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『三田文學』2023年春季号(153号)のご紹介

こんにちは! 『三田文學』編集部です。
今回のnoteでは、2023年4月発売の『三田文學』153号の紹介をしていきます。

今号は第29回三田文學新人賞の発表号になります。

小説部門1作品、評論部門2作品の受賞作選出となりました。3作品同時受賞は久しぶりのことでした。おめでとうございます!

これまでに評論部門で新人賞を受賞された方々には、川﨑秋光氏、金子遊氏、岡本英敏氏、若松英輔氏など、ご活躍されている方がたくさんいらっしゃいますが、評論部門での受賞作選出は10年ぶりとなりました。

評論部門の受賞作は、粟津礼記あわづれいきさんによる「読む小説 安岡章太郎『果てもない道中記』論」、石橋直樹いしばしなおきさんによる「〈残存〉の彼方へ―折口信夫の「あたゐずむ」から―」でした。

小説部門の受賞作は、鳥山とりやままことさんによる「あるもの」でした。

受賞作3作は、選考委員のいしいしんじ氏、小池昌代氏、青来有一氏、持田叙子氏による選評とともに掲載いたします。

また、受賞者の方々へインタビューを行う予定としております。そちらも後日noteに掲載いたしますので、ぜひご覧ください!

今号では嶽本野ばらさんの短篇「ブサとジェジェ」を掲載いたしました!
嶽本さんらしさが詰まった素敵な作品で、編集部内でも感動の声があちこちからあがりました。どうぞお楽しみください。

また、対談を2本掲載いたしました。

1本目は詩人・吉増剛造さんと文化人類学者・今福龍太さんによる対談「ジョナス・メカス いくつもの言語に流され、たどりついた原初の言葉」です。

映画作家・ジョナス・メカスさんを吉増剛造さんが悼むドキュメンタリー映画『眩暈 VERTIGO』(監督:井上春生氏)が、昨年12月より各地で公開されています。

東京都写真美術館での映画上映後に行われた、吉増さんと今福さんの舞台挨拶を、15ページ、たっぷりと収録いたしました。

2本目は小説家・平野啓一郎さんと、音楽評論家・中川ヨウさんによる対談「音楽と分人」です。

昨年のこちらのnoteでもイベントのご案内でご紹介いたしました対談を抜粋し、19ページ掲載いたしました。

↓ イベントの概要はこちら

映画『ある男』(松竹)が第46 回日本アカデミー賞で作品賞を含む8部門で、最優秀賞を獲得されましたが、対談では平野さんの原作や、映画劇中音楽についても語っていただきました。

また、平野さんによる大著『三島由紀夫論』(新潮社)が4月26日刊行予定です。その内容についても触れていただいています。

ほか連載では、辻仁成さんの小説「動かぬ時の扉」の物語が、さらに動きはじめました。また、山内志朗さん「インティマシーの倫理」、鎌田東二さん「予言と言霊 出口王仁三郎と田中智学の言語革命」は今号で最終回を迎えました。重厚な評論の締めくくりをどうぞご覧ください。

今号の目次をご紹介いたします。

◆巻頭詩
ナイトフライト 北川朱実
◆小説
ブサとジェジェ 嶽本野ばら
◆詩
百年のリハーサル 岡本啓

◆第二十九回三田文學新人賞 発表
〈小説部門〉
受賞作 あるもの 鳥山まこと
〈評論部門〉
受賞作 読む小説 安岡章太郎『果てもない道中記』論 粟津礼記
受賞作 〈残存〉の彼方へ―折口信夫の「あたゐずむ」から― 石橋直樹 
予選通過作品
選評―いしいしんじ/小池昌代/青来有一/持田叙子

◆追悼 加賀乙彦
さようなら、K先生―加賀乙彦さんを偲んで 岳真也
長篇作家・加賀さんの知と信仰 加藤宗哉

◆映画『眩暈 VERTIGO』舞台挨拶
吉増剛造×今福龍太 ジョナス・メカス いくつもの言語に流され、たどりついた原初の言葉
◆対談
平野啓一郎×中川ヨウ 音楽と分人 
◆評論
萩原朔太郎と戦争―「愛国詩」とはなにか 林浩平
◆随筆
岳真也と私と「三田文学」―『家康と信康』を読みながら。 山崎行太郎

◆2022年2月24日のロシアによるウクライナ侵攻以降に書かれた詩 訳 原田義也
詩 カテリーナ・ミハリーツィナ 2022年3月14日
イーホル・アスタペンコ 2022年3月25日
マリーナ・ポノマレンコ 2022年4月4日

■連載
動かぬ時の扉[第五回]
 辻仁成
琉球弧歌巡礼りゅうきゅうこうたじゅんれい[第七回] 花風はなふー』宮沢和史
東京日記[第五回]スミダ川とアートとシバ・イヌと クリストフ・ペータース (訳)粂川麻里生
インティマシーの倫理[第八回]最終回 他者の倫理に向けて 山内志朗
予言と言霊 出口王仁三郎と田中智学の言語革命[第十二回]最終回 鎌田東二
浅草の笑い[第八回]浅草芸人盛衰記 根岸興行部VS松竹 岡進平
大上こうじの浅草21世紀と浅草 大上こうじ
文芸時評[第八回]
文学の境界線ボーダーライン 〈触れる〉ことの困難の先にあるもの 仲俣暁生

■短歌/随筆
歌評たけくらべ[第六回]水原紫苑×川野里子
■俳句/随筆
融和と慰謝の俳句[第五回]髙柳克弘
■映画評
電影的温故知新[第十九回]佐藤元状
■音楽評
ラップの詩学[第十六回]大和田俊之

■書評
カミーラ・シャムジー『帰りたい』(金原瑞人・安納令奈 訳) 河内恵子
小川哲『地図と拳』 巽孝之

■新同人雑誌評 佐々木義登/加藤有佳織
■ろばの耳 黒田修生 /廣田佳彦 

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