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ひまわりの家のキャンパス(短編小説)
執筆者
#有度の里 #Ishikawa・Hironao
#夏の思い出
夏の思い出・介護施設に関する物語を書いてみました。この物語はフィクションであり、実在の人物と団体とは関係ありません。すこしでも福祉の魅力について知ってもらえると幸いです。
都会から遠く離れた、小さな介護施設「ひまわりの家」がありました。この施設には高齢者たちが日々を過ごしていた。1年で最も暑い時期ではあったが、施設の庭にはたくさんのひまわりが咲き誇っていました。
佐藤さんがひまわりの絵を描く企画を提案
ある日、スタッフの佐藤さんは施設のお年寄りたちと一緒にひまわりの絵を描く企画を提案しました。
佐藤:「みなさん、今日はこの庭の美しいひまわりたちを一緒に描きませんか?」
施設のみんなは戸惑う。何年も筆を取っていない人、絵を描くのが得意ではない人も多かったのです。
田中(施設の住民、かつては画家を目指していた):「絵を描くのは何年ぶりだろう。この庭のひまわりを題材にするのは良い考えだね」
小林(施設の住人、絵の具を使うのは初めてな老女):「絵なんか描いたことないですよ」
田中さんの腕前に驚きが・・
実際に絵を描いて見ると。田中さんの絵の腕前に驚きの声が・・
他の住民:「田中さん、その絵はすばらしいね!」
田中:「若い頃は画家になりたかったんだ」
小林:「うーん、うまくいかないなぁ」
田中:「こうやって、筆を持つ角度を変えると・・・」
小林:「あ、それはいいかも。ありがとう田中さん」
田中さんの隣に住んでいた小林さんは、絵の具を使うのは初めてだったが、田中さんのアドバイスを受けながら、自分のひまわりを描きました。
夕方になってから、自分の作品を見せ合う
夕方になると、皆が自分の作品を見せ合う時間となった。施設のリビングには様々なひまわりの絵が並び、それぞれの絵には、その人の生きていた時間や思いが感じられる。
佐藤:「みなさんの絵を見ると、それぞれの人生の思いが感じられますね」
田中:「ひまわりは太陽を追いかけている。わたしも若いときは夢を追ったな」
小林:「わたしのひまわりはあまり完璧じゃないけど、楽しく出来てよかった」
夏が過ぎて、ひまわりが枯れていく中、介護施設「ひまわりの家」には、あの日のみんなの絵が飾られこととなり、施設の思い出として、良い企画になったそうです。
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