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『三田文學』、note始めます!

はじめまして! 『三田文學』編集部です。
このnoteは編集部員が書いていきます。どうぞよろしくお願いいたします。

『三田文學』編集部では名前の通り、『三田文學』という文学の雑誌を作っています。発行は季刊、つまり一つの季節に一冊、1・4・7・10月の12日頃から新刊が発売されています。慶應義塾大学出版会さん(以下、「出版会さん」)には、この雑誌の販売でいつも大変お世話になっております…!

 ↓ 公式webサイトはこちら

◆ごあいさつ

私たち『三田文學』編集部は、慶應義塾大学の構内でひっそりと活動しています。(在学生でも知らないかも!?)

大学の片隅の、鬱蒼と茂る森側、本や資料が詰まった小さな部屋で、歴史ある大学の、伝統ある文芸雑誌としての紙面づくりを担ってまいりました。

ただ、「文芸雑誌」というと、何だかとっつきにくいイメージもあるかと思います。(実はこれを書いている私・編集部員Aもそうでした…)

でも実は、『三田文學』は、普段本を読み慣れていない方にも気軽に読んでいただけるような短編も多く、大きさは一般的なビジネス書などと同じA5サイズ、厚さはなんとほとんどの号が1.5cm以下!
もっと気軽に手に取ってもらいたい!敷居の高いイメージを取り払い、幅広い読者にお届けしたい!!

…ということで、こうして出版会さんにご協力いただき、新たな取り組みとしてnoteでの発信を始めてみることにしました。
まだまだ手探りですが、これからどうぞよろしくお願い致します!

ちなみに、前出の「敷居が高い」、実は厳密に言うとこの使い方は本来の意味ではないんです。文化庁のサイトでも取り上げられていますが、伝統的には

不義理・不面目なことなどがあって、その人の家に行きにくい

『大辞林 第3版』(2006年・三省堂)

という意味で使われる語です。ただし、一般的な使い方は徐々に変化してきており……

先日、動画配信サイトで2006年の「クロサギ」というドラマを見た時、第3話でヒロインの友人の友人の発言内でジュエリー店に入りづらい、という意味で使われていました。また、『三省堂国語辞典 第八版』(2022年・三省堂)では、「近寄りにくい」「気軽に体験できない」などの新しい意味も掲載されています。

編集の過程ではこういうことも調べ、悩みながら作業していたりします。今後、こぼれ話などでも紹介していけたらと思います!

◆文芸雑誌『三田文學』についてのご紹介

『三田文學』では、小説や詩・戯曲といった文学作品はもちろん、評論やインタビュー、対談、学生の作品など、幅広く取り扱っています。

例えば、最近だと、長崎市遠藤周作文学館で見つかり、新聞にも取り上げられた、遠藤周作未発表小説「影に対して」を掲載した142号。(※遠藤周作は、かつて『三田文學』の編集長だったのです…!)

他にも、

・ノーベル賞作家カズオ・イシグロ氏へのインタビュー(123号145号
・芥川賞作家の朝吹真理子さんと現代歌人協会賞受賞作家の小佐野彈さんの対談(146号
・台湾で活躍する現代詩人たちの作品(139号
・侵攻以降のウクライナで書かれた詩やエッセイ(150号/151号)

……などなど。

そして年1回、下記2つの賞の受賞作品を掲載しており、新しい才能の発掘にも力を入れています。

①全年齢対象、小説・評論ともに原稿用紙100枚以下の作品で競う「三田文學新人賞」

→ 過去の受賞作は、こちら
→新人賞への応募については、こちら
 次回の募集締切は、2022年10月31日(当日消印有効)です。

②24歳以下の若手作家向けの「織田作之助青春賞」(主催:織田作之助賞実行委員会)

◆『三田文學』と『三田評論』は別モノ!

そして、『三田文學』の話をすると、慶應義塾の機関誌である『三田評論』と間違われることも多いのですが、それとはまた別の冊子なんです!

左が『三田文學』2022年夏季号(150号)、右が『三田評論』2022年8・9月号

一応、ご案内しておくと、『三田評論』の記事は、三田評論ONLINEからお読みいただくことができます。冊子版は、こちらからご購入いただけます。

でも、どちらも共通して言えることとしては、
①三田の地で活動をしていること
②慶應義塾出身者に限らず幅広い執筆者に支えられていること
が挙げられるのではないかと思います。

◆『三田文學』の歴史

『三田文學』の歴史は古く、1910(明治43)年に永井荷風を編集主幹として創刊されました。長い歴史の中、森鷗外、芥川龍之介、谷崎潤一郎、久保田万太郎、水上瀧太郎、西脇順三郎、原民喜、松本清張、山川方夫、遠藤周作、江藤淳……など、一度は聞いたことがある歴史上の有名人とも関わりがあったりします!

『三田文學』創刊号

そして休刊と復刊を繰り返しながら、会費制の「三田文学会」(詳細は後述)に支えられてきました。現在は1985(昭和60)年からの「第8次三田文學」の流れを引き継いでいます。

現在の『三田文學』の表紙(147〜150号)

2017年からは表紙のデザインを大幅にリニューアル。スイカやドーナツ、パセリやビスケット……など、前田ひさえさんの印象的なイラストが映える、服部一成さんが手がけるスタイリッシュなデザインになりました。

◆「三田会」と「三田文学会」も、別モノなんです!!

『三田評論』と『三田文學』がよく間違われるように、会員で支えられている「三田文学会」も、慶應義塾卒業生の同窓会組織である「三田会」とよく間違われますが違うんです!

前項の「『三田文學』の歴史」のご紹介の中でさらっと触れた、“会費制の「三田文学会」”という存在。これが少しややこしく見えているのかもしれません。
実は『三田文學』は大きく下記の3種類の読者に分かれています!

①書店または『三田文學』サイトで1冊からご購入いただいている読者

書店では最新号のみ、『三田文學』サイトでは最新号からバックナンバーまで取り扱っています!

②定期購読いただいている読者

  • 年会費4,000円

  • 雑誌代だけで年4回の雑誌を送料無料でお届け

③三田文学会会員として支えてくださっている読者

  • 年会費10,000円(学生会員は5,000円)

  • 年4回の雑誌をお届け

  • 会員限定の情報として、雑誌と共に会報誌を送付

  • 三田文學メールマガジンの配信(主催イベントやその他催し物のご案内)

  • 三田文学会総会、三田文學新人賞授賞式、会員限定企画、懇親会へのご参加が可能 →過去のイベントの一覧は、こちら

  • 『三田文學』本誌の随筆欄「ろばの耳」、会報誌への寄稿

  • 『三田文学名作選』やオリジナルグッズの進呈

→会員になるためには、詳しくはこちら

◆最後に

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
noteではこれから、『三田文學』の最新号についてのご紹介、その雑誌作成の裏側で生まれたこぼれ話、イベントに関してのレポート情報などをお届けしていけたらと思っています。雑誌と併せて、どうぞよろしくお願いいたします!

10月12日頃発売の最新(151)号では「木綿のハンカチーフ」「硝子の少年」「君は天然色」といった数々の名曲を手掛けた作詞家松本隆さんと学生のひとときの交流を掲載します。次の投稿で詳しくお知らせします!

見かけたらぜひ、思い出してお手にとっていただければ幸いです!

2022年9月 『三田文學』編集部員一同より

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