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【読書記録】心理学から学ぶ上達法『上達の記録』

ピアノ・テニス・英語・将棋・執筆・茶道・タイピング。

物事が上達するって楽しいですよね。でもそこでネックになるのが練習した努力が実らないこと(僕も経験済み)。

しかしながら、どれも早く、要領よく覚えていく人って世の中にはいるものです (羨ましい…)。どうやら、彼ら・彼女らがものの見事に技術を習得していけるのかを心理学的に説明できるようなのです。

今回は上達を心理学的観点から説明する、『上達の法則 効率の良い努力を科学する』を紹介します。


仕事でも趣味でも、たえず新しい知識や技術の習得が、人生を豊かにする。英会話、パソコン、ゴルフ、さらに、あらゆる資格や稽古ごと等々。やる限りは上達したいものである。万年初心者ではつまらない。では、上達を極めた人と、そうではない人と、どこが違うのだろうか?

本書は、記憶心理学、学習心理学、記憶心理学などをベースに、上達法を科学的に分析。まず、「できる人」の記憶の構造はどうなっているのだろうか。アイコニックメモリ(感覚記憶)、ワーキングメモリ(作動記憶)、長期記憶などについて説明する。そして、上達の力学が<スキーマ>や<コード化>という能力にあることを解明。その理論から独自の上達ノウハウを披露する。「得意なものにこだわる」「大量の暗記暗唱法」「マラソン的訓練法」等々。さらに上達のプロセスで必ず訪れる「スランプ」とは何か、その対策も論じている。

努力が報われるために、本人だけでなく、親、教育者、コーチ必読の書。

Amazonより


宣言型知識と手続型知識


筆者によると、技能に必要な知識は2種類あるとのこと。1つは宣言型知識でいわゆる「暗記」から想起されるもの。例えば歴史の年号の暗記だとか、英語のスペリングの暗記などがそうですね。

もう一つは手続き型知識で、テニスのラケットを振る時の動作、ピアノの指遣いや打鍵の強さなどが該当します。こちらは単なる暗記では解決しない、動作に紐づく部分が特徴でしょう。

技能の種類によって2つの領域ににもよりますが、この2つを揃えて初めて技能の習得に至るとのこと。


チャンクの増大

中級者から上級者へと成長するにつれて、停滞期というフェーズがあると思います。本書ではこの段階を乗り越えるきっかけを紹介していて、その一つがこのチャンク数の増大になります。

人間は脳内に記憶しておける内容の数が大体7つと言われています。

例えば、自転車に乗るときのことを想像してみてください。

自転車を跨いでサドルに腰を乗せる、ペダルに足を置く、ハンドルを握る。

自転車に初めて乗る子供はこれだけで手一杯かもしれませんが、自転車に乗り慣れた人だとこれは無意識にできるし、話しながらだってできます。これは、この一連の動作を「自転車に乗る」という一塊 (心理学でチャンクと言うそうです)として捉えられるようになったから。

練習によって、動作を意味のあるチャンクとして捉えられるようになると、脳の空いたスペースで別のことに集中できるようになり、結果、技能が上達する、というわけです。



僕は文章力を上達させて、もっと色々な本を皆さんに紹介できるように頑張ります。

それでは。

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