ラインを越えて
こんにちは。先日無事に人生19年目突入しました田島です。沢山のお祝いを頂き幸せ溢れております、ありがとうございました。10代最後のこの一年、皆さんに日頃の恩を返すべく尚一層の飛躍をお約束しますので、今後とも宜しくお願いします。
さて、突然ですが2・3質問を。貴方は今朝、何時に起きましたか? 朝食に何を摂り、どんな服を着て、どこへ向かいましたか?
如何でしょう、ちゃんと思い出せたでしょうか。まぁ軽い頭の運動ですね。
では、もう1つだけお尋ねします。それらの行動、どのような理由をもって選択しましたか?
-聞いた話-
人は1日に約9000回の選択をすると言われています。7時間の睡眠を取ると仮定して17時間の活動時間のうちに9000回、ということは単純にですが我々は1分間に8回ほどの決断を下しながら生活を送っているのです。考えるだけで疲れてしまいますよね。数学嫌いの僕からすればこれだけの数字は蕁麻疹ものです。
しかし、9000回の内3000回は長い年月の繰り返しの中で既に習慣化されています。例えば、歯磨きは食後のこのタイミングだといった時間的なものや、ポイント練習終わりにはあのコンビニであのメーカーのあの味のプロテインを買(ってもら)うという嗜好的なものなどの様々な物事が挙げられるでしょう。それでは残すところ6000回となった1日の選択、どれほど大切に、慎重に扱うことができるでしょうか。僕はこれこそがアスリートとしての質を左右するところであると考えてきました。
ちなみにこれらの話は高校一発目の合宿で開かれたミーティングにて講話されたものなのですが、当時まだ意識も知識も足りずほぼ中学4年生という状態にあった僕には少々理解し難いものでした。
-夏の思ひ出-
しかし、あれから4年が経った今年の夏は、この話を繰り返し考える深いものになりました。そう、合宿です(合宿実施が非常に厳しいこの時世にも関わらず、練習がより良いものになるようにとご尽力頂いた方々へ感謝の想いでいっぱいです。本当にありがとうございました。)。
今夏の合宿は山形と長野の山奥にて2回実施されました。高校時からキツい合宿には慣れてきたつもりでしたが、それとはまた違う苦しさ・厳しさを経験することになりました。1000mx10や500mx15など僕が苦手とするインターバル系のトレーニングもしっかりと行い、何かこれまで足りなかったものを見つけることができたように思います。
後半の選抜合宿では練習の強度も上がり、メンタルとの戦いとなる面も多くなりました。キツさに耐えることができずに諦めかけたその時に出てきたのが冒頭の選択の話です。インターバルのラスト2本など、そりゃぁもうヤバいです。どう振り絞ろうと脚が上がらず腕も思うように振れない、そんな時に僕の目の前には二つの選択肢が現れます。
一つは「やめる」、もう一つは「もがく」。
どちらにしても極々シンプルなものですよね。ですが、それぞれの先に待っているのは全く相反する結果なのではないかと思います。
-確かめたい事-
走っている時には幾度となく苦しいシーンが訪れますが、そのうち一度でも「やめる」という道を選んでしまうと或るものと出会うことになります。それは”楽“と呼ばれているもの。選択には必ず潜んでおり常日頃、僕たちを誘惑しています。この方を選べば、それまで僕たちを縛りつけていた苦痛から解放され、ホっと息を吐くことができます。しかし、ここで勘違いをしてはいけないのは楽とは決して=”楽しい”ではないということ。
僕が尊敬してやまない人物の一人、甲本ヒロトという男が次のような言葉を残しています。
『楽しいと楽は違う、楽しい事がしたいんだったら楽はしちゃダメ、
楽しようと思ったら楽しい事は諦めなきゃ』
本当にしんどい練習の中で、このストレートな言葉が頭に過り、そして選択の話と結びつきました。なるほど、そういうことか。
きっと楽じゃない方を選択すれば、楽しいことが待っています。その楽しいこととは何なのか、それだけは実際に見てみないことには分かりません。僕は箱根の路のその先にそれを見出したいと思いました。
エスカレーターもあるけど階段を使う、面倒だけどゴミ出しはサボらない、疲れているけどもう一本集中して流そう。それは単なる遠回りにしか見えないこともあるかもしれません。無駄だと感じるかもしれません。それでも、9000回の一回一回を今までよりも意識して見つめ直すことで、楽は遠のき楽しみは近づくのではないでしょうか。
箱根予選会まであと34日。できることは無限大、妥協するも突き詰めるも自分次第。そんな最高の日々を過ごした先に待つのは笑顔か涙か。
僕はラインを越えて、確かめたい事があるよ。
-ご挨拶-
書いている途中に迷走しまくりまして、酷く浅く拙い文章となってしまいましたが、最後までお付き合い頂き誠に有り難うございました。
次は橘谷君です。入寮早々、藤井聡太くんに酷似していると長距離ブロックを沸かせた彼ですが、実は林修先生にも似ていることが最近発覚しました。
どんなお話をしてくれるのか楽しみですね。