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わたしが公務員を辞めたわけ

はじめまして。

わたしは地元の市役所に勤める元公立保育園の保育士でした。

先日、公務員時代の同期が仕事を辞めたと聞きました。

彼は昨年急性白血病になり、入院をしていました。
お見舞いに行った際、彼とこんな会話をしていことをよく覚えています。

「いや~病気になって、いろいろ考えましたよ~。俺、仕事、辞めようかなと思うんですよね」

そう言う彼にわたしはこんなことを言っていました。

「もったいないよ~。公務員なら制度もきちんとしているし。
制度利用しながら働いていればいいじゃん。安定している職業なんだから!」って。(お前、彼のお母さんかよ💦)

そしたら彼が

「自分、先辞めたくせに」って、笑ってました。

その後、彼は病気を克服して昨秋職場に復帰していました。
なぜ、辞めたかは聞いていないのでわかりませんが

彼の出来事を通して、わたしと彼に共通点があったような気持ちになったので、noteに綴っておこうと思います。

わたしと彼の共通点・・・それは

公務員には合わない 自由主義者

だったんじゃないかなと思っています。

亡くなったわたしの祖父は戦争を経験し、貧しい時代を乗り越えてきた人でした。祖父はよく母に「税金ばっかり取られて、お前の子どものひとりぐらいは税金から給料をもらうようになれ」と話をしていたのを幼いわたしは聞いて育ちました。だから、自然と公務員になることを目指していました。

安定こそがいちばんだいじなこと=公務員は安定している

だから、公務員になれた時は祖父を含め、父も母もとても喜んでくれました。なんだか、とっても良いことをしたような気持ちになっていました。

保育士で採用されましたが、わたしにとっては保育士であることより、
公務員であることが死ぬほど大事なことでした。

でも、働けば働くほど、違和感が生じる。

「いいわね~、公務員安定してるもんね~」

「ボーナス、ちゃんと出るから、うらやましいわ~」

公務員ではない人たちに、そう言われる度に違和感があり、
「公務員」という縛りの中にいるように感じていました。

なんだか、鳥かごの中にいる感じがしていたんですよね。

わたしが在職中にも、まだ入職して数年の若者が退職することがあり、
職場のおばさま方は口を揃えて「〇〇さん、退職するんですってね。もったいないわね~」って言っていました。

なんか公務員辞めるのが悪のようにも感じてくる・・・

公務員はある程度の業務をこなせば、年々給料は上がっていき、
業績関係なくお給料をもらうことができます。
(これぞ、ザ!安定!)

公務員って、世間体はいいし、それだけでの人の見る目が変わるし、職業=信用。なんだかそれだけで自己肯定感上がる感じ。

保育園で子どもたちを関わる保育士という仕事は好きだけど、公務員という言葉と立場に息苦しさを感じながら仕事をしていました。

各々配属された若い保育士で開催する飲み会は自分の職場のところの愚痴大会。このまま年齢を重ねて、いい歳になって、園長になって・・、お給料はよいことはわかってるけど、本当に自分はこれで大丈夫なのかと。

そんなわたしも24歳で結婚して、我が子を授かることができました。保育士をしていたので、自分の子どもってどんなに愛おしのか知りたかったので、それはとっても嬉しかったです。

女性が出産や子育てを経験するなかで、自分の幼い頃などの成育歴の振り返りが起こることはご存じでしょうか。

出産を機に、わたしを生んでくれた母親に言えなかった気持ちが噴出してしまい、人生初のいい年した女の反抗期がはじまり、散々悩み、両親に「二度とうちの敷居はまたぐな」と言われた反動で、最終的には両親のに了解を得ずに公務員を退職してしまいました。

言い換えれば、その出来事の後押しがあって、違和感のある仕事を辞めれたのです。多分、勢いがなかったら辞めることができなかったと思います。

公務員になることはわたしの人生ではなく、親が期待した人生であることに気づいてしまったのです。

そして、親が期待した人生を選んだのはわたしです。
だからそれはわたしの責任なのです。

それがわかっていても親の期待を裏切ってしまった後悔は退職した後も罪悪感で自分を責めてしまうことも多々ありました。(今はそれも解消し、両親とは仲良しです)

お金のことがいちばん苦しかったです。
公務員をしていたら、金銭的に余裕があり、親に旅行をプレゼントすることができたはずなのに、親にお金を出してもらうことが増えてしまい、すごく申し訳ない気持ち。

親がせっかくお金に困らないように公務員の道を選ばせてくれたのに、わたしは何をしてしまったのだろうと・・。

でも、辞めたことでの副産物もありました。
それは

我が子との生活を楽しめたこと!

時短の仕事を選び、子どもの帰りを待ち「おかえり」といってあげられるしあわせ。土日は子どもの野球のサポート。学校行事も授業参観も全部行きました。

いろんなしあわせがあるけれど、わたしは子どもの成長を見届けたかった。だから、子どもの成長の一瞬を見逃したくなかったのです。

わたしの人生は公務員をやめてから豊かになりました。
(金銭的な豊かさじゃないけど笑)

保育士の同期が出世した話を聞くと心苦しい気持ちになったり、市役所の人事係の人に「やっぱり辞めません!」と言っている夢を見たこともありましたが、ようやく、わたしの人生はこれでよかったんだと思えるようになりました。

公務員はわたしとって縛りが多すぎた。

実はどこまでも自由でいたい「自由主義者の変わり者」なのに、すっごく頑張って優等生を演じていたんじゃないかなと思うのです。あとは公務員の甘い蜜を吸っていたかった。

この前退職した彼も、かなり前から仕事辞めたいって言っていたのをよく覚えています。きっと、彼もわたしと同じ枠に縛られたくない、自由を追い求める青年だったのではないかと思うのです。

それともうひとつ苦しかったことがあります。
それは公務員でなくなってしまったら、自分という人間は何の価値のない人間になると思い込んでいたこと。

公務員というラベルに苦しんでいたのだと思います。

「公務員=自分自身」になっていたから、公務員を取ったら、
ただの人(´;ω;`)そんな人生、窮屈過ぎますね。

なんだか足かせがとれて、すっきりしている自分がいます。

わたしはますます自由な人になっていこうと思います。

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