出会いは未来
こんにちは。鳥塚から引き継ぎました4年森内です。
彼のブログは読みましたか?苦しい時期が長かった中でも腐らずトレーニングや食事制限に励んでいた鳥ちゃんの姿は本当に尊敬しかありません。その中でこういう決断に至ったのは並大抵の覚悟ではなかったと思います。苦渋の決断だったはずです。
そういう状況でもチームに残る選択をしてくれた彼の為にも、まだ走れる我々は彼が残ってよかったと思うような走りをしなければいけませんね。がんばります。がんばりましょう。
さて、今回のブログですが、去年の話をします。「今何月だと思ってるんだ」というヤジが飛んできそうですが、今の自分に繋がっている部分はあるしどうしても感謝を伝えたい相手がいるので気にせず書いていこうと思います。それでは、どうぞ。
Gran Alegria
昨年の12月に国立競技場へJ1昇格プレーオフの決勝を観に行きました。いきなりJ1昇格プレーオフと言われても?な方が多いと思うので説明します。
サッカーのJリーグは関東インカレと同じようにカテゴリーが分かれておりJ1,J2,J3と3段階に分かれています。そして、関東インカレと同じようにシーズンの成績に応じて入れ替えが行われます。
昨シーズンはJ2からJ1の昇格は3枠。計42試合のレギュラーシーズンの順位の上位2チームが自動昇格、残りの1枠をレギュラーシーズン3位~6位のチームがトーナメントをして争うというレギュレーションでした。そして、このレギュラーシーズン3位~6位のチームがトーナメントをして残り1枠を争うというのが、J1昇格プレーオフです。
分かりやすい説明ですね。理解できたと思うので次に進みます。
で、その昇格プレーオフの決勝を観に行きました。察しのいい方はお気づきかもしれませんが、この勝負、勝った方がJ1昇格、負ければ来年もJ2です。
会場はサッカーの聖地,国立。カードはJリーグ発足時からあるオリジナル10の2クラブ。
16年ぶりのJ1復帰を狙う東京ヴェルディと乾選手,権田選手のW杯戦士を擁し1年でのJ1復帰を目指す清水エスパルス。自分はどちらのファンでもないですが、これは面白い試合になると思い田口(兄)を誘い、一緒に観に行きました。
サッカーの話をしたいわけではないので、試合内容は軽く触れます。後半18分に清水が先制。そして、後半45+6分に東京Vが劇的な同点弾で引き分け。規定によりレギュラーシーズン上位の東京VがJ1昇格を決めました。試合の詳細を知りたい方がいればリンクを貼っておくのでそちらからどうぞ。
ここまで長かったですね。1000字も書いています。ビッくらポンです。
とりあえず、サッカーの試合を観に行って、劇的な試合だったということだけ理解していただければ大丈夫です。
熱狂
やっと本題に入れます。この話をするために長々と前提知識を説明してきました。
散々書き綴ってきた通りサッカー観戦したのですが、我々が当日座っていた席の4列くらい前の席に印象的な男性がいらっしゃいました。年齢は30歳くらい、分かりやすく一言で表すならばガチサポーターという言葉が合うでしょうか。
試合前からヴェルディのチャント(応援歌)を大声で歌っていました。我々が座っていた席はそこまでガチで応援するという席ではなかったので、とても印象的でした。呼びやすいので、以下呼称をお兄さんとします。
試合が始まってもお兄さんは声を張り上げていましたが、前半は試合が動かなかったこともあり大きな見どころはありませんでした。
問題は後半です。先述の通り清水が先制しました。これにより引き分け以上でJ1昇格だったヴェルディは、有利な状況からこのままいけば敗退という状況に追い込まれました。
つまり、マズいわけです。お兄さんにも焦りの色が見え始めます。声が大きく発言が過激になっていきます。このあたりからお兄さんが声を張り上げる度に田口(兄)と顔を見合わせて笑っていました。
そして、試合は進んでいき清水はそのまま試合を締めるために守備を固め時間稼ぎを始めます。そう、サッカーを見ない人にサッカーのつまらないところを聞くと必ず挙げるあの時間稼ぎです。
これが第三者的に見ると滑稽なのですが、やられるとウザいわけです。お兄さんも語気を荒げます。ここでは書けないような発言もありました。それがもう面白すぎて暴言を期待している自分がいました。もはや試合よりお兄さんを楽しんでいました。
そして、劇的同点弾であります。お兄さんめっちゃ喜んでいたと書きたいところですが、あまり憶えていません。さすがに劇的だったので会場全体が盛り上がっていたこと、自分がPKで心臓バクバクすぎて記憶力が一時的に低下していたことが原因です。これは、あの日唯一の後悔です。
そのまま試合終了。お兄さん号泣。それもそうでしょう。初代Jリーグ王者が15年もJ2で苦しい思いをしてきたのです。やっと掴んだJ1への切符です。とてもとても嬉しかったのでしょう。
そしてそのまま隣の女性と抱擁。
「え?連れいたの?」
本当にビックリしました。試合中には気付きませんでしたが、連れの方(しかも女性)がいらっしゃいました。連れがいるのにあんなに大声出していたと思うと面白さ倍増です。
帰り道では田口(兄)とお兄さんの話で持ち切りでした。連れの女性を奥様ということにして家庭を想像し、
「奥さん趣味を尊重してていい人だよね」「そうだね」
「お兄さん家では喋らなさそうじゃない?」「ただ、家族サービスとかはちゃんとやりそう」
「でも、ヴェルディ負けた時とかめっちゃ機嫌悪くなりそう」「それはキツい」
のような妄想トークを繰り広げました。今振り返ると大分キモいですが、当時はとても楽しく話していました。
帰ってから1人になっても、「奥さんに配慮してゴール裏じゃなくてバックスタンドで観ていたのなら、めちゃくちゃいい人じゃん」と、考えてみたりして、その日はお兄さんが頭の中を支配していました。
羨望
少し経ってから、どうしてあの日あんなにお兄さんに夢中だったのか冷静になって考えてみました。
単純に見ていて面白かったから?それはそうですが、それだけではない気がしました。
突き詰めた結果、お兄さんに自分の理想を重ねていたからという結論に至りました。
イメージと違うかどうかは分かりませんが、自分は高2までは体育のバレーボールでも熱狂できる騒がしい人間でした。ただ、コロナ,受験勉強,大学生活と色々と経験する中で、だんだんと気持ちが昂ることが少なくなっていっていきました。
興奮できる瞬間といったら、競馬のゲートインと4コーナーから直線に向くところくらいでしょうか?(理由を語ると脱線するので止めておきます。5分は語れます)
昨年の11月にもありがたいことにPBを更新することができましたが、湧き上がった感情は「良かったぁ」といった安堵感が強く、興奮とは遠いものが心の内を占めていました。
この変化が大人になるということなのかと受け止めつつ、楽しかった高校時代への懐古から大人になんかならなくてもいいのになぁと思ってみたりして、上手く消化しきれていないような感覚がありながら日々を過ごしていました。
その状況で出会った、自分に出来ない熱狂をしているお兄さん。自分にないものを持っている彼への羨望から興味を持ち、自分の欠陥を意識しないように面白い存在として昇華しようとしているのだと気付きました。
やっぱりもう無理なのかと考えかけていた時、田口(兄)とした激キモ妄想トークが頭をよぎりました。
「別にお兄さんもあれが全てではないじゃん」
あれだけ叫んでいたお兄さんも、家では奥さんの尻に敷かれていて、毎日辛い仕事をしている。そんな生活を過ごしながら週末だけあんな感じで熱狂している。(一応書いておきますが、すべて妄想です。事実は知りません)
その姿を想像すると、自分を縛っていたものがなくなったような、心がスッと軽くなったような、そんな気がしました。
誰しもが理想の自分像を持っていると思います。でも、人間ってもっと複雑な存在で、自分の中にも色んな自分がいて、時には相反する感情を同時に持つこともある。(走りたいけど走りたくないみたいに)
理想を持つことは大切ですが、それが人生における全てではないし、それに縛られる必要はない。そう考えるようになってから心の中に余裕が生まれ、その余裕によって言語化が難しいですが、人生がカチッとハマったような、チューニングがあったような、そんな感覚がありました。
その感覚を得てから周りの世界の見え方が変わりました。モノクロだったのがカラーに変わったくらい変わりました。大体の事が面白いと感じられるようになって、ニヤニヤが止まりません。
この感覚を得るきっかけを与えてくれたお兄さんには本当に感謝しかないですし、急な誘いに乗ってくれた田口(兄)にも本当に感謝しかありません。
今年の1月に、左足の第5中足骨を疲労骨折したのですが、診断されたときも思わず笑ってしまいそうになるくらい、その状況を楽しんでいました(そこは落ち込めよと思いますが)
リハビリ期間も長かったですが、辛いと感じることもなく、バイクにいそしんでいました。
心の余裕によってこんなにも変わるものかと思いつつ、いつまでこの余裕を持ち続けられるかわからないので、楽しめるうちは楽しもうと今は思っています。
出会いは未来
おかげさまで楽しい毎日を過ごすことができていますが、その中で感じたことが1つあります。
それは今の出会いを大切にしようということです。
自分の好きな曲の歌詞に“出会いは未来”というものがあります。この歌詞はそのまま出会いこそが未来を形作っていくというものだと、個人的に受け止めています。
お兄さんとの出会いが自分の人生を変えてくれたように、過去の出会いが今の自分を作っていく。あの日あの時あの場所で君と出会わなければ今の自分はないということです。(自分とお兄さんは今でも見知らぬ2人のままですが)
今でこそ楽しく過ごせていますが、それも過去に出会った人や言葉が大きいです。苦しい時期にあった、あんなことやこんなことがなかったら立ち直れていません。
(あの時期に声をかけ励まし、時には叱ってくれた方には本当に感謝しています。ありがとうございました)
そして今の自分が過去の出会いによって作られたように、未来の自分は今の出会いによって作られます。だから未来(今も含めて)をより良いものにするためには、今の出会いをより良いものにすることが大切です。
出会いというのは相互作用です。相手がいなければ成立しません。出会いをより良いものにするには周りに目を向けることが大切です。
そのため、これまで自分は中高の教育のおかげ?せい?で自分の内側に視線を向けることが多かったのですが、最近は意識的に視線を外に向けるようになりました。
だから、最近全然内省していません。(それはそれで問題ですが)
良ければトゥース、悪ければアパーで全て済ましています。
周りに目を向けるようになってから、人生がますます楽しくなりました。周りを頼ること(大きくいえば出会いを大切にすること)の大切さをひしひしと感じています。構ってくれた皆さんには感謝感謝です。
このように出会いによって自分を変えられた経験をしたからこそ、自分との出会いが誰かにとって未来となるように生きていきたいとも思っています。誰か1人でもそうなってくれたら嬉しい限りです。
本来ならここで終わろうと思っていたのですが、個人的な話をしすぎて長いくせに内容が薄いことに気付いてしまったのと、橘谷,鳥塚と流れで続いているので自分もちょこっと触れたいと思います。
終わりは未来
2人が触れてくれたように競技を継続しない4年生は競技人生の終わりが近づいています。早ければ10月、遅くとも1月には終わりを迎えます。
自分は最後だからといって力むのがダサいと思っているダサい奴なので、一応終わりは意識していないということにしていますが、間違いなく終わりが近いということは自分に影響を与えています。
今を大事にしようと思うようになったのも、残された時間が短いことが確実に影響しているし、正直に白状すれば、最後なんだから頑張ろうという気持ちはあります。
今まで迷惑をかけた分、チームに対してはやれることは何でもやりたいと思っているし、その先のことはその時に考えればいいと思っているくらいには、部活動に集中できています。
終わりは未来です。
4年生の終わりによって3年生以下の未来が始まります。
自らの競技者としての“死”が3年生以下にとって希望であるように
「あいつに出来たのなら、俺にもできる」
と思ってもらえるような成長をしようと密かに思っています。
とりあえず、ぼちぼち調子は上がってきたので、月末の記録会にて一発カマス予定でいます。まあ、悪ければアパーです。
お知らせと次回予告
さて、今週の木曜日から4日間、国立競技場にて関東インカレが開催されます。長距離ブロックからは5種目延べ10名がエントリーしております。調整が上手くいっている選手も多く、今年こそは得点をとってきてくれるという期待感があります。
個人的なイチオシは商学部の後輩の安田くんです。調子が良いらしく10000mを28分36秒で走ると言っていました。全日本大学駅伝の関東地区選考会の出場争いも懸かっているので是非とも救世主になってほしいですね。
4日間長丁場となりますが、応援のほどよろしくお願いいたします‼
そして、次回のブログ更新はその関東インカレの後になります。関東インカレの結果報告があるかもしれないし、ないかもしれません。誰か(田島?マネージャー?)の気分次第です。(ここまで書いたので多分あります)
その後に新入生の自己紹介があります。今まさに慶應競走部員としての人生が始まった新入生です。ジジイ臭いブログが続いているので、それを吹き飛ばすようなフレッシュなブログを書いてくれることでしょう(圧)
6名と人数は少ないですが、みんな魅力的で良い子たちなので、長距離ブロックを盛り上げてくれることでしょう。
個人的には、高1の時から知っているということもありますが、牧島くんに期待しています。期待を通り越してもはや推しています。基本はクソガキですが、中には熱いものを持っていて推しがいのある子です。ブログでもそういうところが垣間見えるグッとくることを書いてくれるでしょう(圧)
予告も長くなってしまいました。申し訳ありません。
ブログの更新は小休止となりますが、応援していただいている方には引き続き変わらぬご支援ご声援のほどよろしくお願いいたします‼
以上、今回のブログでした。