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自信を持てずに辛い人が自信を持つには

自信を持ちたい、自分に自信が持てない、自信を持つためにはどうしたらいいだろう。
「自信」についての悩みは老若男女問わず尽きることはありません。

自信を持つとはどういうことでしょうか。
自信が持てないのは何故でしょうか。
どうすれば自信を持てるようになるのでしょうか。

何をいまさら…なテーマかもしれませんが、今一度考えてみたいと思います。

1.「自」がつく用語はたくさんある

「自信を持つ」と似た用語はたくさんあります。

  • 自己肯定感

  • 自尊心(セルフ・エスティーム)

  • 自己効力感

  • 自己愛

  • 自己評価が高い

全部「自」という文字がついています。
では、「自」とは何でしょうか。

心理学で考えた時、一番有名なのは「アイデンティティ」でしょう。日本語では「自己同一性」と言います。これにも「自」がついています。
「自分とは何者か」を確立することです。

人は、このアイデンティティを自分の中で作り上げて、それを持って社会に入っていきます。
そして、社会の中で役割を得て生きていくようになります。

2.自信が持てる正のサイクル

社会の中に入っていくには、「私は〇○という者で、△▽が出来ます」とアピールします。
会社の就職面接を思い浮かべると分かりやすいですね。

その後何かの集団に入っていくと、そこで役割を得て、それを果たそうとします。
役割を果たすことで自分の居場所が出来ます。居場所が出来るとそれを大事にしようと考えるので、周囲へ気を配ったり、もっと役に立つ人間だと思われたくて自分を成長させようとします。
成長やそのための努力を続けると、周囲が褒めてくれたり労ってくれたりします。
もちろん嬉しいですよね。だからもっと頑張ろうと思えるし、同じように努力している周囲=仲間を賞賛したり、困っていれば手助けをしたいと思えるようになります。
そうすれば相手からは感謝されます。

こうした「正」のサイクルが回ることで、結果として得られるのが「自信」です。

3.自信が持てない負のサイクル

しかしこんなに綺麗にサイクルが回る人ばかりではありません。

自分がアピールした役割やアイデンティティに対してケチをつけられたり、不要だと言われることもあるでしょう。
何とか努力して集団に入っていこうとしても、想定外の理由(容姿、財産、経歴、信条、嗜好など)で排除されることもあります。
努力して成長しようとしても、邪魔されたり相手に都合がいいように利用されることもあるでしょう。
抗議したところでこちらの非ばかり言い立てられて、更に立場が悪くなったりします。

こんな周囲に囲まれて長年生きてきた人が、果たして自分に自信を持つことが出来るでしょうか。

4.自信を持てない最大のデメリット

自信を持てないことによるデメリットは山ほどあるでしょう。
その中でも一番強烈なデメリットは、自信を持てずにいることが、その人だけの責任であるかのように扱われること、ではないでしょうか。

自信を持てずに苦しんでいる状況に対して、
『前向きになれ』『もっと物事の良い面を見ろ』『辛い経験は肥しになる』『甘えるな』
と言われることも少なくないのではないでしょうか。

しかし、負のサイクルの中で生きてきた人とは、自信を持つために必要な道具を何一つ持たずに一人で戦ってきたようなものです。

自信を持つための道具とは、

  • 周囲の理解

  • 安全基地

  • 将来の目標

  • 感謝された経験

  • 成功体験

などです。
これらが何もないのですから、「自信を持って一人で戦え」と言われて放り出されても、何もできるはずがありません。

5.自信を持てるようになるための前準備:3つ

自信を持ちたい、けど何をどうしたらいいか分からない、という時は、以下の3つの条件をまず先に揃えましょう。

①環境

どんなに努力をしても、積み上げるそばから壊されたり、盗まれたり、邪魔されたりすれば、努力は徒労に感じ、疲れて、無力感が増すばかりです。
そうした環境から離れましょう。またはリスク因子を取り除きましょう。
自分が脅かされずに安心して努力出来る環境へ移動しましょう。

②アイデンティティ

先述しましたが、「自分の役割は何か」を知る、または作り上げることが先決です。
エリクソンはアイデンティティを作るのは青年期(18~29歳くらい)としましたが、現代のように環境や情勢が猛スピードで変わる時代では、もしかしたら常に考え続けなければいけない課題かもしれません。

ただ、自分が何者か、を、全く考えていなかったり、他人からの評価や社会の風潮に流されてしまうと、他人に利用されたり、本当は自分に合っていない(メリットが無い)集団に入ってしまい、自信を持つどころか「何もかも自分のせいだ、自分が悪い」と考える習慣がついてしまいます。

必ずしも誰かに言う必要はありません。自分の中で「私は〇○だ」という像を持つ必要があるでしょう。

③方向性

「自分がどんな人間でありたいか」という価値観です。
例えば「家族に優しい人間でありたい」とか「死ぬまで健康であり続けたい」とか「女性として魅力的であり続けたい」のようなものですね。
この方向性を常に持っていることで、行動や選択の際に迷うことが少なくなります。
一本筋が通った生活を続けられるようになり、無駄が少なくなります。もしも間違えてしまったときもリカバリーが早いです。

方向性を持って行動することで、自然とそれに合致する人が周囲に集まってきます。
似たような志向を持っていますから、賛同し合えることが増えていきます。
それによって自分のやっていることは間違っていない、と、行動が強化されます。

この3つ「環境」「アイデンティティ」「方向性」のサイクルが回ることで、努力が、ただ辛いだけの作業ではなくなります。
他人の意見が、非難や批判ではなくアドバイスとして聞けるようになります。
そしてその姿をみて、周りの対応が変わっていきます。

結果として、自分で自分に自信が持てるようになっているのではないでしょうか。


オンラインカウンセリング 惠然庵
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