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#17 スクワットのやり方

はじめに

下半身を鍛える時に、どんな運動・エクササイズ種目を実施しますか?

恐らく多くの方が「スクワット」を行うのではないでしょうか。

皆さんはスクワットを正しく出来ますか?

この正しいスクワット、正しいスクワットのフォームという考えには、スクワットをどのように捉え、どのような目的によって行うかによって、変わってくるものだと思っています。

「スクワット」とインターネットで検索しても、いろいろなやり方のスクワットがあります。バーベルを担いだスクワット、自体重でのスクワット、手を頭の後ろに置いたスクワット、手を前に伸ばしたスクワット、いろいろなスクワットのやり方があります。

今回紹介するスクワットのやり方は、自分自身が学んで、経験してきた方法です。この方法をベースにして、一般のクライアントさんには適応しております。こちらの記事でも一般の方の健康増進、筋力アップの目的でのやり方を紹介します。

もちろんやり方は個人個人によって少し変更することはスクワットに限らず全てのエクササイズにて行われます。どの目的にも、誰にも"これ"と言った一つのスクワットのフォーム・やり方はないとも思います。

なぜスクワットをするのでしょうか?

下半身を大きくしたい。下半身の筋肉を付けたい。下半身を力強くしたい。しゃがんだり、立ち上がったりといった動作を楽にしたい。スポーツで活躍するために。

このようにいくつかのスクワットをやる理由があり、その理由に対してのスクワットの方法も変わってきます。

下半身の筋肉を大きくしたい。

ボディメイク(ボディビルのような体を魅せる競技に対してのトレーニングや体の見た目を変えるトレーニング)をされている方であれば、〇〇の筋肉(前腿やお尻など)をターゲットにしたスクワット方法を選択すると思います。

また、下半身全体を力強くして、スポーツなどのパフォーマンスを向上させたいのであれば、そのようなスクワットになります。

フィットネスレベルを上げることによって、スポーツなどのパフォーマンスを上げることにつながります。(これにはトレーニングと競技・スポーツの練習の両方が必要です。)

パワーリフター(スクワット自体が競技)であれば、それ相応のフォームがあります。また、ルールによって決まっている場合があります。さらにそのフォームが一般の方にも適応出来るかと言えば、別にそのようなフォームでなくてもいいと思います。

『一般の方であれば、どこにも痛いところがなく楽にしゃがんだり立ち上がったり(スクワットという基礎的な"動きのパターン")出来るようになることがとても重要な機能になると思います。』

(もちろん他のスクワットのやり方が常に痛みを伴うとか、間違っているという意味ではありません)

この機能を向上したい場合には、それに特化したスクワットの方法・フォームを適応する必要があると思います。ジムで健康の為に運動している方にはこのような考えのスクワットがいいかなと思いますので、そちらを紹介します。

もちろん紹介するフォーム・やり方で、ある程度の負荷を段階的に掛けていけば、筋肉が大きくなったり、強くなることは可能です。

スクワットのやり方・フォーム

ここからはスクワットのやり方について説明をしていきます。ここでは上述したような一般の方に対してのフォームについて説明をします。

スクワットはエクササイズ・運動種目でありますが、基礎的な人間の動きパターンでもあります。動きのパターンであるスクワットはしゃがむ動作です。

このしゃがむ動作が身体に負担なくできるのが理想的です。負担がない動きとは、膝や腰といった特定の部位に過度のストレス・負担が掛からないことです。このような過度の負担が怪我に繋がってしまいます。

立ち位置・足幅

初めに、足のスタンスはどうでしょうか?足幅はどのぐらい開いていますか?

肩幅、骨盤幅、ワイドスタンス、ナロースタンス… 一つの決まったスタンスではなく、個々人のそれぞれの幅・スタンスがあることを覚えておいてください。

一つの決まったスタンスがない理由の一つが、骨などの構造が違うということです。もちろん同じ人間であるため、全てが違う訳ではないのですが、個人間でもある骨の角度が違ったり、長さが違ったりということがあります。

解剖上、股関節を作る大腿骨の形や大腿骨の受け皿となる寛骨臼の角度などが違ってくるので、人それぞれの動かし方にも違いが出てきます。その為、スクワットのスタンスも変わってきます。

Themovementfix.comより引用

はじめに肩幅が一つのスタートポイントになると思います。そこから少しずつ閉じたり開いたりして、実際にスクワットをしてみて、心地良くしゃがむことができるかをチェックしてみるのも一つの方法です。

やりにくいスタンスであれば、可動域が小さく上手くしゃがめなかったり、股関節が詰まってしまうような感覚がありしゃがめないケースもあります。

他には四つ這いのロックバックという方法でチェックする事もできます。

やり方は四つ這いになって背中を真っ直ぐに維持したままお尻を踵に近づけられるか、背中を真っ直ぐに維持したまま、心地よく股関節の大きな可動域を得られるかをチェックしていきます。

足幅が狭いケース
足幅が広いケース

つま先の向き

つま先の向きも足幅と同じように色々と試してみるのが一番です。

多くの場合は、大体15-20度ぐらい外に開くのがしゃがみやすいと思います。

この時にポイントになるのは、足裏の3点(母趾球、小趾球、踵)がしっかりと地面についていて、バランスを取れていることです。

スクワット中に、足の内側や外側、踵が浮いてしまうのは良くありません。

膝の方向

しゃがんで行く時の膝の方向は、足の指の第2趾の方向へと向かうのがベストです。膝が中に入ったり外に出てしまうことは避ける必要があります。

膝が極端に外に向いており、足裏も内側が浮いてしまっている
膝が内に入ってしまっている

膝がつま先より前に出る

よく言われる、膝がつま先より前に出てはダメだということ。

これに関しては、特別気にする必要はないと思います。もちろん高重量を扱う状況で、極端に膝だけを前に出すようなやり方では注意が必要ですが、ここで行う両足でのスクワットであれば多少膝が出るのは問題ありませんし、膝が出るのは普通のことだと思います。

*既に膝に痛みがあったり、怪我をしている場合は、ご注意ください。

膝を前に出さないようにすることによって、極端にお尻を後ろに出して、腰への負担・ストレスが高くなってしまうことにも注意する必要があります。

また、膝が垂直に近い状態だと(つま先が膝より前には出ない)、よりヒップヒンジに近いスクワットになり、目指す動きとは少し変わってきてしまいます。

また、ここでは股関節膝関節、そして足首タイミング良く同時に曲がっていくことが重要であり、特定の関節に負荷が掛からずにしゃがむことが出来ます。

上半身・胴体の角度

上体は出来るだけ垂直を目指します(上体を起こす)。いろいろなやり方がありますが、自分は腰へのストレスを考えて、垂直を維持したまましゃがむように心がけます。

脊椎・背中は出来るだけ自然のカーブ・ニュートラルな状態スクワット中維持するようにしたいです。

その為、腰椎・腰部が必要以上に反る・アーチを強くせずに、また丸まるような屈曲位にもなりたくありません

https://lancegoyke.com/butt-winkより引用

高重量を扱っているときに、脊椎が屈曲になるのは特に避けたいことです。

腕のポジション

腕のポジションに関しては、自体重であればどこでもいいかなと思います。

多くの場合はツールを持つので、持つポジションによって変わってきます。

バーベルのバックスクワットであれば、後ろに担ぐようなポジションになり、ダンベルやケトルベルのゴブレットスクワットというエクササイズなら、ダンベルを前で持つような形になります。

バーベルのバックスクワット:後ろでバーを担ぐ

手を前に出したり、ツールを前で持つことにより、カウンターバランスが取れるので上体が起きやすく、重心を真ん中に持ってきやすくなり、スクワットしやすくなることもあります。

ゴブレットスクワット:前でツールを持つ

しゃがむ深さ

しゃがむ深さに関しては、脊椎の真っ直ぐを保つことができるところまで、下げるようにします。

色々な深さの名前(フルスクワット、パラレルスクワットなど)と定義はありますが、出来るだけ大きい可動域の中で行えるように動きます。もちろんしっかりとしたフォームを維持して行えることが大前提です。

何かしらこれらに制限を掛ける問題があれば、そちらにアプローチするのも必要となります。例えば、極端に足首の可動域に制限がある場合などです。

まとめ

これらのポイントをおさえた上で、まずはしっかりとフォームを固めるところからスタートをします。この動きをマスターするのが怪我なく運動をする為にも重要ですし、この基礎的な動きを獲得するのが一番重要となります。

何かしらの原因でうまく行うことができない場合もありますので、次回はそのような問題の改善のヒントを紹介します。

是非、あなた自身の健康的なスクワットの動作を獲得してみてください。

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