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凡人のための地域再生入門

カラクリワークスで積極的に書籍を購入していて、その中の一冊である「凡人のための地域再生入門」(木下斉/ダイヤモンド社)をようやく読了した。最近は堂々と「積ん読賛成派」を自認している私は、本を読みかけでやめてしまうことを厭わない。ほとんどなんの躊躇もない。罪悪感もない。だから読了するというのはまあ珍しくて、例えばどんな本を読了するかといえば、それはもう面白い本としか言いようがない。そんな偉そうにいうことでもないんだけども。

今の私にとって面白い本ってどんな本かといえば、役に立ちそうとかではなくて、未知の世界に連れてってくれる感じだったりする。それはだからビジネス書とか、小説とか、エッセイとかいうジャンルもあんまり関係ない。で、未知の世界を「教えてくれる」とか「理解できる」とかって感じではなくて、「連れてってくれる」というところが大事かなーと思う。「ああああーー」ってこちらの意思と関係なく連れていかれるくらいのチカラがあれば、読み切るのは当然といえば当然か。

この「凡人のための地域再生入門」は、タイトルも出版社もいかにもビジネス書然としているんだけども、さすがに普通のビジネス書であれば「積ん読賛成派」を読了させることはできない。この本は小説仕立てになっていて、そこがホントに秀逸だった。難しいこととか、複雑なこととか、説明しようとすると長くなってしまうような話が非常にリアルに描かれていて、思わず腹が立ってくることは一回や二回ではなかった(腹が立つシーンが少なくないので)。

この本が出版された昨年末、福岡の書店で著者の木下さんのトークイベントが開催され話を聞きに行った。その時、登場人物にはまあまあモデルがいるというようなお話されていたことをさっき改めて思い出して、なるほどだからこんなに情景がリアルなのか、と時空を超えて納得納得。こんなスタイルで書いていただけたことで、未知の世界に連れてってもらえて本当にありがたい。

読了して「勇気が湧いてくる感じだなー」と思って、そういえばもしかしてと思い出して表紙をめくると、木下さんのサインとともに「始める勇気を持とう!」って直筆のお言葉。まるっと見事に、木下劇場に飲み込まれた次第。いやーお見事。何かにつけ読み返すだろうなー。


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