オーストラリアでのピラティスと臨床について

私がピラティス資格を取得したオーストラリアでは、保険を利用して理学療法士が提供するピラティスレッスンを受けることが可能です。日本ではまだ馴染みの薄い仕組みかもしれませんが、オーストラリアでは理学療法士が独立開業することが認められており、ピラティスマシンを備えたクリニックが非常に多く見られます。

クリニカルムーブメントとピラティス

オーストラリアには「クリニカルムーブメント」と呼ばれる保険請求枠があり、理学療法士が提供するリハビリテーションの一環としてピラティスを取り入れることが可能です。もちろん、カバーできる範囲は決まっていますが、保険を適用しながらピラティスを活用できる点は大きな魅力です。

実際、どんな地方へ行っても、1つの街に最低1つはピラティスマシンを備えた理学療法クリニックがあると言われるほど、オーストラリアではピラティスが広く普及しています。

ピラティスを活用した運動療法

オーストラリアでは、徒手療法だけでなく運動療法としてピラティスを導入しているクリニックが非常に多いです。特に腰痛や肩こり、姿勢の問題を抱える患者に対して、ピラティスのエクササイズを処方するケースが増えています。ピラティスはインナーマッスルを強化し、全身のバランスを整えるのに適しているため、運動療法としての相性が非常に良いのです。

また、リハビリだけでなく、自主トレーニングの一環としてピラティスのエクササイズを指導することも多くあります。患者が自宅でできるエクササイズとして、ピラティスを用いることで継続的なリハビリ効果を期待できます。

メルボルンと日本の違い

メルボルンでは、ピラティススタジオの数が日本に比べて圧倒的に多く、日常生活の一部として広く受け入れられています。私がメルボルンでクリニカルピラティスを学んだ際、同期のほとんどが「職場のクリニックにピラティスマシンがある」と答えていました。実際、街を歩けば「Physio Clinic / Pilates」と書かれた看板を頻繁に目にするほど、理学療法とピラティスの融合が一般的です。

一方で、日本でも最近になってピラティスの人気が急上昇しており、特に首都圏ではマシンピラティスのスタジオが次々とオープンしています。この流れは非常に良いものですが、インストラクターの技量に差が出てくる可能性がある点が懸念されます。

理学療法士とピラティスの相性

理学療法士は解剖学・運動学の専門家であり、姿勢評価のプロフェッショナルです。そのため、日本でも理学療法士がピラティスの資格を取得し、リハビリテーションや副業としてピラティスを活用することは非常に相性が良いと感じます。

実際、オーストラリアでは理学療法士がピラティスインストラクターの資格をとり、治療の一環として提供することが一般的です。日本でも理学療法士がこの流れを取り入れることで、より質の高いピラティスの指導が可能になり、患者の健康維持・改善に貢献できるのではないでしょうか。

まとめ

オーストラリアでは、理学療法士によるピラティスの提供が一般的であり、保険適用の範囲内で活用できる環境が整っています。日本でもピラティス人気が高まっていますが、理学療法士がこの分野に関与することで、より質の高いリハビリ・エクササイズ指導が可能になると考えられます。

ピラティスを臨床に取り入れることに興味がある方は、ぜひ半歩踏み出してみてはいかがでしょうか?


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