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趣深い日本の色彩 #36 夏虫色 / 玉虫色
こんばんは。グラフィックデザイナー、カラリストの藤田です。
今日は、夏を彩る虫の色。
きっかけはシール
先日、つぶやいたのですが、
日本の色見本帖というシールシリーズを見つけまして。
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この中に
・夏虫色(3段目の中央)
・虫襖(一番右下。名前隠れてますが)
の2色があって、意外と虫の色ってあるんだなと気付いたのがきっかけです。
ついでに「夏虫なんて、いまの時期にピッタリなのでは?」と思い、調べてみることにしました。
あ、今回虫の写真が多いので、苦手な方はこの辺りでブラウザバックしていただけますと…。
明るい緑、ゆらめく緑
夏の季節が巡るにつれて、自然界も賑やかになっていきます。
地元では、夏は虫が鳴き始め、蛙が鳴き始め、うるさくて寝つけない!みたいな感じに。懐かしい。
そんな夏を彩る虫にも色名が当てられています。
まず夏虫色
夏虫色は、明るめの涼やかな緑。
どの虫を指すかは諸説ありますが、青蛾や馬追虫、蛍、セミなどが挙げられます。
特にセミは「茶色」のイメージが強いと思いますが、
羽化したては美しいエメラルド色をしているそう。
その色を指すとしたら、夏を象徴する虫ですし、地上に出てからの短い生涯を考えると、美しいながらも儚い色だなと感じます。
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青蛾は翡翠のような透明感のある色彩。青磁器みたい。
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馬追虫は、いわゆるバッタ系の虫ですね。
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つづいて玉虫色
玉虫色は、濃い緑の中に紫が煌めく、ゆらめきの色。
光を受けて変幻自在に変わる色合いは、移ろう物事にも例えられるほどで、あっちこっちから見まわしたくなる様相をしています。
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移り変わる色合いは、昔から工芸品などの装飾にも使われていたり、古今人の心を捉えて離さない色だと言えますね。
玉虫色は「虫襖」と呼ばれることもあります。
(本によっては、夏虫色と同じとする記述もありますが、色合い的には玉虫の方が正しそう)
こうやって改めて虫の体色を見ていると、普段見ない分、気付きがあって勉強になりました。
光沢があって、発色の仕方も独特なので、延々と眺めていられそう。
昆虫コレクションの界隈には「色の違いを楽しむ」のを目的にしている方もいそうですよね。ちょっとお話聞いてみたい。
ということで、夏を賑やかにしてくれる虫たちの色のお話でした。
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