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「ユニバーサルデザインの視点を活かした指導と学級づくり」 拓殖雅義
本書の整理
協同学習の意義
協同学習は、子どもたちがチームで協力し、目標を共有して成果を上げる学びのスタイルである。このアプローチは、社会性や仲間関係を改善する効果があり、互いをサポートし合いながら達成感を得ることができる(Johnson, 1994)。 文部科学省の「教育の情報化ビジョン」(2010)においても、子ども同士で教え合い学び合う環境の重要性を強調している。共同学習に取り組むことにより、子どもたちは「学び方を学ぶ」力を育むことが可能となる。
多様な学び方を引き出す「8つのマルチ知能」
アームストロングが提唱した「8つのマルチ知能」(Armstrong, 2000)は、個々の子どもに合った学び方を尊重する考え方である。これを授業に取り入れることで、子どもたちは自分に合った方法で学び、選択肢の幅を広げることができる。
UD化された授業の5つの特徴
ひきつける
視覚化を通じて子どもたちの関心を引きつける。情報を整理した視覚資料は理解を助ける。むすびつける
新しい課題を過去の学びと結びつけることで、知識の定着を促す。方向づける
授業のねらいを明確にし、問いを立てながら目標へ導く。そろえる
全体の理解度を揃えるため、共通のポイントを掴ませる。わかった・できたを実感する
成果を実感させることで、子どもたちの意欲を引き出す。
まとめ
ユニバーサルデザインの視点を取り入れた授業は、すべての子どもが主体的に「学び方を学ぶ」機会を得られるように設計される。本書から、子どもたちとともに多様な学びの方法を共有し、協力して課題に取り組む大切さを学ぶことができた。