運転免許証に旧姓を併記した話

戸籍の姓が変わって一年半、運転免許証の更新期日が月末に迫っていましたので、朝イチで免許センターに行って更新手続きをしてから仕事に向かう予定にしていました。

新姓が裏書してある旧姓の免許証は、いつでも新姓ケイトと旧姓ケイトが同一人物であると証明できる公的書類を持っていると言う安心感があったので、それがなくなるのは心細くて寂しいな。と感じていました。


さて、忘れ物がないように。と、運転免許証更新のお知らせはがきにもう一度目を通していたときです。

・旧姓を表記したい方

[必要によりお持ちいただくもの]と記載された欄に、そんな項目を見つけたのでした。

え?旧姓が併記できるの?

そう言えば、公的証明書の旧姓併記について議論されていると言う記事は斜め読みしたことがありましたが、その結論がどうなったかについては気に留めたことがありませんでした。


私は今現在、職場では旧姓のまま仕事をしています。
営業職であるため、すでに対応している顧客に対し姓が変わりましたと説明しなくてはいけない煩わしさと50代の再婚と言う気恥ずかしさからの選択でした。

しかしながら、大手企業と言われる勤務先の現状として、旧姓を名乗ることに対してのハードルは低かったものの、営業に欠かせない見積書・契約書類を作成するシステムが、会社に申請している戸籍名に紐づいてしまっているため、一番大事な顧客宛の書類が旧姓表記されてしまうと言う不都合。結局、姓の二重表記からは免れられない結果となってしまっています。

書類をよくご覧になっている顧客からは、ご指摘をいただくことがありますが、概ね好意的に捉えていただけているようなので、今はもうそれに甘んじていますけれど。

私の旧姓に対する熱量は、過去の記事に書きましたので、それを踏まえて、今日の手続きの話をしたいと思います。


警視庁のHPによると、令和元年12月1日から運転免許証に旧姓併記ができるようになった。とされています。

優良ドライバーであれば、免許証の有効期間は5年と、比較的長い期間になりますので、手続きとしては、裏書されるもの(私の今の免許証の新旧が逆転するイメージですね)と免許証を再発行する場合に分けて説明してありますが、私のケースは、更新で再発行が伴うタイミングだったため、通常かかると説明されている再発行手数料はかからず、表面に 新姓ケイト[旧姓ケイト] と表記されることになりました。

ところが、この手続きには事前準備が必要とのこと。

手続ができるのは、区市町村に旧姓(旧氏)を併記するための請求手続を行った方になります。
警視庁HP


区役所のHPに移動しますと、令和元年11月5日より、住民票、印鑑証明書、マイナンバーカードに旧氏(名字)の記載ができるようになります。とあります。

区役所へは、寄り道をしても免許センターに行くのにもそれほど不便を感じる場所ではありませんでしたので、立ち寄りを午前休に変更して一気に手続きしてしまうことに決めました。

本籍を現住所にしておいてよかったと思ったのは、この手続きには戸籍謄本(抄本)が必要だったからです。

つまり、運転免許証に旧姓を併記するためには、戸籍謄本(抄本)の原本で旧姓(一度でも自身の戸籍に載っていれば、出生時の姓である必要はないそうです)を確認し、住民票に旧姓を登録しなくてはならず、住民票に旧姓を登録すると、必然的に印鑑証明書やマイナンバーカードにも旧姓が併記されると言うことでした。


今日の手続きで感じたこと。

区役所の窓口で最初に対応してくれた若い男性職員さんから説明を受けました。

一度旧姓を登録すると、どちらか一方だけ記載された住民票等を発行することはできない。
登録した旧姓を削除することはできるが、同じ旧姓を再登録することはできない。

いいですね?と念を押されたので、住民票に旧姓が併記される弊害はありますか?と尋ねました。

区役所としては公的証明書として発行するが、各銀行や企業によっては受け取ってもらえない可能性がゼロではないから都度自分で確認する必要がある。

ん?
公的証明書を民間企業が受理しないとはどう言うこと??そんな可能性があるのに、必ず併記されてしまうとは、一体どんな制度なんだ??


説明する側は、ルールですからと言いたげですが、当事者にとっては死活問題です。

若い男性をおばちゃんがいじめているような構図になっていたかと思いますが、納得する回答を得られるまで、何度も何度も確認しました。

奥から出してきた書類には(私が事前に受け取った書類は差し替え前のものだったらしい)、旧姓を登録しても、銀行等の提出先で旧姓が使用できるとは限りません。と書いてありました。

それならわかります。

旧姓使用を前提とした併記と、新姓使用を前提とした登録とでは、質問も変わってくるでしょうし、併記する旧姓が出生姓か婚姻姓かによっても気になる内容は異なるでしょう。

私は新姓で生活するけれども、出生姓であったときの自分も本人確認できるようにしておきたかっただけなので、旧姓が併記されて困る場面はありますか?と確認したかったのです。

こう言う言い方をするとまた、偏見になるのでしょうけれど、一般的に姓の変わらない男性職員さんには質問の意図が伝わらないと言うか、そもそも旧姓を併記したい理由など想像つかないのかも知れないと思いました。

ついでに訂正をしておきますと、同じ旧姓を再登録できないのではなく、一度削除した場合、その後戸籍上の姓が変わるまで再登録はできない。とのことでした。

ルールや手続きが複雑に設定されているのは、不正利用を防ぐための苦肉の策なのでしょうけれど、届け出を受理する側が説明できないような制度はいかがなものかと思ってしまいます。


もうひとつ、モヤモヤしたのは、確認書類のこと。

この後に手続きした免許証センターには、無事に旧姓が併記された住民票を持参しましたが、確認後、住民票は返却されました。

ところがです。
その前の一連の手続きをした区役所では、3ヶ月以内に発行された戸籍謄本(抄本)の原本が必要です。と言われ、同じ役所内で証明書を発行してもらい、証明書を提出して来ていたのです。

その原本、紙で保管するのでしょうか?


かくして、新しい運転免許証には希望通りに旧姓が併記されることになったのですが、つい先日、やっとやっと重い腰を上げて受領してきたマイナンバーカードを家に置いて来てしまったがために、早めにマイナンバーカードにも旧姓を併記するように。と言われてしまいました。
今度はマイナンバーカードに旧姓の併記がない場合、コンビニ等で住民票を発行したいときに、受け付けてもらえない可能性があるのだとか。

なんだかなぁ。


これから実際に感じるであろうメリット・デメリットは、また機会があれば報告したいと思います。


何はともあれ、昨日発券した『男闘呼組』のプラチナチケットを旧姓のまま購入してしまっていたことに気づき、まさか会場で本人確認されたりしないよね?と頭をよぎった不安が、これで解消され、高校時代の当時の名前のチケットでコンサートに行けることが、なんだか嬉しい、単純な私なのでした。


あ、大切なことを忘れていました。

私が今になって旧姓に拘っているもうひとつの理由を。

結婚前まで、たったひとりの家族であった未だ独身の姉(と言う書き方は悪意があるように見えますが、出生姓であることを言いたかっただけです)と、姉妹であると言う確認がすぐにできる利点があること。

姉妹で苦楽を共にしてきた気持ちが、出生姓に対する愛着の正体なのかも知れませんけれど。

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