【練習録音の話 第9報】練習録音の活用
これまで、練習録音の主に録音技術的な面を切り口として、記事をアップしてきましたが、今回は私がどのように練習録音を活用しているか記したいと思います。
1. 準備
まずは細かいところや小さい音も漏らさず聴ける静かな視聴環境を確保。そして楽譜と筆記用具を準備。
YouTubeで共有化しているので、簡単に戻して聞けるように、もしYouTube Premiumを契約しているなら「Premiumのコントロール」を予め表示させて置くことも大事です。
2. まずは通しで聞いてみる
練習録音を聞くと、色々と気になってしまう点はあるのですが(^^;)、まずは1回、通しで聞くことにしています。
これは全体的な流れの中で、俯瞰的に見て修正が必要な点はないか、確認するためです。特に自分のイメージしていたとの違った聞こえ方をしているところはチェック。
そして気が付いたところは、すぐに楽譜に鉛筆で書き込みます。
3. それから細かなチェック
通しで聞いて、全体的な流れを確認したら、次は細かいところのチェックです。私が確認しているポイントを並べてみると………。
曲に対して、適切なアタックになっているか?
曲に対して、適切な音の処理はできているか?
曲に対して、音の繋げ方は適切か?
早いパッセージで、転んだりせず、正しいリズムで演奏できているか?
音程は正しいか?特に跳躍するところで、ぶら下がったり上ずったりしてないか?
強弱記号に対して、適切な音量、適切なバランス、適切な音の形で表現できているか?
音楽が細切れにならず、きちんとフレーズとして成立しているか?
そして表現したい音楽は伝わってくるか? などなど
………つまり、これまでレッスンでご指導頂いてきた切り口での確認となります。
練習録音の活用では、ここがひとつのポイントだなと感じています。やはりどうしても、練習録音を聞いての気付きは、自分の中に持っている切り口の範囲内になってしまいます。
極端な例として、例えば「アタックが奏者間でズレていたら、ザッツを出すなどしてそれを合わせるもの」というレッスンを受けたことがなく、その切り口を知らなければ、いくら練習録音を聞いても、アタックがズレていることに気が付かず、演奏には活かされない可能性が高いということ。
つまり、練習録音が活用できる範囲は、その奏者がそれまで受けてきたレッスンの範囲内となります。そこでまずは正しい切り口とそれに対応する正しい演奏をするために、プロのレッスンを継続的に受けるという経験は大切だと思います。
また例えば、普段の合奏練習の指導者がプロの方ではない場合などは、客観的に練習録音を聞いた上で、練習録音を活用した練習を意識して組むなど、普段の合奏と練習録音とをうまくリンクさせることも肝要だと思います。
なお、練習録音で気が付いた点は、楽譜に鉛筆で書き込みます。書き込まないと忘れます(^^;)
4. そして練習へ
練習録音の確認が終わったら、楽譜に書き込んだ点を中心に、個人練習をします。このときもできれば録音をして、録音を聞きながら修正をしつつ練習したいところです(^-^)
5. 繰り返し聞く
チェックした内容の再確認はもちろんのこと、新たな気付きがあったりするので、練習録音は繰り返し聞くようにしています。
なお、クラリネットに関しても、録音録画に関しても、私はプロでもなく、また専門的な教育を受けた訳でもないので、もし、間違った解釈をしているところとか、なにかお気付きの点があったら、遠慮なくご指摘下さい(^-^)
また少しでも興味を持って頂きましたら、スキやコメントを頂けると嬉しいです(^O^)