-Tangoな日々- 実際に観ること、感じることのススメ
今回は、
『アルゼンチンタンゴ、
実際に観ることのススメ』
を、お話ししたいと思います。
今回は、私達ダンサーのパフォーマンスを例にしてお話します。
タンゴを全く踊ったことがない方や、まだ初心者でミロンガ等へ行かれたことがない方、
ぜひ、踊りを実際に観れる場、に行って欲しい。
それは
実際に観るのと
動画で見るのとでは
全く違うからです。
今はYouTube等の動画サイトで、簡単にタンゴを観ることができます。ですから、踊ったことがない方や、まだ初心者でミロンガ等へ行かれたことがない方でも、ミロンガの様子やプロのパフォーマンス、大会やフェスティバルの様子をクリック一つで見ることができます。
これは、とっても簡単。
素晴らしいことだと思います。
私も実際にパフォーマンスをして、その様子を動画に撮り公開していますし、ミロンガに行き実際に観たダンサーのパフォーマンスを、後日アップロードされた動画で見たりしています。
そこで私がいつも感じることは、
実際に観るのと
動画で見るのとでは
全く違う。
ということです。
ある踊りは、実際に観た時には素晴らしいけれど、動画で見るとその感動があまり反映されず、あれ? と思うことがあります。
そしてある動画は、実際に観たときよりもビデオの方が素晴らしいなあ、と感じたりします。
なぜ、こんなギャップが?
これは、
ダンサー達の実際のエネルギーや感情、息遣いがビデオ映像には反映されていないことがあるからです。
[Photo:Monteleone Tango/Argentine]
アルゼンチンタンゴは、体操ではありません。
音楽に合わせてどれだけ正確なステップをしたかとか、どれだけ難しいステップをしたか…
だけではなく、
ダンサー達から発せられるエネルギーや感情、
本人達の人生などが、そのパフォーマンスに影響します。
ですから、
ただ2人がアブラッソを組んで歩いているだけ、簡単なステップしかしていないのに、涙がこぼれそうになるくらい心が震えたり、
ものすごく美しくて難しいステップを次から次へと繰り出して踊っているのに、美しいだけで全く心に響いてこない、何にも感じない。
ということが起こったりします。
ビデオでは、テクニック的な面や外見的美しさを見ることができますが、
そのダンサーの内面から出るパワーや、感情のひだ、音に対する想いのひと滴。
パートナーを抱擁することアブラッソの温度や、パートナー間の身体を通しての会話、彼らの積み重ねてきた歴史、背景。
その日、そこに集まった観客達の熱気が創り出す空間から感じるもの。
そして、時として起こるアクシデント。
そこから生まれる2人の機転や掛け合いから生まれる即興の物語。
そういったことを、動画では残念ながら捉えきれません。
その場で観るからこそ感じることができ、
そこにこそ、心揺さぶられる何かがあるのだと思います。
動画は、
それをきっかけにタンゴに興味が出たり、自身のモチベーションが上がったり、テクニックや美しさを確認して楽しむのはもちろん、世界にいる色々なダンサーやイベントを新たに知ることができるきっかけとなったりします。
もし動画を見て興味を持ったのなら、
次はぜひ本物のパフォーマンスの場へ、実際に観に行ってみてください。
タンゴは世界中で踊られています。
日本はもちろん、世界中で踊り、そして観ることができます。
きっと動画では味わえない感動がありますよ。
そして私の踊りも、いつか実際に観ていただける機会があれば幸せです。
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