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お前にできねェ事はおれがやる

新年あけましておめでとうございます。安倍立矩です。

みなさんご存じの通り、先日箱根駅伝が開催されました。自分は学生走路員として箱根路へと出向きました。そこで、隙間なく並んだ観衆の皆さんと鳴りやむことない拍手による応援を目の当たりにして、ああ、やっぱり箱根駅伝はこれほどまでに魅力的な大会なのかと改めて実感しました。
また、7区には関東学生連合チームとして同期の田島が出走しました。同期として、同じチームメンバーとして直接応援に行きたかったのですが叶わず、中継映像での観戦となりましたが、6区の選手から襷を受け取るときの力強い掛け声、平塚中継所付近での渾身のラストスパートを目にしたときは、やっぱりこいつはすごいなと思うとともに、自分もこの大会に出たいと強く思いました。このような貴重な体験をチームにもたらしてくれた田島には感謝の気持ちでいっぱいです。本当にお疲れ様。
というわけで、新年早々箱根に出たいとメラメラに燃えております。どうぞ今年も応援のほどよろしくお願いします!

ところで、本日から共通テストが始まりますね。模試が終わって机の上の髪の毛の数に驚いたり(←イライラすると髪の毛抜いちゃうんですよね)、自信があった模試の志望校判定が全く上がらないで落ち込んだりしていたしんどい日々からもう1年がたったんですね。時の流れは速いものですね。
合宿所でも、僕と鳥ちゃんとバナヤで同じ問題を解きます笑(僕らも期末試験があるので、開催時期は2月頭を予定)。大学生になって1年経ってどれくらい知識が残っているのか少し楽しみです笑。
そんなことはおいといて、受験生の皆さん、体調には気を付けて自分の力を出し切ってきてください🔥応援しています!

さて前置きが長くなりましたね、そろそろ本題に入りたいと思います。今回は箱根駅伝予選会後の振り返りについて綴りたいと思います。最後までお付き合いいただければ幸いです。



予選会を通して見えた弱点

箱根駅伝予選会での自分の走りは見るに堪えないくらいひどいものでした。強い日差し、強風が吹き荒れる難しいコンディションではありましたが、正直ここまで走れないとは自分でも思っていませんでした。実は予選会前は大学入学以来最も調子が良かったので、イメージと現実とのギャップの大きさに絶望し、何度も自分を責めました。

何でこんなに弱かったのだろう、走れなかったのだろう。何日も何日もこの問いを自分にぶつけ続けて、一つの結論にたどり着きました。自分には圧倒的に成功体験が少ないという弱点があるのだと。

高校時代の自分はどのレースも負ける気がしませんでした。ポイント練習もこなせないことはほとんどなかったし、どんなレース展開になってもある程度は対策していたのが理由でしょう。こうやって得た一つの勝利が「勝ち」のイメージを自分に与えてくれ、次の勝利への糧になっていました。

ところが今はどうでしょう。成功どころか失敗したレースしかない。強い選手へと返り咲くためにはこの負のスパイラルから抜け出す必要があると、一番の大舞台を経験してようやく気付いたのです。

弱点を克服し2年ぶりのPB更新へ

かといって大学のレースも多いわけではありません。なのでまずは練習に対する姿勢を大きく変化させました。

1つ目は集団を引く回数を増やすことです。以前は先輩方が作るペースに乗っかって練習をしていましたが、これではいつまでたっても練習が受動的なものになってしまい、攻めの走りができないと感じました。先頭に立って練習をこなすことで、自分が積極的に練習の雰囲気を作っていく、これが最終的にレースの雰囲気にのまれないことにつながると考えました。

2つ目は練習1つ1つにゴールを設けることです。大学での練習は走る距離が非常に長くなり、今までスピード練が多かった自分からしたら出されたメニューをこなすことでいっぱいいっぱいになっていました。これを、「+で出されたメニューで先頭で帰ってくる」「前はやり切れなかった練習を今日は完遂する」など100%の力を出し切れれば達成できるゴールを設定して、それを達成することにより、試合での成功体験に代わるものになると考えました。

この2つを意識してこつこつと練習を続け、ついにその成果を見せる時が来
ました。日体大記録会の5000mです。これだけ意識改革を行ってもなお、スタートラインに立つことが怖かったです。しかし、その心配は杞憂でした。いざレースがスタートすると練習で培ってきたイメージと自分の走りがうまくかみ合って、結果的には2年ぶりの大幅PB更新という形でレースを終えることができました。惜しくも清水さんの持つ塾記録には0.7秒及ばず、悔しさもありましたが、弱い自分を克服できた、これが大きな収穫でした。

これなら13分台も射程範囲内になったな、次は10000mで28分台を目指して頑張ろうと闘志を燃やしている自分にある出来事が起きます。

人生初の疲労骨折

最初は違和感程度の痛みでした。しかし自分は、夏合宿の時も脚を痛めたけれど、結果的には大事に至らなかったし、今回も何もないだろうと高を括って練習にかまけていました。

その後も練習を続けてしばらく経ったある日のポイント練で走れないくらいの激痛で離脱をしました。後日MRIを撮りに行ったところ、医者の方から疲労骨折と診断されました。素人が見ても、あ、これ折れてるわとはっきりわかるほど曇りのない真っ白な線が1本、自分の足を貫いていました。

記録会が続く大事な時期になんてことをしたんだ、何であの時練習をやめなかったんだと自分の行動に後悔しました。それと同時に自分は何をすればいいんだろうとも考えるようになりました。走ることのできない自分に何の価値があるのだろうと。

お前にできねェ事はおれがやる

突然何だこの見出し、いや、そういえばメインタイトルもこれだったなと感じている方も多いと思いますが、少々話を脱線させてください。

お前にできねェ事はおれがやる
おれにできねェ事をお前がやれ!!!
よく考えろ
状況を読め!!!
お前がいればロビンちゃんは必ず救えるんだ!!!!
ウソップ!!!!

ワンピース第414話より 尾田栄一郎

これは、自分の大好きな漫画であるワンピースのエニエスロビー編でのサンジのセリフです。

このシーンでは、敵であるジャブラにウソップがボコボコにされ殺されそうになっている間一髪のところでサンジが助けに来ます。そこでサンジはジャブラの相手を自分がするから、麦わらの一味の最終的な目的であるロビン奪還に向け「ウソップにしかできねェこと」をするよう促したのです。結果的にウソップの代名詞とも呼べる狙撃によって遠く離れた敵を一網打尽にし、ロビンの手錠のカギを届けることでロビンの奪還に成功します。

と、突拍子もなく推しのシーンを紹介しましたが、選手=サンジ、自分=ウソップと考えるとこの状況が当時の自分の状況と似ていると思ったんですね。

作中ではサンジが敵幹部を撃破しロビンの手錠のカギを手に入れることで目的に直接貢献していますが、ウソップは敵幹部を倒すほどの力はありません。ですが他のメンバーの誰にもできない狙撃により目的達成に向け大きく貢献します。

これを自分のチームに照らし合わせてみたいと思います。このチームの選手たちは全日本大学駅伝予選会出場や関カレ標準突破、そして箱根予選会に向けて記録会等でタイムを伸ばすことでゴールへと直接向かうことができます。しかし、自分はタイムを出すどころか競技会に出ることすらかなわない。ならば、自分にしかできねェ事をやってやろうと思考をシフトすることにしました。

自分にしかできねェ事

さて、自分にしかできねェ事とはいったい何なのか。自分は3つの役割を見つけることができました。

1つ目はチームの資金調達をすることです。
え?資金調達するほど慶應の長距離ブロックってお金ないの?と思う方もいらっしゃると思います。その通りです。柄にもなく財政難に見舞われています。

そこでグッズ販売を行うことで、その収益を夏合宿にかかる費用の足しになればと気まぐれボス大澤さん率いるアイデア班を中心に活動を始めました。結果的に競走部の皆さんの協力が後押しになって、この案が採用されてから2週間で販売は実現させることができました。販売中にハプニングが起き大成功とまではなりませんでしたが、資金調達の手段としてグッズ販売が有効であると知ることができただけで、大きな一歩になりました。

ご購入していただいた方、この場をお借りいたしまして厚く御礼申し上げます。ただいま、発送作業に全力で取り組んでおりますので、商品の到着を楽しみにお待ちくださいませ。

さて続いて2つ目ですがチームメンバーに客観的視点を与えることです。
練習に取り組むと、様々な課題があぶりだされるのですが、主観的な観点からだとどうしても見落としてしまう課題が出てきてしまいます。そこで、自分が練習を見守ることで、「ここでフォームが崩れてしまっている」「接地がまっすぐじゃない」などのアドバイスをチームメンバーに還元することでせっかく出てきた課題を漏らさないように取り組みました。
これも練習ができない自分だからこそできることですよね。

最後に3つ目ですがシンプルにフィジカルの強化です。
陸上競技を始めてからもうそろそろ7年が経とうとしていますが、殿筋や腹筋などいまだに十分に筋肉がついていない部分が多くあります。これを強化することよって、競技に復帰した時によりパワフルな走りを実現できると考えました。
ここだけの話、自分は補強が大の苦手で、今まで目を背けてきた練習であったので、ケガをきっかけに練習を補強に大部分充てることができたことは自分の成長につながると思います(いや、つながっていなかったら泣く)。

これからの意識

このように走れない中でも自分にしかできねェ事は、生活の中で至る所に散りばめられていました。あいにく、今は目立った競技会もなくウソップのように貢献してきた証拠をお見せすることはできませんが、これからも自分にしかできねェ事、すなわち自分の存在理由を常に考えながら行動し、シーズンインした段階でその成果をお見せできればと考えています。

先述の通り期末試験を控えており、びっくりするほど内容がまとまらない文章になってしまいました。申し訳ありません。ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

さて、次は尼子の番です。この間、帰省期間に入る直前部屋中のぬいぐるみを集めて写真撮影会をしていました。かわいいやつですね。

撮影会の様子at5号


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