分けること
色々考えてもいい案が出ないなら、今の仕組みを切り分けて、再構築するというのは有効な手段だと思う。
何を考えているかというと、先生の持っている役割を分けてしまえばいいんじゃないないかということ。先生って激務だと思う。しかも超マルチタスク。年収1000万もらっているようなビジネスマンでもなかなかマルチタスクな人はいないんじゃないかな?それだけ高い技術でいろんなことを両立するのは難しい。一般の企業ではそれをよくわかっていて、かなり細かく業務内容を規定して、分業する。マルチタスクは一般的に効率が悪くできるだけ避けるように指導される。先生だけジェネラリストを求められ、マルチタスクを求められる。もちろん多くのことをこなせるスーパー先生もいるとおもう。でも、それを前提に仕組みを作る”経営者”は、かなり楽観的ではないか?
先生の仕事の中で最も難しい仕事は、生徒・児童の個々の個性や進捗度合いに応じたきめの細かい教育をするということではないでしょうか?Noteにご意見を発表されている先生方の多くの方が課題として挙げられている(アンケートってNoteでとれるんですかね?)。しかし、先生の数や予算の問題でなかなか難しい。では、これを先生の業務から分けてしまったらどうだでしょうか?
W.L.Gore & Associates という会社があります(日本法人は日本ゴア合同会社)。ゴア社では日本での上司の役割を分けています。一般的に上司の役割は、事業の成功と部下の育成です。ゴア社では、リーダーと呼ばれる役割の人は、ビジネスの成功を優先的に考えます。スポンサーと呼ばれる役割は従業員の成長を考えます。以下はゴア社のリクルートページからの抜粋になります。
スポンサー
アソシエートには、一人ひとりの成功の手助けをしてくれるスポンサーがいます。スポンサーとリーダーは、例えば能力開発のための強みと機会に関するフィードバックや、組織内の他の人々との繋がりを得られるような手助けなどを通じて、その人の成長をサポートすることが求められます。スポンサーは上司ではありません。アソシエートの成功のために手を貸すコーチのような存在です。ゴアで働き始めるアソシエートには、スターティングスポンサーが付きますが、いずれは成長と能力開発ニーズに合わせてスポンサーを選ぶことが可能です。
スポンサーは従業員の互助的な仕組みですが、会社がその仕組みを維持することに積極的に関与します。互助的とは、スポンサーはリーダーが兼務することもありますが、その従業員が現時点で携わっている仕事の先輩や業務と関係なく社歴の自分より長い方がスポンサーになることが多いです。スポンサーは一対一の関係を築きます。こういった仕組みの背景としては、ビジネスのゴールは、必ずしも従業員の成長と直結しないため、上司がビジネスの成功と従業員の成長を両立させることが難しいためです。長い目で見れば部下の成長は会社にとってとても重要なことなのですが、目先の成果を求められるビジネスのリーダーにとって、優先順位の判断を間違うリスクは相当高いといえます。そういった課題を解決する方法論として、上司の役割をリーダーとスポンサーという役割に分けてしまったのです。今回取り上げた教育の問題点この仕組みを使って解決できそうな気がしませんか? 教育の現場に導入することはできないでしょうか?
いろんな分け方はあると思うのですが、まずは個別指導の部分を先生の業務から分けてみましょう。先生が個別指導を行うのは、かなり無理があります。家で子供の勉強を見てあげてもすぐに30分とか経ってしまいますよね。30人いたら、15時間かかってしまいます。。。。ここで個別指導という業務をもう少し細かく分析してみます。多分、分からないところを事細かに教えるための時間というは実はあんまり多くないのではないでしょうか?ヒントを出す、調べ方を教える、答えがあっているかどうかを判断してあげる、いやになった子を励ます。コツやノウハウは必要で、かつ生徒児童との信頼関係と、時間がかかますが、先生でなくてもできると思いませんか?
そこで、この部分をスポンサーという形で先生業務から切り離すというアイディアです。スポンサーは、勉強のコーチです。分かるように教えるのは先生の仕事です。スポンサーは生徒・児童が習ったことを定着させるために行う演習を着実にこなしたり、どういった演習をどれだけするべきかを決める手伝いをします。分からない内容に対して、それをわかるために必要なリソース(ほとんどの場合先生)とマッチングを行います。生徒・児童は何のために勉強しなければならないかをよく見失います。スポンサーは一緒に考えます。スポンサーは、先生でもいいですが、学校内外の多くの人がなることができます。親、教育ボランティア、上級生、もしかしたら、教科限定であれば同級生でもいいかもしれません。たいそうなことを言っているように思われるかもしれませんが、想像してみてください。
「先輩、この問題が理解できん」
「わからんよな、俺も分からんかった。特にこの部分がわからんよな」
「ですね。。」
「ええYouTubeがあるんよ。みてみい。それでも分からんかったら、OO先生に相談してみ。あの先生はこの辺のプロで。」
「でも、担任と違うで」
「担任と違うけど大丈夫。あれやったら、言うといちゃるわ」
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