ロースターによって味が違うわけ 前編
焙煎ってやったことない方の方が圧倒的に多いと思うのですが、実はやってみると意外にもシンプルでそして簡単です。
簡単ですと言ってしまうとやや誤解を招くところもあるのですが、いわゆる焙煎の難しいところって実は豆を煎るところ以外の部分だったりします。特に業務用の高額な機械を使っていればなおさらで、一回説明書を読んで基本的な使い方を間違わなければちゃんと豆は焙煎できてしまうのです。
逆に手作業の多い家庭用の焙煎器なんかのほうがコツが必要だったりはするのですが、それだって何回かやっていくうちにだんだん慣れてきます。
じゃぁ焙煎の難しいところ、ロースターのノウハウとはなんなのかというとお店によっていろいろあるのはもちろんですが、商品設計と再現性ではないかと思います。
ひとつめの商品設計とはなにかというとその豆をどう焙煎したいのかという意思です。
本来コーヒー豆って浅煎りにしようが深煎りにしようが好みの問題なのでどっちだって正解なので答えというのは自分の中にしかありません。たまに「こんな焙煎は間違っている」みたいな過激なことを言う人もいるけどそんなのは「人参を柔らかめに茹でるなんて間違っている」と言っているのとほとんど同じで美味しそうに食べている人がいるならそれでいいのです。
だけれども提供する側であるロースターにはこの味をぜひ飲んでほしいという想いが必要だと思うし、そう言う意味で商品設計は大事なのです。
商品設計の拠り所となるのは自分がどういうコーヒーが好きでどういうコーヒーが苦手なのかといった実体験に基づく好みや、飲でくれる人がどういうコーヒーを求めているのかといった予測です。
そういうのをいろいろ考えてはじめてこのタンザニアは深煎りにしようとかこのエチオピアは浅煎りにしようという方向性が生まれるのです。
もうひとつは再現性。これには生豆の調達や保管なども含めた品質管理が重要です。
焙煎って毎回ちゃんと同じ味にするのが結構難しい。
生豆の状態だって完全に一定ではないし焙煎機は外気温や風の強さなんかにも影響をうけます。
業務用は温度計なども付いていて再現性を補助してくれるのですが、家庭用となるとさらに職人的な感が問われます。
逆にそこが面白かったりもするところです。
ほんとは今日は焙煎度と焙煎傾向と熱の伝わり方の話をしようと思っていのですがその前段階で書きすぎたので次回に譲ろうと思います。
ではまた来週☺️