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新たなタイプの不登校(3)
理解しにくい子ども達
前回まで、何となく、つかみどころがなく、距離感もマチマチ、でもキレやすく、どこか冷めたところがある子ども達のことについて、考えてきました。
この子ども達について、もう少しこうなる原因を考えてみたいと思います。
発達障害があり悩む子ども達にも似ているし、「感じる自分」と同じように、周りに気をつかう、でも、一方でまるで周りを試すような言動もする、この新たなタイプの不登校の子ども達が、少しずつ増えてきていると、私は思っています。
具体的には、以前、お話ししましたが、少し付け加えると、
・話すときに目をあわせない
・あまり他人に興味を示さない
・反対にものすごく他人に気をつかう
・すごく周りの気を引くのに、近寄られると拒む
・怒るとものすごくキレる
・他人とうまく折り合えない
・他人との異様に距離が近いか、全く興味を示さないか
・他人のことを好きか、嫌いかの両極端しかない
・ものすごくネガティブで、喜んでいる顔を見ない
・嘘をつく
などの行動をとります。
だから、何かのきっかけで、不安感が出てくると、教室にいられず、学校に来れなくなってしまうのです。
学校の先生がどうしているかと心配になり、家庭訪問をすると、うれしいのにもかかわらず、ものすごくそっけない態度をとるとか、ろくに話もしないのに先生に会うなど、子どもによって反応が異なります。
学校にどうしても行けない子ども達の多くは、先生が家庭訪問で来られても、最初の間は、会うことも難しいしできない子どもが多いと思います。
その点から考えても理解しにくいところがあります。
中には、全く他人に興味を示さず、自分一人でいることが多く、学校に来れなくなっても、それほど不安にもならず家にいるケースもあるのです。
こうなってくると、大人側としてはどう対応して良いかわからないことになります。
ご家族の反応もそれぞれ異なります。
ものすごく心配をされているお母様もいれば、まったく知らん顔に近いご家族もいたり、一概に心配でどうなってしまうのかと悩んでいるご家族ばかりとも言えません。
こういう子ども達は、いったい、何が原因でこうなってしまうのかと考えたときに、実は、私の中では、この子ども達は「愛着障害」のある子ども達ではないかと考えているのです。
愛着障害は、ご両親などとの愛着形成がうまくいかなかったことで現れることが知られています。
赤ちゃんは、生後半年からもう少しすぎたころになると、お母さんが部屋から出ていくと泣くようになりますよね。
他の人がどれだけあやしても、泣き止まないのに、お母さんが抱っこすると、すぐに泣き止むようになります。
これはお母さんに対して、特別な感情を抱くようになったからです。
このような特定の情緒的な結びつきを「愛着」というのです。
この愛着がうまく形成されていないと、
・心理的な安心感を得られない
・人間を信頼できない
・コミュニケーション能力が育たない
ようなことが起こります。
こう考えると、ものすごく納得のいく部分があるように思います。
こういう子ども達について、もう少し考えてみたいと思います
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