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色の並びがもやもやする -前編-
こんばんは。グラフィックデザイナー、カラリストの藤田です。
今日はもやもやしてることを、ちょっと考えてみようかと。
長くなりそうなので、前後編に分けます。
もらった色鉛筆の「怪」
以前、友達にプレゼントしてもらった色鉛筆。
Shuttle Artという初耳のメーカーさんのもので、以前記事にも書きました。
で、この色鉛筆についてる色見本のシート。
「自分で塗って完成させてね」というもので、頑張って塗りつぶしたわけですが……。
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仕上がったものを眺めての感想は「不思議な色の並び方だなぁ」。
色相もトーンも自由気まますぎます。
「気持ちよく並んでいる」のが好きな色彩マニアとしては、
あまりにも気になり過ぎて、夜しか寝れない状態なので、
何が起こってるのかちょっと検証しようと思います。
今日は上半分の4列を。
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スタートから奇天烈
ここでの注目ポイントは、スタートが緑系だということ。
そして逆順に回ろうとしているところ。
当初は、これに関して「オストワルト色相環」的な感じなのかな、とか考えていました。
オストワルト色相環は、「黄緑」から始まり、「黄色→赤」と通常の色相環とは逆方向に回って、「緑→黄緑」へ戻ってくる表色系です。
(他にも特徴はあるのですが、今回は色相だけピックアップ)
では、実際の1列目を見て行きましょう。
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1色目の色名を見てみると「Dark Bluish Green」。
緑青やないかーい!しかも、ダークトーンからスタートって。
続いて、3色めに暗い黄緑「148 Kiwi Green」が唐突に挿入。
「148 Kiwi Green」と「076 Bottle Green」は逆で良かったのでは?
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そして、緑方向に進んだと見せかけての「162 Turquoise」。
緑青側へトンボ返りです。
急に色調を明るくして、また緑方向へ。
後半は、黄色~オレンジゾーンに差し掛かるのですが、
トーンがジェットコースターのように乱高下します。
「014 Cream Yellow」「158 Pale Yellow」の2色を、「036 Light Orange Yellow」の後に持っていきたい!
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深まる謎
続いて2列目。
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順当にオレンジからスタートしますが、唐突に現れるピンク3色(026~012)。
そしてOrange RedとRedの間に、しれっといるDeep Pink(090)。
君らのポジション、そこちゃうやろ。
そして赤→赤紫に向かう!のかと思いきや、
引き返して茶色方向へシフト。
ちなみに茶色は、オレンジや黄色の低明度・低彩度色。
またもや色相を逆行します。
一応「●●Red」と付いているので、赤の系統として処理した感じなのでしょうか? 深まる謎。
「078 Light Ochre」と「160 Burgundy」の位置を逆にしたい。
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中央を陣取るピンクたち
3列目に移りましょう。
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2列目の続きから、茶色系でスタート。
7色目の「098 Burnt Brick Red」までは順当ですね。
「034 Light Reddish Brown」と「039 Reddish Brown」の違いが薄すぎて、1色で良いのでは?と思いました。
もっと薄く塗れば違うのだろうか?
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そして唐突に中央を陣取るピンクたち。
「赤紫の続きですが、なにか?」という感じで現れるの、やめてもらっていいですか。
ただ、この違和感には理由があります。
続く色が「黄色」系だから。
続けるなら、茶色から黄色にすればいいし、
なんなら黄色は1列目にあったんだから、そちらにお引越しいただく方が賢明です。
赤紫系のピンクから黄色にジャンプするのは、理解が追い付きません。
そしてまたも唐突に現れる「002 White」。
「136 Warm Yellow」と「161 Cadmium Yellow」と、とりわけ薄くもない黄色に挟まれて、肩身が狭そうです。
グレースケールの群れへ帰してあげたい……。
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あと最後の「150 Olive Yellow」と「031 Ginger Yellow」の色相差も、もやもやしますね……。
メタリック集団、見参!
本日最後の4列目。
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またしても茶色系からのスタート!
「094 Brick Dust」で赤方向に移っていくのかと思ったら「095 Earth Tone」で緑方向にまた一瞬戻るという、不可解ムーブ。
こちらも「002 White」同様、1色だけ浮いていて悲しそう。
3列目の「150 Olive Green」を寄り添わせてあげたら、寂しい思いをしなくて済むのでは、と気を揉んでしまいます。
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そして050~023までのメタリックカラーたち。
相変わらずオレンジと赤の間にピンクがあります。謎。
そして、有彩色の間に挟まれる「070 Metalic Silver」。
紫と青の間なのは「冷たい金属感」を想起させたいからでしょうか。
金銀セットで「050 Metalic Gold」の隣に並べてあげるのもアリだったのでは?
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「019 Metalic Blue」と「143 Metalic Cyan Blue」の並びも気になりますね。
Cyanと付くと赤みが抜けたイメージなのですが……。
色塗り間違えたのかと思って改めましたが、合ってました。
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上段だけでもお腹いっぱい
ということで、色見本上段を見てみました。
もう取り上げるところが多すぎて、お腹いっぱいです。
明日の後編は、下段の4列を取り上げます。
パッと見、上段よりは大人しそうに見えますが……。
とりあえず、もやもやを吐き出せて少しスッキリです。
お付き合いいただき、ありがとうございました。
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