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趣深い日本の色彩 #39 鉄色
こんばんは。グラフィックデザイナー、カラリストの藤田です。
冷え冷えとした鉄器の色をご紹介。
2つの読み方がある色
鉄は加工がしやすく、よく使われるため、日常でも馴染みの深い金属の1つです。
そんな「鉄色」は、ごく暗めの緑青色を指す言葉で、素焼きをした鉄の色だと言われています。
実際、日常生活で見かける鉄って黒っぽい印象ですが、意識してよく見てみると緑青~青の色相が薄っすらと見えてきます。
この鉄色、読み方が2つあって、
1つめは単純な「てついろ」。
もう1つが「くろがねいろ」と、やや難しい読み方をします。
金属は「そのものの色+がね」という形で、別の読み方を持っています。
金を「こがね」、銀を「しろがね」、銅を「あかがね」、そして鉄の「くろがね」。
金属も色で分けていたというのが分かる、読み方ですよね。
先日ご紹介した、呉竹ink-cafeさんから出ているインク『明治のいろ』シリーズでもラインナップされていて、「くろがねいろ」の読み方が使われています。
派生が豊富
さて、そんな鉄色ですが、その渋い色みは人気のある色で、様々なバリエーションが存在します。
面白いことに、鉄が入る色名は、この緑青~青の色相を有しています。
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他にも錆鉄色、鉄黒、鉄鼠、鉄深川、鉄葡萄色など。
1つの金属でここまでの色名の数があるって凄いですよね。
いかに生活に密着したもの、そして愛されてきたものかが分かります。
また生活に密着したものの色彩、ご紹介できればと思います。
参考文献:日本の色図鑑
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