費者行動フロー
誰かと(異性同性問わず)出会って、相手に興味をもって、その人をもっと知りたいと思って近づき、知る中で感情が育って行き、告白して交際にいたり、ふたりで過ごす楽しい時間をSNSでシェアする。
これってそのまま「AISAS」ですね。
ちなみに「AISAS」とは。
です。
最後のS(Share:情報共有)が含まれるところが、イマドキかもしれません。
2.共通するキーワード
①モバイル
恋愛や消費行動に限らず、現代の生活にモバイルは欠かせません。
先日の大手携帯通信会社の通信障害が大きな問題になったことも、モバイルがライフライン化している証拠です。
まずはSNSで繋がる。
交際が始まっても日常的なつながりはモバイルで。
何らかの理由で返事が来ない、既読にならない、となると、もう一方はそれだけで心が不安定になります。
また、相手のスマホを覗き見てしまう、SNSを見て疑いを持つ、など、モバイルを通じた悩みも尽きません。
②接続性
いつも持っているモバイル端末でSNSを通じて誰かと常に繋がっているのが現代です。
「繋がらない」ことのほうが非常事態です。
だから上記のように、普段なら返事が来るはずの時間に返事が無い(接続性が欠いた状態)と、心が不安定になります。
③オムニチャネル
オムニチャネルとは、
です。
接続性と近いですが、バーチャルに限らずリアルな場の双方が、境目なく繋がることでコミュニケーションが広がること、と言えるでしょう。
一昔前は、ネットの世界で知り合った人とリアルに出会う場は「オフ会」と呼んだりして、少し特別な状態として意識していました。リアルである場のほうが「非日常」扱いだったわけです。
または、学校や職場などリアルの生活で知り合った人と、何らかのきっかけでSNS等で繋がる。しかしこの場合はあくまでSNSが補完的立場でした。
オムニチャネルな関係では、いずれかが上とか下とかではなく、ネット(SNS)での自分(相手)と、リアルな場での自分(相手)に違和感がなく、状況やステージに応じてよりふさわしい手段として選択することが出来ると思います。
3.離脱を計算する
AISASは「ファネル」化して理解される流れです。
第1段階の「A:Atention(注意)」、恋愛で言えば「出会い」に相当するところが最もボリュームが大きく、興味⇒調査⇒行動、と進むにつれて、離脱が起こります。
自分の中で対象をふるいにかけることもあれば、自分がふるいにかけられることもあるでしょう。
大分殺伐とした表現をしてしまいましたが、婚活などはまさに「ふるいにかけあった結果」がゴールインなのかもしれません。
自分がどこで離脱しているか、選択肢が少ない(相手がいない)と悩む場合はどこかでふるいの網目が異常に細かくなっていないか、を振り返るとヒントが得られるかもしれません。
4.適合しないケースもある
「よし、恋人作ろう!」と決心して行動する場合は、上述のようなマーケティング的行動を取ることが多いかもしれませんが、そうでない場合も、恋愛では当然あります。
好きな人が出来たとき、です。
出会って興味を持って相手を知って感情が育つところまでは一足飛びに到達しているのですから、ファネルもへったくれもありません。
あとは「相手にも好きになってもらうため」の戦略を練るのみです。
個人的には、「交際する」という結果、マーケティング的には「コンバージョン」に至ることだけが恋愛の価値ではないと思っています。
しかし、何がゴールか、は人それぞれですので、もし中々ゴールに至れず迷っているなら、気分転換にでもマーケティングの本を読んでみるのも面白いかもしれませんね。