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20231106_オスマン帝国の近代化の失敗から考えたこと_覇権で読み解けば世界史がわかる_紹介と感想30


はじめに

こんにちは、Keiです。

 今まで私にとって"元気が出た"と思ったコンテンツや"役に立つかもな"と思ったコンテンツや考え方を紹介してきました。今回も良い人生にするために"役に立つかもな"と思った考え方を紹介していきます。

参考書

この度、参考にした本は
『「覇権」で読み解けば世界史がわかる』神野正史
です。

内容と感想

 前回の記事では"紛争がなかったオスマン帝国"までの部分を読んで感じた事を書きました。

 今回の記事では"平和と繁栄が腐敗と衰退を招く"までの部分を読んで感じた事を書いていきます。

内容

 オスマン帝国の発展は"イェニチェリ(命知らずの常備軍)"と"統治の柔軟性"に支えられていたが、それらを失う事で滅亡する事になる。
 イェニチェリは元々、命を惜しがる兵士にしないために結婚や世襲は許されていなかった。しかし、やがて皇帝に顔が利く強力なイェニチェリが説得する事で結婚や世襲が許されることになった。結果、軍は弱体化し18世紀後半に産業革命を経て近代化したヨーロッパの軍に攻められると敗退を重ねることになった。また内部ではイェニチェリに権力が集まり、気に入らない大宰相や皇帝を廃立するまでになった。
 長い繁栄の結果、政治中枢と軍部が腐敗したことで"統治の柔軟性"もすでになく、近代化への改革も失敗に終わった。いつの時代、どこの国も社会の腐敗は平和の中で醸成される。平和が長く続くほど腐敗が広がることになる。

感想

 イェニチェリによる政治への影響が大きくなっていった点は中国で宦官や外戚の影響が大きくなっていった点とも被り、どこの国も同じような状態になるものだと学びになりました。
 命を惜しがらない軍隊を作る工夫は難しいものだと思います。結婚や世襲を禁止するという工夫は、当時の人が知恵を絞った結果編み出された制度だと思います。様々な時代背景から当時の人がどのような事を考え、行ったのかを知ることは純粋に面白いと思います。イェニチェリの強さを抽象化すると、"失うモノがないことによる強さ"だと思います。一見強いように見えますが、不安定で脆い強さであり、継続的に力を発揮するには向いていないものだと思います。安定的な強さを得るためには"守るモノがあることによる強さ"の方が向いている気がします。自分の状況に合わせて適切な強さを意識できると良いと思いました。
 社会の腐敗は平和の中で醸成されるという点は今まで考えたことがなく、勉強になりました。戦時や混乱期には周囲に悪事を行うと自分が所属している組織全体を弱体化することにも繋がるので、悪事を行う人も少なくなるのだと思います。しかし平和な時代では露見しなければ悪事を働いた方が自分のプラスに繋がることが多いため、悪事を働く人が多くなってしまうのだと思います。平和の良さを学ぶことは多いですが、弊害の部分を学ぶことはあまりないと思うので、その点を歴史に学ぶことができた点は良かったと思いました。

最後に

 普段考えることがないものも背景や時代が異なるからこそ、考えるきっかけを作ることができる話題もあると思います。平和に関しても弊害があるようにどんなものも利点だけでないと学ぶことができると思います。弊害まで意識した上で平和の良い部分を享受できると良いと思いました。また今後も歴史を通して視点や価値観を広げていきたいと思いました。
 一つの価値観だけでなく、複数の価値観で物事を捉えることで、様々な視点で考えることができる人を共に目指していきましょう!

 どなたかの参考になれば幸いです。

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