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たたき台は叩かれる余白を作る
こんにちは、unname代表取締役の宮脇啓輔です。
以前、会社のメンバーと社内のMTGをした時のお話です。
作り込まれているたたき台に対して、ちゃぶ台返しする経験をしました。心の中で「準備に時間かかってそうで申し訳ないが・・」と思いながら、とはいえ遠慮しても意味がないので、最大限の配慮をしつつも、しっかりそもそも論をぶつけました。
方向性を間違えているたたき台が無意味なのは無論、間違った方向性にどんだけ良い肉付けされても、「間違っていることには違いない」というわけです。そんな時、たたき台の良し悪しは完成度ではなく、叩かれやすいことが重要なんじゃないか?と思い、以前Xで投稿しました。
たたき台は『叩ける余白があること』が重要です。たたき台自体の必要性は説明するまでもないですが、「どんなたたき台なら良いか」は意外と議論されてないように思います。真面目な人ほど完成度の高く、仕上がったものを出してきたりしますが、たたき台は「議論の余地があり、適度に叩きやすいこと」が…
— 宮脇 啓輔 / unname 代表取締役 / 積極採用中 (@keisuke_unname) June 21, 2024
今回はこちらのXの投稿を元ネタとし、さらに肉付けして解説してみようと思います。
たたき台には敬意を払う
たたき台は、アイディアや構想を一旦まとめたものであり、議論をしながら良いものを作っていく前提で利用されています。
良い意味でツッコミどころが満載なのが好ましく、そのツッコミさえも歓迎すべき存在なのです。つまり、ドキュメント界の殿(しんがり)というべき役割を果たします。
たたき台に関するとても有名なnoteがあります。
要約すると、
・どんなボロボロなたたき台でも、それがあることで議論がすすむ
・「ゼロ⇒イチ」工程が最も大変なのに、それを軽視しすぎ
・なので、たたき台には敬意を払いながら叩いていこう
という内容でした。
このnoteのおかげで、たたき台の重要性、偉大さについて知っている人も多くなってきているのではないか?と思っています。しかし、たたき台を作っていると、あれもこれも入れようと凝ってしまい、しまいには「叩きづらいほど仕上がっているが、方向性から間違っている」ドキュメントはまだまだ世の中で流通しているように思います。
叩きやすさに最適化せよ
たたき台は『叩ける余白があること』が重要です。たたき台自体の必要性は前述のとおりですが、「どんなたたき台なら良いか」は意外と議論されてないように思います。真面目な人ほど完成度の高く、仕上がったものを出してきたりしますが、たたき台は「議論の余地があり、適度に叩きやすいこと」が重要です。
完成度の高いアウトプットは、叩く余地がありません。ただの報連相になってしまい、確認する側としても「どこを叩いてほしいのか」わからない。そして完成度が高いがゆえ、目的や方針レベルで修正しないといけない時は、ちゃぶ台返しとなってしまうこともあります。その時は叩く方も少し躊躇してしまいます。
![](https://assets.st-note.com/img/1738512096-KiD5ap0TJwLoeGRYxMXICyFh.png?width=1200)
たまにX(Twitter)上でも、完成間近の仕事をちゃぶ台返しされたというテーマの投稿が流れてきたりしますが、その何割かはこういうケースかもしれません。チェックする側も悪気はなく、「悪い意味で完成されているから、すべてボツにするしかない」ということになります。
こういう不幸を生まないためには、20~30点程度の出来栄えで一度共有するクセをつけましょう。自信がない、イメージが湧かなさすぎる場合は、「たたき台のたたき台」を作ってもらっても良いかもしれません。企画書でも提案書でもテキストでも「いったん骨組み作ってみました」「箇条書きレベルですが」と土台の段階で渡してみることです。
これが「叩きやすいたたき台」の正体です。
![](https://assets.st-note.com/img/1738512218-Bwe7DI2n0UphC3xPSmMor9J6.png?width=1200)
完成度が低い(情報量が少ない)からこそ確認コストも少ない。その上、チェックする側から「何を見てほしいのか」「どこを伸ばしたいのか」が一目瞭然でわかるから、「方向性は間違っていない」「ここを厚めにしたほうがいい」「この記述は外そう」などのアドバイスができるのです。
たたき台の段階で完成度を求めてしまう心理には、「怒られたくない」「仕事ができると思われたい」などがあるかもしれません。しかし、それでは本当に良いものは作りにくく、ちゃぶ台返しにも遭遇しやすくなり、成果に繋がりにくくなります。こうした状態にある人は、適度に叩けるたたき台を作ってみることから始めてみてはいかがでしょうか。
「たたき台なんですが〜」と言いながら渡すと、叩かれることはあっても、怒られることはないで、安心してください。
余白のあるたたき台の作り方
ではどうやって叩きやすいたたき台を作るのか、ポイントをいくつかご紹介します。
①可能な限り早く出す
時間をかけない、期間を延ばさないことで確認側の期待値も低くなる。また、早く出てくると作成コストが低いと認識されるため、叩く側が心理的に叩きやすくなる。最大のポイントとしては、自分の中での完成度を高めないこと。完成度20%くらいの気持ちで作ると最も余白のある、叩き甲斐のあるたたき台になります。
②叩いて欲しい箇所を明示する
何をどのように見て欲しいのかを必ず明示しましょう。それにより確認側のコストを下げることができます。確認コストが低いと、着手も早まるので結果的にプロジェクトの進捗も良くなります。
③トピックとセンテンスを使う
トピックとセンテンスを活用し、構造化しましょう。構造化すると、全体観を把握しやすく、MECE(重複や抜け漏れがない)かどうか、チェックしやすくなります。また、文章のみだと物理的にフィードバックしずらくなるので、そのためにも必ず構造化しましょう。
④文字量を減らす
最も重要なのが、文字量を減らす努力です。テクニックとしては箇条書きを使う、熟語を使う、体言止めにするなどがありますが、たたき台を作り切った後に、必ず目視で確認しましょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1738512233-WAzlMaq1XT05GnwL97Yhxfso.png?width=1200)
以上のポイントを意識して、「読みやすく、余白があるたたき台を素早く出す」ことで、
・作成者
・確認者
・会社
の三方良しのたたき台を作成していただければと思います。
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