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RPAの未来(製品・サービス的に)

今年って、RPAという製品(サービス)にとってものすごく重要な一年だったと思います。シェアがどうのこうの、この製品がいいとかと言う話では決してありません。10年単位くらいの大きな技術的、製品としてのビジネスの話としての話です。クラウド好き、SaaS好きのおっさんの妄想かもしれませんが、大きな流れとして今年はものすごくターニングポイントだったと思っています。

RPAがバズったころからの違和感

正直RPAといったソフトウェア製品にはバズった2018年・・・RPAを自分が具体的に知った年・・・からずっと違和感がありました。その正体は何かという事は、RPAという製品がPCやサーバーにインストールするものであること、そして基本的には買い取りの製品であることです。ソフトウェアのビジネスの世界では2010年から明らかに「所有」から「利用」にビジネスモデルが大きく動いています。買取のソフトウェアのグローバル市場を独占したソフトウェア界の巨人であるSAPもオラクルもすでに今はクラウドサービスへの移行を進めているし、パソコンのOSやオフィスソフトを事実上独占しているマイクロソフトですらプラットフォーム企業と自らをうたっています。もはやソフトウェアは買うものではなくなっています。

しかしながらRPAというソフトウェア製品はなんか違っています。提供するサービスはフツーの人から見れば新しいテクノロジーを駆使した新しい製品です。しかしながらそのビジネスはなんか古いまんまの「売り切り」のビジネスが基本なのです。・・・このビジネスモデルにはものすごく違和感がありました。

日本でRPAが普及したひとつの要因

日本でこんなにRPAがもてはやされた理由は日本特有のITの負の資産の存在です。アメリカではパッケージにビジネスルールを合わせるのが主流なのに対し、日本は業務にシステムを合わせて自ら構築したり無茶苦茶カスタマイズしたりするのが主流です。アメリカの企業がパッケージベンダーの製品の進化に合わせて業務を変えてゆき、新しく提供されたAPIをうまく使っていくのに対し、日本は古いバージョン過ぎてそれができないためシステムとシステムに壁みたいなのがある。そういった負の遺産が多いからRPA利用の必然性がありました。ちなみに中国は新しい企業なので初めからクラウド利用の会社が多いようです。(このへんはBizROBOさんの話から引用です)。つまり日本は「時代遅れ」だからRPAが流行したのです。クラウドサービス中心のIT利用であれば、そもそもRPAは不要なのです。

PowerAutomateとGoogleAppScriptの登場

以前からクラウドサービスが発展してくるとRPAは不要になる・・・そうは考えていました。RPAは日本が近代国家になるころに流行った「尊王攘夷」のようなものでいずれ時代の波、クラウドの波にかき消されるかもしれない存在・・・今、必要なものではあるけれども永遠には続かないものと考えていました。

そしてそれが現実のものとなったのがPowerAutomateとGoogleAppScriptの登場です。PowerAutomateなんかはAPIを使うPowerAppsの延長線にあるものです。APIではできないところをPowerAutomateがカバーするという戦略です。徐々にAPIが使えないソフトウェアは減っていきますからPowerAutomateもだんだん溶けてなくなっていくものだとも考えられます。昨年末のPowerAutomateの登場はそういった意味で「黒船襲来」のようなものと感じました。そしてGoogleAppScriptの台頭です。いずれクラウドの世界からローコード、ノーコードの波が押し寄せてくるのは必然の流れになってきています。

A2019の登場

そしてAutomationAnywareからクラウド型のRPAであるA2019が今年登場しました。本をいただいたので実際に使ってみましたが、本当にクラウドで動いています。この登場はRPA業界では衝撃的な事です。それに対してはユーザー企業も反応していますフジテックさんのようなIT先進企業が実際に採用しはじめました。彼らのお眼鏡にかなったという事がものすごく重要な事です。いままでRPAを冷めた目で見てきた企業もRPAが普及する可能性が出てきました。もちろんこの流れはAutomationAnywareさんだけではないと思います。RPAの市場は必然的にサブスクリプションモデルに移行していくはずです。他の大手RPAベンダーも遅かれ早かれクラウドサービスに移行してゆくと思います。そういった意味では本当に2020年はターニングポイントの年だと思います。前の部分でクラウドの波にRPAビジネスが飲み込まれるような話をしましたが、Zoomの例もあるように専業ベンダーが生き残り市場を席巻する可能性も十分にあります。このあとRPA製品のビジネスがどう変わってくのか楽しみでもあります。



・・・とまぁ今後のRPA製品・サービスのビジネスの動きについて書いてみました。あくまでも自分の妄想みたいなものですが、ホントどうなる事でしょう。

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