ようやく言えたね
コロナ禍に家族になった私たち。
家族3人で旅行らしい旅行をしたのは初めてのことでした。
旅行と言っても弾丸日帰り旅行でしたけれども。
道が混まない夜のうちに出発しようと話をしていたのに、その日娘が宿題を終わらせたのはまもなく0時になろうとしたところでした。
やれやれ、また家の中の雰囲気が悪くなるのか。
夫が口火を切っていつもの戦いが始まりました。
今日は黙っておこう。と、様子を見ていた私も徐々に加わり、これをどうすれば、この後楽しく出かける家族に繋がるのだろう?と絶望的になっていたそのときでした。
私が寝た後に、お父さんとケイトが楽しく笑っているじゃん。お父さんをとられたみたいでイライラするんだよ!!
娘が、ようやく本音を吐き出してくれたのです。
もちろん、そんな思いをさせてしまって、反省しなくてはいけないのは私です。
でも、多かれ少なかれ、継母に対してそのような感情を抱いてしまうのは仕方がないことだと思っています。
父親が再婚し、母親ができることの期待感も、実際に再婚した相手と理想とのギャップに拒絶反応を示すことも、私自身が体験して知っていましたから。
だから、綺麗事では済まされない、継子、継母、それぞれの消化しきれない感情は、ある程度、仕方ないことだと思うのです。
だからこそ、ひとりで抱え込まないで欲しいと思っていました。
うちに秘めて感情を押し殺さないで欲しいと思っていました。
とったりしないよ。
お父さんをとられることがどんなに悲しいか私は知っているから、貴女からお父さんをとることはないよ。
それに、貴女から見ると、お父さんと私が仲良くしていて面白くないと思うかも知れないけれど、私だって、私ひとりが他人で、貴女とお父さんは血が繋がっていて羨ましいと思うことだってあるのよ。悲しくなって泣いてしまうこともあるのよ。
いつものように不貞腐れて壁に向かっていた娘が、少しずつこちらに向き直してきました。
そして、これだけは言っておくけれど。
私は、お父さんよりも先に貴女と家族になりたいと思っていたの。貴女の写真を見て、この子と家族になりたいから、お父さんのことをもっと知りたいと思ったの。
だから、お父さんと結婚したら、おまけで貴女がついて来たんじゃない。貴女がいなかったら、お父さんとは結婚していなかったよ。
そこまで話して娘に近づいていった私の胸に、小さな頭を埋めてきた娘。
さ、支度をして出かけましょ。
家族っていろんな形があって、何が正解かわからないけれど、私たち家族は、間違いなく、少しずつ家族らしくなってきているんだと思いました。
結婚祝いに従妹から贈られたお出かけチケット。
あと5日で期限切れになるところ、夫には仕事を休んでもらい、私も人に任せて無理無理予定を立てました。
朝、ハワイアンズの駐車場に一番乗りした私たち。
その日の来場者の誰よりも開園を待ち望んでいたのは、興奮してほぼ眠らずに来た娘だったと思います。
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