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星野リゾートから会社の体質を改善させるヒントを学ぶ

 星野リゾート。一度は泊まりたいと思っている。代表的なブランドのリゾナーレや星のやなど、ホームページを見ているだけで癒される。癒されたい。

仕事に子育てに奮闘(もちろんエンジョイもしているが)している世代としてはゆったりとした自分時間を持つことは夢のまた夢。ぼくはとにかく子供が好きで積極的にかかわるので早く出社して定時やフレックスを使って早く上がることを目指している。家では子供たちにぼくの時間を完全にあげているので自分の時間は通勤と会社にいるときくらい。

ぼくが一度は泊まってみたいと思っている星野リゾートを経営するのは星野佳路社長。もともと商店や生糸業を営んでいた生家がはじめた「星野温泉」という旅館業が星野リゾートの原点だ。引き継ぐものがあった方ではあるものの、承継したホテルの資産価値や業態を大きく変革されたきた改革者。ぼくが尊敬する経営者の一人でもあって、偶然にも町でお見かけしたことが一度だけある。

今朝手帳を見返していたら、そんな星野社長が何かのインタビューで語っていたことを手帳にメモしていた。

ぼくが最近会社でぶち当たっている問題やストレスの原因の多くは経営層のもっと良い会社にしていこうという意識の低さだったり、新しいことをやっていこうという社員の思いの薄さ、やっている人・まじめな人が煙たがられたり、冷めた目で見られる雰囲気の悪さだ。

ぼくはそんな雰囲気を変えるためにはどうしたらよいだろうか?と常々考えているわけです。

ぼくがたまたまメモをした良い社内の雰囲気や、良い会社にしていくためのある種体質を改善する漢方薬のような星野社長の言葉を簡単にまとめてみる。

この言葉を本気で実践していくと、自分の仕事を前向きに変革できるだけではなく、会社や部署まで雰囲気をかえることにつながる。僕は手帳のメモを見てそんなことを考えてみた。

☞嫌なことは必ずしも必要ない、やらなくてよいと考える

星野社長のポリシーとして嫌なことは必ずしもやらなくていいじゃないかというお考えがある。その発想の根本には、「やりたくもないことを強制させても良いアウトプットが出ない」ので、生産性が悪いし強要しても意味がないのではないかということがあると思う。

やりたくもないけど、誰かがやらないといけない仕事というのはかなりあって、多くの人の大部分を占める仕事だったりする。

そういった仕事をやっている時というのは、とてもよいパフォーマンスを出せるような精神状態ではなくて「やってらんねえよ」とか「早くおわんないかな」という感情が心を支配する場合が多い。もしくは「心を無にして処理する」ということでいちいち考えないように処理していたりする。

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そういった取り組み方をしてもタスクとしては完了はする。しかいそれが「果たしてよい仕事か?」というのは別問題で、期待した以上でも以下でもない普通の仕事をしただけになってしまい、結果会社としては仕事は進むけど、何かわくわくすることが増えたりすることはなく、食品工場の製造ラインで同じ作業をミスなく繰り返すことが主軸に来てしまって、会社が上がっていく感じはない。

一見すると「やりたいくないことをやらなくていい」というのは楽に聞こえるが、むしろその逆で「常にやる意味や本質を考えて、やるべきことをやりたいこととして社員にやってもらうために」、「やりたくないことはやらなくていい」とおっしゃっているとぼくは感じた。

☞3ない主義を徹底してみよう!

そういったお考えをふまえて会社では以下の方針として掲げている。
 
出たくない会議はでない
会いたくないひとにはあわない
行きたくない会食にはいかない

☞出たくない会議にはでない

自分より上位者が普通は会議を決めたり、会議を招集するので権利がないと断ることができないので、なかなか難しいですが出席するかどうかを自分で決めることができる会議も中にはある。

そういったものから自分で出たくないと思える会議があれば出ないことを決めていくと、実は義務感で出ていたけど、出ないで済んだり、先輩や後輩に出席を任せてしまえる会議もあると思うので、義務的にいやいや出る会議があるとしたらでないでおいてみる。

あとでやっぱり出たほうがよかったと思えれば次から出ればいいし、でなければならないと勝手に思っていた会議が案外でなくてもよかったとなれば自分で他の仕事に時間を回せるので生産性が上がる。

例えば出席する上司や先輩がいるとしたら、「自分が今別のとっても会社に意味のある仕事をしていてそちらに全力傾けたいので申し訳ないけどあとで内容教えてください」と伝えれば案外「いいよ」っていってくれることも多い。問題は出ないことに対する動機であり、ウソはすぐばれるので通じないと思った方が良い。

☞会いたくない人には会わない

面会を申し込まれるので一応あっているという打ち合わせはないか。やっぱり面と向かって会わないといけないという勝手な義務感から、本当は嫌いだったり苦手な人と無理した会っていることはないだろうか。自分を振り返ってみると一時期こんな打ち合わせなどが多かった気がする。

予定を詰め込むことが何か脅迫観念のようになっていた時期があって、常に予定をパンパンにして、誰かがぼくのカレンダーをみて打ち合わせを入れづらい状態にまでしていた時期があった。

今ではそういったことはすべてやめてとにかくカレンダーは空っぽにして本当に重要な打ち合わせや来客だけ入れるようにしてて、自分のタスク的な予定を入れることは一切しなくなった。すると他の方からも相談が来やすくなったし、突発的な仕事が多い経営企画部にいると急な仕事もフレキシブルに対応できるので良いことづくめだ。社内でも「暇でプラプラしています」と言うようにしている(これは「またまた、そんなわけないでしょ」という目で見られるけど、一応いつでも相談してねというメッセージを伝えるために言っているようなところがある)。

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会いたくない人に会うというのは誰にとっても大きなストレス。我慢をしなければならない。その場から早く逃れたいという気持ちで心がいっぱいになる。そんな仕事は良いアウトプットは出てこないという考えからこういったことをおっしゃったのだと思う。

本当にその人に会わないといけないのか。メールで済む話はメールで済ませても良いのではないか。上司を通じて伝えることもできる。うまく回避できる相手は回避した方が良くて、克服する必要はない。

こちらが会いたくないと思っている相手は、たいていの場合はあなたに会いたくないと思っているはず。相手も会わなくて済めばほっとしているかもしれない。

☞行きたくない会食にはいかない

 みんな基本的に義務感しかない飲み会。海外にいたときには「この飲み会は強制ですか?残業はでますか?」と海外の人からは普通に聞かれる。アジアでは日本に近い面はあるが、あくまで仕事の一部として欧米を中心とした海外では考えられている場合も多いのが会食です。

営業で相手をどうしても接待しなければならないということであれば耐えて仕事の一環としてやらなければないけど、社内の飲み会など、本当は出たくないのに出ている飲み会も多いはず。

ハブられるのが嫌だったり、情報が入らず取り残されることを恐怖に感じたり、周りに合わせるために出ているケースも多い。そもそもそういった場が好きな人は特殊な才能の持ち主としておいておいて、だいたいが出たくなかったり、好きな人とだけ飲みたいと思っていたり、途中で帰りたいとか二次会強制されるのが嫌だと思っている。上司連中はここぞとばかりに部下にマウントをとりにくる。

その飲み会はあなたにとってプラスなのか。プラスであれば出ればいいし、マイナスであれば出なくていい。へんなやつと言われようが、陰口をたたかれようが、付き合い悪いと言われようが、仕事をしっかりしていればいいの。

仲良しするために会社にきているわけではない。愛想は必要。いつもぶぜんとした態度をしていれば救いようがないが、いつもみんなとコミュニケーションをしっかりとっていれば、飲み会に来ないキャラとして処理されるだけなので大したダメージはない。そして自分がいない飲み会で話題にされたり悪口を言われたって本人には面と向かって昼間言ってくることはないだろうし、本当に日中もハブられるようなことがあれば、その会社は辞めたほうがいい。

☞3ない主義を徹底していくとどうなるか

結局言っているのはいやいや仕事をしても意味がないということだと思う。やりたくもない仕事をやっていてアウトプットが良い結果にならないという最初の考えの徹底にあるとぼくは考える。

3ない主義を徹底していくとどうなるか。駄々をこねているように最初は受け取る方も多いかもしれないが、大真面目にやりたくないことをやらないとどうなるか。
 
不思議と逆に「やりたいことを前向きにやっていきたい」という発想にかわってくる気がぼくはしている。

出たくない会議はでない
会いたくないひとにはあわない
行きたくない会食にはいかない

というのを裏返すと、

出たい会議にでる
会いたいひとに会う
行きたい会食に行く

 
ということになる。

出たくもないこと、やりたくもないことを辞めていくと、「自分はなにがしたいのか」「何に興味があるのか」ということが浮き彫りになる。
 
ある意味、断捨離の思想に近いと感じる。いらないものを捨てていくと、本当に自分が大切にしたい服とかものとかが明確になってくるので、ものを愛せるようになるのと同じ。

やりたくもないことをどんどんやめていくと、自分の中でやりたいことが明確になり、そういったことを頑張ることで会社も社員から良いアウトプットを受けとることができる、という好循環のサイクルが出来上がる。

—— 〻 ——

この考えをさらに進化させると3ない主義でやりたくなかったものも良いものに変えられる可能性があるかもしれない。

どうしても会わなければならない人はいるし、行きたくないところにもいかなければならないときはあるのでそれはこなすことが前提だが、「どうしても」ではない場合は改善する余地はかなりあると思う。

会議がその最たるもので「出なければならない会議」というのはあるので、それ自体を改善して「出たい会議に変えていく」ということに応用できると思った。

出たくない会議だけど、どうやったらその会議を面白い会議にできるか?という発想で会議をアレンジしていけば、今まで拒否していた嫌な会議も改善して、最終的にはみんなが望んで出てきてくれるような会議を設計できる可能性もあるのではないか。

—— 〻 ——

今回は僕がいつも振り返っている星野社長の3ない主義を徹底することで、どんな良い効果があるかについて考えてみた。

嫌なことを耐えたり、他のことを考えて時間をつぶすという手段ばかりが解決策ではなく、そもそもそんな嫌なことはやらなくてよいという考えに立てたらどんなに幸せだろうか。

また、それを個人レベルだけではなく、部署レベル、会社レベルで実行したらどんな会社に変われるだろうか。

きっと前よりもみんな楽しそうな会社になるかもしれない。きっと前向きで、いろんなアイディアが出てきたり、ただの雑談も愚痴ではなく、未来に向けたアイディアが出てきたりコミュニケーションの質自体も上がってくるきがぼくはしている。
 
それでは今日はこの辺で失礼します。

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keiky. 

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