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明けない夜は無い
安田から引き継ぎました、3年の東叶夢です。
前回ブログを書いたのは、箱根予選会の直前でしたので約4ヶ月ぶりの登場です。予選会突破に向けての意気込みと、当時の主将田島さんへの思いを詩的(笑)に綴った個人的名作「走れカナム」はビュー数2,200を超え、多くの方に読んでいただきました。
歴代最強と言われたチーム、確かな手応え、「いける」と意気込んで臨んだ予選会。それでも僕らに突きつけられた総合29位という厳しすぎる現実。
絶望と共に幕開けしたラストイヤー😱
でも今は少し光が差してきたかも?
そう思えるようになってくるまでの過程を、今回は日記っぽく綴ってみました。ぜひお付き合いください!
1.駅伝主将になった10月
予選会翌日から新チームが始動し、駅伝主将を務めることになりました。
何かとキャプテンやリーダーを務めることが多かったので、8月の合宿中に監督からその話をいただいた時も二つ返事で「任せてください」と言ったように覚えています。
総合29位という結果は僕含め、多くの選手にとって容易に受け止められるものではありませんでした。翌日に行われたミーティングでは意見がぶつかり合い、当初1時間で終わる予定が3時間に。
ほぼバラバラのチームを前に、珍しく自信を失っていた僕。
そんな中、監督が門限の設定とよりハードな練習メニューを提案。
今の状況でそんなことしたらみんな辞めてしまうのではないかと危惧しましたが、そんなことは杞憂に終わりました。
その後もたくさん話し合い、みんなの熱い想いや覚悟に触れるうちに、僕も「やるしかない」と腹を括りました。
2.弱さを認めた11月
主将を務められるか自信を失っていた僕ですが、それもそのはず。
2年生の予選会以降、1年で12試合に出場も、PB更新はたったの1回。
元々レースの結果が0か100かのような選手(10000mで31分かかった翌週に29分半を出す)だったので、下手な鉄砲も数撃ちゃ当たると思っていましたが、ここまで当たらないと主将以前に、競技者としての自信も失います。
ですがこの経験は、高校1年生でそこそこの結果を出して以降、ずっと天狗になり続けていた自分と向き合い、弱さを認めるきっかけを与えてくれました。
これまでずっと、自分は才能があり感覚派だと思っていたので、そのうち結果は出るだろうと思って、陸上に対する勉強をしてきませんでした。
やる必要が無いと思っていたのはもちろん、真剣に打ち込む自分をカッコ悪いと思っていたのです。
流石にこのままじゃ同じ過ちを繰り返すだけだと気づき、11月の部屋替えで同部屋になった後輩の真似をすることにしました。
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彼は大学から陸上を初めたにも関わらず、半年で予選会のメンバーを掴み取るまでに成長しました。才能だけでは絶対に埋められない経験の差を埋めたのは、間違いなくその陸上に対する姿勢です。
ストイックすぎる私生活、先輩にアドバイスを求める姿は、あまり関わりのなかった僕でもよく知っていました。そして当時それを僕は少し冷めた目で見ていました。
彼と関わり出す中で自分に足りないものを痛感。プライドを捨て、教えを乞いました。
そこで出会ったのが「リディアードのランニング・バイブル」という一冊の本。陸上歴7年目にしてやっと出会った陸上のバイブル(聖書)
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以前、神学の授業で、聖書を読まなくても信じることはできるが、信仰は成長しないと習いました。
いや、これ読まなくても走ることはできるけど、走りは成長しないんじゃない?と思うほど、「リディアードのランニング・バイブル」の内容は充実していました。
それからと言うものの、読書にハマり、この4ヶ月で15冊の本を読みました。読書の習慣を付けれたことは今後の財産になるかなと思います。
3.それでも結果は出ない12月
たくさんの本を読み、それを実践。 11月頃は下手くそなドリルを披露したり、階段を一生跳ね回ったり滑稽な姿を晒していました。
それでも自分の中でテーマを決め、取り組む毎日は楽しく、確実に走り方も改善されている実感がありました。
そしてその成果を試すべく出場した年内の3試合。
2024/11/24 東海大記録会5000m 14'40
2024/12/14 国士舘大記録会5000m 14'31
2024/12/21 慶大記録会10000m 29'56
満足のいく結果は残せなかったものの、今までだったら大幅に失速していたような展開でも耐えられるようになってきます。
だんだん走るのが楽しくなってきて、勢いでお正月に開催される地元のレースにもエントリーしてしまいました。
4.覚悟を決めた正月
慶應は夏と冬にそれぞれ1週間ほど帰省があるのですが、僕は毎回そこで脂肪を蓄えて帰ってきます。1番ひどい時は7kg太ったことも。
帰省→太って膝を怪我する→1ヶ月くらい離脱する→急ピッチで試合に出る→練習不足なので結果がでない→帰省
これまで入学してからコンスタントにこのサイクルを繰り返していました。毎回「今回の帰省は節制するぞ!」と意気込むものの、成功した試しがありません。
しかし今回はレースにエントリーしてしまっています。地元では注目度も高いため、悪い結果を出して恥をかく訳にはいきません。しかも距離は10km、全力で走るとなるとそれなりの練習が必要です。
とはいってもお正月は家族や友人との時間も大事にしたい。両立するために、旅行先で走ったり、飲み会の後にポイント練習をしたりするなど最善を尽くしました。
2024/1/5 南日本長距離走10km 30'09
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欠場しようか何度も考えましたが、出場する覚悟を決めて良かったなと思える結果でした。脂肪はつけず、自信だけつけると言う理想的なダイエット?に成功。初めて怪我なく神奈川に帰ってくることができました。
5.うどんの2月
1月はそのままいい流れを引き継ぎ、練習を順調に消化。
調子をかなり上げて挑んだ丸亀ハーフ。11月のエントリー時は「うどんを食べに行きたい!」と言う邪な気持ちでいっぱいでしたが、この頃には「63分台出したい」としか考えていませんでした。
自分はお腹が弱いので、たくさん食べるとすぐお腹が痛くなります。
レース前日の夜、うどんと63分台を天秤にかけたら、後者が勝ち特大うどんを我慢できました。その瞬間明日の勝利も確信しました。
2025/2/2 香川丸亀国際ハーフ 1:04'13
スタート時転倒に巻き込まれ、その遅れを取り戻すために前半突っ込んだ結果、後半失速してしまいました。
大幅に自己ベストを更新したものの、63分台に届かなかったという悔しさでいっぱい。不思議な気持ちでした。
それでも、箱根ランナーと競り合えたこと、早いペースで突っ込んだ経験、悔しいと思えた気持ちはこれから僕をもっと成長させてくれるはずです。
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6.明けない夜は無い
箱根予選会で絶望を味わってから4ヶ月。真っ暗闇の中を諦めずに進み続けた結果、個人ではハーフマラソンのタイムを70分から64分まで更新。
崩壊寸前だったチームもまとまってきて、少しずつですが光が差してきたように感じます。
今年の予選会が終わった時、みんなが笑顔でいられるよう、この1年間主将として背中で引っ張っていきます。
夜明けまであと少し!
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