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『三田文學』2024年夏季号(158号)のご紹介

こんにちは。編集部員Sです。本日7月19日は、『三田文學』2024年夏季号(158号)の発売日です。

特集は「台湾現代詩――輝ける海洋の花」。昨年11月に開催された国際的な詩歌イベント「高雄世界詩歌節」の中核を担った高雄の青年詩人6名の鮮烈な作品を、取りまとめ役の詩人・林達陽氏による解説と、日本から参加した詩人・柏木麻里氏のエッセーとともに紹介しています。

小説のラインナップも、台湾との関連性が深いものとなっています。東山彰良氏「CRYING」は台湾が舞台。マッチングアプリを通じて女性たちと出会うなかで、「僕」は思いもよらない出来事を幾度も経験し、人間精神における「打撃」と「崩壊」について思索を深めていきます。李琴峰氏「愛の魔女/なんてことない些細な雑談」は、台湾生まれの「私」が、米アイオワ大学で行われる世界最大級の作家滞在プログラムに参加した際の物語。民族やジェンダーというアイデンティティの根幹をめぐる問題の困難と希望が描かれます。

朝吹真理子氏と中国、モンゴル族の作家・索南才譲氏の新連載「往復書簡 大草原と東京をつなぐ文学の通信」も要注目であり、今号は『三田文學』の売りである国際性が存分に発揮されています。

◆巻頭詩
和合亮一 グローブ
 
◆小説
小池昌代 ただ、愛によってのみ?
東山彰良 CRYING
李琴峰 愛の魔女/なんてことない些細な雑談
望月なな オープンサンド
 
◆詩
小野絵里華 獣と歩く
 
◆評論
郷原佳以 吉増剛造のピュシスとテクネー――林浩平『全身詩人 吉増剛造』をめぐって
藤井省三 村上春樹の消える女と〝満洲国〟――『羊をめぐる冒険』における耳と蝶を中心に

■特集 台湾現代詩――輝ける海洋の花
林達陽 輝ける海洋に再び海の花を咲かせよう―― 一九七〇年代以降の世代の高雄青年詩人について [訳]関根謙
柏木麻里 黒鍵の虹、宝石の液
◆台湾詩人詩作品 [訳]櫻井毬子
林達陽 「海辺の部屋」四篇
蔡文哲 溜まった水の時間
郭霖 啓蟄
崔舜華 サナギタケがあなたの墓の上に生え出るまで
任明信 小径
陳雋弘 合理(ただし完全ではない)

◆追悼 榎本櫻湖
杉本徹 散文詩とともに――追悼・榎本櫻湖
◆エッセー
遠藤一正 坂上先生と〈みの〉のことなど
◆新連載 往復書簡 大草原と東京をつなぐ文学の通信
朝吹真理子⇔索南才譲 私たちの環境、そして災害
◆評論
田中和生 十年越しの日中青年作家会議
◆新連載 演劇時評
長谷部浩 告発する装置としての演劇

■連載
◆対比列伝 作家の仕事場[第四回]
前田速夫 原型回帰 古井由吉vs小川国夫
◆詩/リレーエッセー 詩から明日へ[第五回]
小林坩堝 「いま・ここ」で
◆演劇随想/舞台の輝き[第五回]
柴幸男 日常と劇場と
琉球弧歌巡礼りゅうきゅうこうたじゅんれい[第十一回]
宮沢和史 『島唄』
◆短歌/随筆 歌評たけくらべ[第十一回]
水原紫苑×川野里子 宮柊二『山西省』
◆俳句/随筆 融和と慰謝の俳句[第十回]
髙柳克弘 物語
◆映画評 電影的温故知新[第二十四回]
佐藤元状 『ミツバチのささやき』、あるいは聖霊について

■書評
エマニュエル・ブルディエ『ジョン』(平岡敦 訳) 巽孝之
河﨑秋子『ともぐい』 河内恵子
乗代雄介『それは誠』 藤村あと

■新同人雑誌評 加藤有佳織/佐々木義登
■会員投稿欄・ろばの耳 髙木智視/藤代淑子/八十島章子
■『三田文學』創刊100巻820号記念賛助金寄附者御芳名
*大和田俊之氏の連載は今号休載いたします

どうぞお近くの書店、あるいは下記リンクより、お手に取ってみてください。

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