生まれ故郷への旅②:旭川
両親は1973年に熊本で結婚して、そのままその足で旭川に引っ越した。もちろん転勤で。翌1974年に私が生まれる。当時、20歳代半ばで見知らぬ土地に移り住んだ母親にとって、人生初の出産を控えて心細い事この上なかっただろう事は容易に想像がつく。そして実際、本当に本当に辛かっただろうな、と思う。信じられないくらい寒さが厳しいし。
当時1歳の弟を含めた4人の家族は、私が4歳の時に熊本へ引っ越した。今私は44歳なので、今回の旭川訪問は40年ぶりとなる。記憶がない事もないけど、それはもうほとんどあてにならない。出発前に両親に話を聞いたけど、曖昧すぎて実際にはそれほど役には立たなかった。
札幌駅から旭川駅へは「特急スーパーカムイ」で。九州では見かけないデザインが新鮮、かっこいい。旭川駅は、最近リニューアルしたんだろうという感じの新しさ。そこからバスで20分弱くらいかな、生まれ育った場所に着いた。母親はここで厳しい寒さに耐えながら子育てしていたんだな…と思うと、猛烈に感慨深い。
そこから通った幼稚園(めいほう幼稚園)にはなんとかたどり着いたんだけど、暮らしていた家がどこだったかもう全くもってわからない。なんとなくここかなーみたいな場所はあったけど、確証が持てない。もちろん当時の住所はわかっていたんだけど、該当する場所がないのだ。道行く心優しい人に尋ねたら、何年か前に町名変更があったとのこと(この記事を書くにあって調べなおしたら旧住所との対照表が出てきた。現地で調べればよかった)。
およそこの辺だろうという場所で記念写真を1枚。限りなく記憶が薄い場所に、このタイミングで立てたのはとてもよかった気がする。具体的にどういいかはわからないけど、気分的にすっきりした。新しい一歩が踏み出せそうな気持ちが湧く。
帰りに、旭川らしいものを食べたいってことで、「旭川ラーメン梅光軒旭川本店」へ。福岡では食べる機会の少ない味噌ラーメンを味わえて満足。
5月の旭川は暑いくらいの天気で、冬に来たらどうなんだろうと想像する。また行くことはあるだろうか。