事業再建、再構築で一番大事なこと
このあたりは専門的な内容やテクニックなど色々とあるが、事業の収益性を改善するという王道でいくならば、どんな事業内容であれ一番大事なのは経営者や事業責任者が希望を持てるかどうか、この一言に尽きる。
感受性の強い人が相手ならば、「もっと過酷な状況の会社なんていくらでもありますよ!きっと大丈夫ですよ!」なんてことをひたすら言い続ければ、"なんかそんな気がしてきた..."みたいなラッキーな展開もあるかも知れないが、時間もかかるし、簡単な理由でメンタルが落ちたりもする。
債務超過で金融機関も待ったなし、これといった打開策もない会社の経営者は諦めが入ってメンタルどん底なことも多く、言葉だけで前向きになれることを期待することはできないので、なぜ大丈夫なのかを具体的な根拠を示さないといけない。
それにはやはり決算書と現場を一通り見て、決定的な事業の欠陥を数字を使って示すのが一番。適当な感覚ではなく、「この作業効率での利益率、資金の回転率ではどう頑張っても物理的に経営が成り立たない」とざっくりした計算もしながら示す。そしてその内容は、少し賢い学生なら理解ができるであろう程度のシンプルなものがいい。
それができれば、どのように変えれば具体的にどのような変化が決算書に起こるかを示すことは比較的容易なので、第一目標への到達は近い。
これを2時間くらいの面談でできれば理想。時間が短ければ短いほど、決算書上での本質的な問題に近く、経営者も「問題はそんなことだったんだ!」となりやすい。具体例で書かないとわかりにくいが、でも実際、事業の決定的な欠陥なんてのは単純なものである。
事業の欠陥を調べるのに何日も何週間も、何か月もダラダラとかけていては残された時間の浪費にもなるし、「容易に答えが出せなかった複雑な問題=解決困難な問題」と思われる可能性もある。
結論までの時間が短ければ「シンプルだが固定観念にとらわれて見えていなかっただけの問題=解決も可能」となりやすい。
再建や再構築はトップが希望を持つことが一番大事で、そのためにはより短い時間で事業の決定的な欠陥を、決算書と現場を見て根拠をもって示すことが必要。
より短い時間でとなると、時間短縮に役立つ嗅覚や直感もあるとよいが、中小企業だとこの答えを税理士さんなどに求める人も多い。が、税務業務の専門家に、嗅覚や直感の要素も必要な事業の実務的アドバイスを求めるのはちと酷である。
これに関する過去の具体例はまた後日。
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