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色彩好きが語る"繊細さん"で良かった事
こんばんは。グラフィックデザイナー、カラリストの藤田です。
今日は自分の特性である繊細さん(HSP)について。
色彩そのものの話からちょっと外れますが、「なんでこんなに色彩好きなのか」の原点になるところなので、よろしければ少しお付き合いください。
そもそもHSP(繊細さん)とは
最近、よく耳にするようになった単語かなと思います。
自分も色彩心理絡みで、心理学やら行動学やらをちょっとかじった時に知って、「まんま自分やん!」と思って調べてみました。
HSPを元の形に戻すと、Highly Sensitive Person。
「非常に感受性が強く敏感な気質の人」を指します。
エレイン・N・アーロン博士が提唱した心理学的概念で、5人に1人は生まれつきそういう気質だそうです。
日本では「繊細さん・敏感さん」という言葉を使っている事もあります。
柔らかい言葉なので、自分もこの呼び方の方が好きです。
HSPって、ちょっとネガティブな印象ありますもんね。
ちなみにネットにいくつかある診断テストでは、大体105点くらいになります。(点数の最高低値は-52~140だそう)
DOESという4つの特徴
繊細さんは、以下の4つの特徴を漏れなく持っているとの事。
D 深く考える:Depth of processing
O 過剰に刺激を受けやすい:Overstimulated
E 共感力が高く、感情の反応が強い:Emotional reactivity and high Empathy
S 些細な刺激を察知する:Sensitivity to Subtleties
詳しくは他に良い記事がまとまっていると思うので、検索して読んでもらえればと思うのですが、単純に自分の体験だけでも
・この物事がこうなってるのはこういう事だから?いや、別の可能性も?みたいなのを常に考えている。
・メールの返信これでOK?相手に変な印象持たれる言葉、書いてない?あ、漢字間違えてた!あぁ、もう一度読み直さないと!…と思って返事が遅くなる。
・人ごみや大きな音が苦手(ゲーセンとか、興味ないアーティストのライブとか無理)。暑すぎる寒すぎるの苦手。麻やウールでチクチクする素材の服は嫌い。
・自分の周囲の会話はすべて聞こえてるので、自分に向けられていない話が矛先回ってきた時でも、改めての説明が不要。
(もちろん「興味ある話題だけを聞いてるわけじゃない」ので、自分にまったく関係ない会話も拾ってます)
・人が怒られてると、自分が怒られてるような気分になる。「今、この人こんな気持ちなんだろうなぁ」と勝手に想像して自分に置き換えている。
・実家でテレビが付いてると、数値的には小さめでも「音大きいなぁ」と思う。
・時計の音が気になって眠れないから耳栓したら、今度は自分の鼓動が気になってさらに眠れなくなる。
・混んでる歩道で向こう側から自転車が走ってくると、反射的に固まってしまう。(驚きと、どう動いてくるかシミュレーションを立ててる間に距離詰められるので「動かないが正解」になりがち)
みたいな話が次々出てきます。
デメリットを(運よく)かわしてる生活
人生に疲れやすい特性ですが、幸いな事に「生活環境や、自己の異なる側面のおかげ」で、デメリットポイントを色々打ち消せています。
例えば
人が多いところが苦手。会社の人付き合いが大変
→ 25歳で独立して、多人数が働いている場所での勤務経験がほぼなく、このご時世なので、もともとリモートワークだったのが、フルリモートになって快適。
人混みに行く時はノイズキャンセリングのヘッドフォンで防御(それでも周囲の会話は丸聞こえだし、大きな声や甲高い笑い声は苦手ですが…)。
友達が少ない…
→ 1人が全然寂しくない、趣味が多くて時間が足りない、他人がいる方が顔色読んでしまうからしんどい。なので「友達は本当に大事な人が数人いれば良いのでは?」と思ってます。1年会わなくても変わらずに話せる友達がいればもう充分。
あんな事を言っちゃったけどなんとも思われてない?
→ 一人反省会はしますが、「過ぎた事は仕方ない」と強引に切り替えてます。ただ、気分が一旦落ちるのは自分ではどうしようもないですね。
あとはネガティブを語るより、ポジティブに考えた方が楽しいので、相手の反応から想像しうる心情を「良い方」で捉えるようにしてます。
みたいな感じです。
生きづらいと感じる事は少ないですね。
唯一の困りごととしては、
打ち合わせや社交の場、外出の後はめちゃくちゃ疲れるので、
たくさん睡眠が必要な事。
1回あたりの睡眠は短くても平気ですが、日に3回くらい寝てます。
(昼食後に30分昼寝して、仕事終わりに90分仮眠取って、就寝5時間みたいな生活してます)
繊細さんのメリットは、自分にとって最大最強の武器
数あるデメリットを削って残った(と自分が感じている)メリットを挙げていきます。
・まずは何より色彩に敏感
繊細さんじゃないと感じ取れない「色の細かな移ろい」を感じる事できますし、
1つの色から得た情報がきっかけで、何倍にも可能性を膨らませて考える事ができるのも大きなポイント。
グラデーションの美しさにウットリできるのも、様々なテーマ・モチーフ・ジャンルから色彩を考えられるのも、この気質のおかげです。
色彩について発信をする上で、最大最強の武器だと感じています。
・発想を膨らましていける(=仕事に活かせる)
「それってこういう事?」→「それだったらこういう手法も」→「それが無理ならこの手はどう?」と、あらゆるものをくっつけ、紐づけ、連想ゲームのように頭の中を膨らませていけるので、(不得手なジャンルでなければ)アイディアが煮詰まる事は少ないです。
ただし、勝手に膨らんでいくので、それを整理して言葉として伝えるのが大変だし苦手です。まとめて話しているつもりが、その最中に新しい可能性や問題を思いついちゃって、結局まとまらず終いになる事は多々あります。
・他の人に優しくできる
「誰かのために何かをする」のが、そもそもの特性なので、
家族や友人など、好きな人のために動くのが全然苦じゃありません。
・プレゼント選びに活かせる
相手の生活リズムや好きなもの、困っていることがなんとなく分かるので、その解消に役立てそうなものをプレゼントに選ぶ事ができます。
・五感を使って、物事を深く味わえる
見る、聴く、嗅ぐ、味わう、触れる。
五感をフルに使って情報を引き出せるので、いろんな角度から物事を考え味わえます。
・人生楽しい
お気に入りの食器が目に入った時、ふわっと漂った良い香り、画材屋さんの絵の具コーナー。ちょっと詩的ですが、そういうものを感じて「楽しいなぁ、幸せだなぁ」と思えるので、生きてて楽しいです。
感受性豊かだからこそできる生き方。
「繊細さんで良かったなぁ」と強く思っています
思ったより長文になってしまいました…。
この話をしたきっかけとしては、単純にここまで色彩にこだわりを持って接する理由をきちんと伝えて、今後に繋げていきたいと思ったからです。
これで気兼ねなく、どっぷりと色彩に浸かったお話ができます。やったー!
良い刺激も、悪い刺激も全部受け取ってしまいますが、小さくてもプラスの刺激を意識的に増やせば、日々が豊かになるのが確約されてるって素敵じゃないですか?
例えば、食器1つ変えただけで、ほのぼのと幸せな気分になれる。
考え方によっては「小さな幸せをたくさん見つけられる才能」です。
デメリットがある分、受けられる恩恵も大きい。
本当、バランス良く出来てますよね。
繊細さん(HSP)なのが悩みの種になってる方も、こういう生き方もあるよという考え方の1つになったら嬉しいです。
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