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【練習録音の話 第3報】マイクのセッティングについて

 オーケストラや吹奏楽の練習録音では、良くも悪くも演奏をありのまま録音することが大事。今回は、演奏をありのまま録音することを目指したマイクのセッティングと、それに用いているマイクスタンドを紹介したいと思います。

 以下の話は、私が現在用いているTASCAM Portacapture X6で、可動式のマイクを90°に開いた(TASCAMのいう)A-B方式のセッティングを用いたときの話となります。

TASCAM Portacapture X6 (A-B方式)

1. マイクのセッティング

 もし練習会場が音楽ホールであるならば、迷うことなく決まることでしょう。ホールに備え付けられている3点吊りマイクを使えば良いのですから。

 しかし、アマチュアのオーケストラや吹奏楽団では、公共施設の会議室のようなところを練習に利用されている楽団が多いと思います。

 それらの会議室には3点吊りマイクなんかはなく、ついでに奥行き方向や高さも十分とは言えず、マイクのセッティングに悩むこととなります。

 そして吹奏楽団の練習録音で難しいのが、サックスの扱い。私の所属している楽団では、サックスは上手側の2列目にアルトサックス、3列目にテナーサックスとバリトンサックスが配置されています。

 マイクの位置や角度によっては、サックスのベルの方向とマイクの軸がたまたま完全一致してしまい、アルトサックスの音ばかりが大きく録音されたことも(^^;)

 そんなこんなで試行錯誤した結果、私の現状のセッティングを紹介します。

 まずマイク位置は、指揮者の後方1.5mくらい、指揮者の上方1.5mくらいを基準としています。

 ただ所属している楽団の練習会場は、あまりスペースに余裕が無いところが多く、ほとんどの場合、指揮者の後方1.5mというのは取れていません。

 それどころか、奥行き方向が本当に余裕が無くて、指揮者の後方にマイクスタンドを置くことさえ無理なことも。そのようなときは、指揮者の横側にマイクスタンドを立てて、マイクブームを斜めに伸ばし、なんとかセンターを確保しています。

 一方、指揮者の上方1.5mというのも、練習会場の場所によっては天井の高さの影響を受け、もう少し低い位置にセッティングすることもあります。

 その位置にマイク(リニアPCMレコーダー)を配置して、角度を少し下向きにして金管前列あたりを狙うようにしています。

 試行錯誤しつつこのように練習を録音をしている訳ですが、ホールの3点吊りマイクで録音した本番の演奏と聴き比べると………断然、ホールの録音の方が良いですね(^^;)

 まぁ、そこは箱も録音機材も全く違うので仕方ないということで、でも練習録音も楽団の演奏レベルを向上させるのに役に立つのは間違いないと信じて、睡眠時間を削りつつも練習録音を編集しアップし続けています(^-^)

2. マイクスタンド

 それでは、ご参考までに私が現在使用しているマイクスタンドをご紹介します。

2.1 K&M 20150 Microphone stand XL

 マイクスタンドというと、多くのものは人の身長よりも低いものとなりますが、練習録音をするにはそれなりの高さがあるものが必要となります。

 ただそれなりの高さがあるものだと、縮長(縮めたときの長さ)が長くなってしまうので、車への搭載と持ち運びを考えて選択したのが、このマイクスタンドとなります。

  • 最大伸長:3,220mm

  • 縮長:1,120mm

  • 重さ:4.97Kg

K&M 20150 Microphone stand XL

2.2 K&M 25530 Boom arm ExtraLong

 指揮者の後ろ側にマイクスタンドを立てるスペースがない練習会場において、マイクスタンドを指揮者の横側に立て、そこから斜めに伸ばすためのブームとなります。

 カウンターウエイト(バランスを取るための重り)も付いていて、安定感があります。

  • 最大伸長:1,550mm

  • 縮長:870mm

  • 重さ:1.6Kg

K&M 25530 Boom arm ExtraLong

2.3 K&M 19695 Universal joint

 マイクスタンドの先端に、角度を調節しつつ、レコーダーを固定するためのユニバーサルジョイントとなります。カメラでいうところの自由雲台ですね。

 ただ私がカメラで使っている梅本製作所さんの自由雲台と比べてしまうと、精度も止まりも悪いので、ややストレスを感じることがあります。今後、カメラ用の小さい自由雲台を探すことになるかもしれません。(参照:2.5 SLIK SBH-61:2024年9月15日追記)

K&M 19695 Universal joint

2.4 K&M 24731 Carrying case for wind-up stand »3000«

 これらマイクスタンド関係だけでもなかなかの重量になる上に、さらに録画用のカーボン三脚も一緒に運ぼうとしたところ………ギックリ腰になりかけました(^^;)

 無理をしてしまっていたことを深く反省し、現在は運搬用ローラーが付いているスピーカースタンド用キャリングケースを使っています。

 縮長が1,120mmがあるマイクスタンドのK&M 20150 Microphone stand XLが入るキャリングケースは少ないのですが、このケースならマイクブーム(K&M 25530 Boom arm ExtraLong)を付けたままのマイクスタンドと、三脚を一緒に入れることができます。

 なお、ケースの長さは1,450mmとなるため、運搬に使う車種によっては、購入前に積載できることをご確認下さい。<私のSUVには、斜めに入れることで、荷物スペースに収まってます(^-^)

K&M 24731 Carrying case for wind-up stand »3000«


 今回は、練習録音においてのマイクのセッティングの試行錯誤と、使用機材について紹介しました。

 私は練習録音と同時に、練習録画もしているので、次回は練習録画について、記事にできればと思います。


 なお、録音に関して、私は録音のプロでもなく、また専門的な教育を受けた訳でもないので、もし、間違った解釈をしているところとか、なにかお気付きの点があったら、遠慮なくご指摘下さい(^-^)

 また少しでも興味を持って頂きましたら、スキやコメントを頂けると嬉しいです(^-^)


以下、2024年9月15日追記

2.5 SLIK SBH-61

 どうしてもK&M 19695 Universal jointの精度と止まりが悪いので、カメラ用の超軽量自由雲台であるSLIK SBH-61に付け替えました。変換ネジを介して取り付けてあります。

 これまで、なかなかきちんと止まってくれず、録音中も不安があったところ、一発できちんと止まるようになり、ストレス激減です(^-^)

SLIK SBH-61

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