Book069『人生と陽明学』安岡正篤
王陽明の陽明学を安岡先生が解説した本。
安岡先生の古典の解説はとても読みやすく、その知識の豊富さに驚く。人格を練るには何を知ればいいのか、どう行動すべきかが平易な言葉で丁寧に解説されている。
陽明学は明治維新の維新志士の精神的な支柱となった考え方と言われているが、私は以下のエピソードが印象的だった。
王陽明が死の間際、弟子から何か言い残すことはと問われた際に一言、
「此の心、光明。亦復(ま)た何をか言わん。」
と笑みを浮かべて言った静かに瞑目された。
自分だったら月並みに色々な人に感謝を述べて、、など色々と言うことを考えていた。その日を待つ必要もなく、日頃から感謝を伝えておくべきだと感じたし、後悔のない生き方を歩んできたからこそ出せる一言だと思う。私もこの一言を言えるような人生を歩もうと考えさせられた。