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「頭の回転が速い」を科学する

こんにちは、unnameの代表取締役の宮脇啓輔です。

普段から重要だなと感じたことや、自分なりに思考したものを伝えようとXで投稿しているのですが、その中でも反響が大きかった投稿をさらに肉付けして発信しようという試みで記事化しております。

この投稿がかなりいい反響をいただいたということもあり、投稿をベースに、もう少し肉付けして解説してみます。


「頭の回転が速い」の正体はなんなのか

「頭の回転が速い」と見える人は、実際は「累積思考量が多い」人だと思っています。 

なぜ頭の回転が速いように見えるかといえば、「過去、似たようなテーマについて考えたことがある」から。思考量の累積が多いから、すぐに自分の意見が出てきます。その様子は、まるで頭の回転が速いように見える。一方で、過去の累積思考がないと、その場で思考することになり、頭の回転が遅く見える。つまり「頭の回転が遅くなる瞬間が多い」だけであり、それが多いと、頭の回転が遅い人と識別されてしまうということ。ほとんどのケースがそういうことだと思っています。

この仮説を立てたあるとき、「頭の回転が遅く見える」人を観察してみたことがあります。そこから見えてきた事実は下記の通りです。

・会話自体は非常に流暢で一見すると得意に見える
・むしろ、好き・得意なことに関してはどんどん会話が弾む
・経験したことがない領域や、レベルの高い人の前では思考する時間が多い

ここから立てた仮説としては

・一度思考のしたことのある領域に関しては、回答速度が速い
・思考したことがある領域でも、高レベルな回答を求められるとその場で再度思考してまう
・構造化する能力が低いと、思考を引き出す時に支離滅裂な内容になる

ということです。

こうした経験から、「頭の回転が遅い」とは、「そのテーマを考え、引き出しやすいように構造化していない」ことなのではないかと思いました。日常で自ら考える癖がない、他人に問われないと考えられない、とも言えるかなと思います。


「頭の回転を速める」方法はある

手前味噌ではありますが、自分は他人から「頭の回転が速い」と言われることが多いです。

そんな僕でも、即答できる質問とそうでない質問はもちろんあります。即答できない質問に関しては、それまで考えたことがないので、考える素材を集め、検討し、解を出すまでの時間がどうしても必要になるためです。すぐに答えられるものは、事前に考えをめぐらせていたことばかりです。そう気づいた時、頭の回転の速さとは「日頃から思考を積み重ねておく」そして、それを「引き出しやすい状態に構造化しておく」ことだと理解したのです。

僕自身、頭の回転の速さを意識して特別なトレーニングを積んできたわけではありません。ただ、学生時代から人の話を聞かずに妄想したり、自問自答したりすることは多く、そういう特性はあったのかとは思います。

頭の回転の速さと累積思考量の関係について理解した今、僕が取り組んでいる具体例としては

・世の中のニュースに対して、必ず自分の主張や感想とセットでSNSにシェアをする
・人の長い説明に対して、「つまり○○ということですよね?」と簡潔な言い換えと言語化を行う
・Slackなどでシェアされた他人の主張に対して、自分の主張を重ねる
・書籍を読んでいる時に、必ず身近な実例に照らし合わせて、「自分の環境だとどう応用できるか」をセットで考える

などです。

「必ず自分の意見や主張を持つ」とも言い換えができそうです。社会に出ると、学習範囲もゴールも誰も設定してくれません。自ら情報を集め、考え、結論を出しておく習慣が重要になります。

また、せっかくなので累積思考がやりやすい方法論として紹介したいのが、「特定の制限下での思考」です。個人的におすすめなのが、飛行機の移動やサウナの中など、スマホが物理的に触れなくて考える以外できない環境で、考える議題を持っていくことです。普段と違う環境なのと、考える以外やることがないので、普段よりも深く思考することができて特にオススメです。


累積思考は仕事ではなく、日常に取り込む

私たち人間の能力に、それほど大きな差はないと思います。差が生まれるとすれば、日常も含めた生活の中での思考の量ではないでしょうか。仕事中は基本的に結論ありきのコミュニケーションが求められることが多いですし、アウトプットしないと仕事とは認められないことが多いので、仕事と累積思考は少し相性が悪いとも感じています。

また、いつ役に立つのかわからない累積思考では、ゆっくり時間を取れる日常や、移動や食事などのスキマ時間を有効活用するのがいいと思っています。仕事中は当たり前ですがみんな仕事を頑張りますが、日常で仕事に役立つ累積思考ができると、他人と差が付きやすくなるとも思っています。

僕自身、社会人になりたての頃、誰もが優秀に見えました。でも今は、昔優秀だと思っていた人たちを次々に追い抜いた手応えを感じています。それは紛れもなく、日常で積み重ねてきた思考量のおかげだと思うのです。


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