解離性同一性障害(DID)の子の父親の備忘録⑤
令和3年4月(18歳)
専門学校の新生活がスタート
ゆーさんは高校を無事に卒業し、いよいよ音楽関係の専門学校へ進学。
まだコロナ禍だけど授業もあって楽しく通っているように見える。
自宅から電車で2時間弱かかるので早朝に家を出る日もある。とても頑張っている。
ゆーさんは何が美味しいだとか、たわいもない話をよくしている。
状態はいい感じに見える
『5月15日』ゆーさんは、妻と一緒に精神科クリニックを定期受診。
薬は3か月分をまとめて処方され、次回は8月とのこと。
心は安定していて、状態は良くなっているんだな、と父はうれしく思う。
次回の定期受診の日は授業があるので、8月の曜日を変更してもらった。
それなのにまた…
『6月10日』ゆーさんの机の横に不穏な手提げ袋を妻が発見する。
そこには、白いロープ、ガムテープ、ハサミ、ヘッドライト、フックなどが一セットになって入っていた。妻がどうしたものかと…動揺している。
ゆーさんは、学校から帰宅後、まあまあ元気にしている風には見える。
でも親としてはとても心配。主治医に様子を伝えようと妻と相談する。
まだ、帰宅途中のゆーさんには「次回の予約日はまだ先だけど、明日、クリニックに行こうと思う。どうする?」とLINEで伝えた。少しイラついたような返信あり。ゆーさんは23時前に帰宅し、そのまますぐ寝た。
そして2度目の入院へ
『6月11日』翌朝「親だけで病院に行くけど、いい?」と聞くと、ゆーさんは「変なことを勝手に言われると嫌だから」と、午後、親と一緒にクリニックへ行くことに。午前中は朝食もとらずイライラしながら散歩しに外出。
病院に行くことを勝手に親が決めたので、ゆーさんは不機嫌。
診察では、主治医から、ゆーさんは実は5月28日に親に内緒で受診していたことをそっと教えてもらう。まったく知らなかった…。
その時、ゆーさんからは、寝つきが悪い、集中できない、勉強にも身が入らないなど話があったようで、再び緊急入院になった。ちょっと疲れてしまったようなので念のための入院ということだった。7月7日に退院。(続く)
(余談)
ゆーさんは、小学生のころからとても頑張り屋だった。学級委員長をやったり、書道でもよく入選したり、先生からは「勉強も問題ないです」とよく言われていた。親が困るような出来事も、ほとんど記憶にない。
でも、今思うと、大人が望むような行動や言動を無理強いしていたのかな。と思うことも…。今、思い返すとそう感じる。