子どもたちに、楽しいと思える時間を
2021.10.28【83限目】
『好きこそ物の上手なれ』
支援学校に勤めていた時、同勤していた5つ年上のI先生という先生がいました。I先生は、スポーツが苦手だと、言っていましたが、ほぼ毎日、ランニングをされていました。
最初は得意なスポーツがないので、少しずつ走っていたら、走る距離も長くなり、速さも速くなり、マラソンの競技に出てみたら、楽しかったので、次々と参加するようになった、と、話されていました。
I先生は、何でも楽しむ人で、いつもニコニコ笑顔の人でした。周りのみんなは、I先生から元気をもらっていました。
ある時、私が、I先生に、「台どころの片付けが、あまり好きではない。」と、もらしたら、「なんで?楽しいで。」と、言うので、「なんで?」と、聞き返すと、「散らかっている食器を片付けていくと、だんだん台所がきれいになっていくから、楽しいよ。」と、その時、「嫌々すると苦痛やけど、そんな風に台所が片付いていくのを、楽しめばいいのか。」と、思いました。
仕事で忙しい時は、苦痛に考えていたのですが、少し時間にゆとりが出来たころから、私の一日の最後の家事が、台所の片付けなので、片付けるときは、I先生の言葉を思い出して、片付いていくのを楽しみながら、片付けるようになり、片付いた台所を見て、一日がいい気分で終わることができるようになっていました。
心の持ち方ひとつで、ずいぶん変わるものだと思いました。
楽しんで やる! 一生懸命 やる!
スポーツ界でも、トップになった人たちのお話を聞いていると、「たのしんでやる。一生懸命 やる。」は、共通していることでした。
野球の大谷翔平選手、体操の内村航平選手、橋本大樹選手など、トップで頑張っている選手たちは、そのスポーツが好きで、好きだと一生懸命になれるし、それに関しての勉強をし、工夫をし、そのための努力をして、上達してきた人たちです。
無理をし、嫌々練習しても上達や成長は、なかなか難しいと思います。
子どもたちの楽しいことを見つけるエネルギー
勤めている時に、子どもたちの様子を見ていると、好きなことをしている時の子どもたちのエネルギーはすごいです。いつまでもやっていられるし、飽きずにやっています。そんな経験をして、楽しいことを見つけ、それをやりたいという気持ちが育ち、工夫し、頑張るのだと思います。
子どもたちは、色々な経験をし、人と出会い、楽しいことを見つけていきます。そんな時、親としては、出来るだけ口を出さず、見守っていくと、子どもは自分の力で、楽しいことに向かって、頑張ります。そのエネルギーはすごいです。
その時は、いつ来るか分かりませんが、早い子もいれば、遅い子もいます。何事も、こちらから強制せず、焦らず待つことが大切です。
そして、子どもが親を必要としたときは、しっかり話を聞き、同じ目線で話を聞くようにします。親はついつい先のことを考え、不安になり、先回りして、口を出してしまうことがありますが、まずは、話を聞き、子どもを信じてあげることで、自信を持ち、自分を大切にし、強く育ってくれると思います。
父との会話(人生のターニングポイント)
中学校の一年生から体育の時間に、マラソンがありました。中学校の外周を走るのですが、あまり楽しくありませんでした。
朝起きて、父に「学校に行きたくないなあ。」と、言いますと、「どうしたんや?」と、聞いてくれました。「今日体育でマラソンがあって、走るのがしんどいから、走りたくない。」と、言いますと、「走り方を教えるから、一度、試してみたらええ。」と、いって、呼吸法を教えてくれました。
それは走るリズムに合わせて、『鼻から、吸って・吸って。吐いて・吐いて。 吸って・吸って。吐いて・吐いて。』と、言いながら、見本を見せてくれました。
『それからしんどくなったら、鼻から、吸って・吸って。 口から、吐いて―――ぇ。 吸って・吸って。 吐いて―――ぇ。に変更や!』『そして最後のラストスパートは、口で、吸って・吐いて・吸って・吐いて で、ゴールまで行くんや!』と、言って、ジェスチャーで大げさにやって見せてくれました。
それが面白かったので、その日の体育の時間にやってみました。呼吸をすることに一生懸命だったので、しんどいとか、いやや!という気持ちは、どこかに飛んでいました。
そんなことを続けているうちに、だんだん走ることに自信が持てるようになり、後ろの方を走っていたのに、だんだん前の方を走るようになり、それが楽しくなり、体育が好きになりました。
楽しいこと見つけた!
父との会話は、体を動かすことが、好きになるちょっとしたきっかけでした。それがきっかけになったかどうか分かりませんが、私は体育の教師になるために大学に行き、中学校・高校の体育の教師をし、小学校の教師になってからは、市の教育研究会では、体育部会に入りました。
今までに出会った子どもたちも、スポーツだけに限らず、色々な分野で、好きなことや、得意なことを見つけ、楽しむきっかけをつかみ、それを深め、それが、人生を豊かにするものであって欲しいです。
私は、今も生涯スポーツとして、ゴルフを中心に、体を動かすことを楽しんでいます。これはずっと体育と関わり、スポーツを続けてきたから、今も楽しむことができていると思っています。
何がきっかけで、人生が決まるか分かりませんが、今振り返ってみると、あの時の父との会話が、私の後の人生を決めたのかもしれないなあと、思ったりもします。
そして、私の夢(楽しいこと)をいつも、応援してくれたのは、両親でした。今は、夫と子ども達です。
教師という仕事を、72歳まで続けられたのは、それが楽しい時間だったからだと思います。これからも好きな事を見つけて楽しい時間をすごしたいです。
【編集担当より】
かたづけ...かたづけ...かたづけ...。
残念ながら、我が家のDNAには、かたづけを楽しいと思える機能が備わっていないようです。もしくは、しつけの問題かもしれませんが、兄弟3人とも片付けが苦手です。祖母と母が親子なので、実家でかたづけを巡る諍いが日々繰り広げられていたのも懐かしい思い出でしょうか。
編集担当は、真ん中の弟と一緒に住んでいるのですが、両名ともかたづけが苦手です。なんとかして、部屋をきれいに維持しようとするのですが、他のやりたいことに目が行ってしまいます。できるだけこまめに掃除はするようにしていますが、モノが多いのでいかんともしがたいです。また2人いると、共有スペースをどちらが掃除するかというのもあります。
かたづけ・掃除は、作業とすればたいしたことではないと思いますが、心理的に嫌だとなるのかと思います。いかにモチベーションを高めるかを考えています。一番は、共通の知人を呼んでホームパティ―をすることです。人を迎え入れるとなると、両名ともかたづけ・掃除のモチベーションが持てます。個人としては、Yogiboを購入したことで、ほこりやごみがつくのが嫌なので、マメに掃除機をかけるようになりました。
どんなことでも、モチベーションが大事ですね。あとめんどくさくないように仕組み化するもの大事でしょうか。仕事で培ったノウハウこそ、私生活に活かすべきかと思います。習慣化が大事だとどれだけの人に伝えてきたものでしょうか・・・。
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