【プロローグ】病気に出逢って知った幸せ
なんでいつもそんなに幸せそうなの。
よく聞かれる。
病気と出逢ったからなんです。
私の人生のちょっと厄介者のパートナー。
おかげで、人より幸せを感じるのが少し上手。
この発信で、誰かの心を幸せにできたら
こんな最高なことはない。
きっかけは病気
私はいつもニヤニヤしていて、いつも楽しそうで
真面目な場面では、ニヤニヤすんな!とよく怒られてきた。
思えば小学2年生の夏、私は腎臓の病気に出逢ったことで
私の人生は音を立てて変わっていった。
笑顔に溢れる人生に。夢もできた。
私の夢は、私の笑顔で人を幸せにすること。
病気と向き合う子どもやそのお母さんに寄り添うこと。
最期を迎える方々が、生きてて良かった。最高だった。と最期を迎えれるお手伝いをすること。
これは、病気を体験して乗り越えてきた私に与えられた使命。
よろしく、パートナー。
入院生活
小学2年生の私は持続する腹痛で通院を繰り返していた。
盲腸の診断を受け、入院していた私。
お尻の発疹に気づいてくれたのは看護師さんだった。
大学病院で検査を受け、診断は紫斑病性腎炎。
長い入院生活と、食事制限と、痛い検査と、
夜になったら訪れるお母さんがいない孤独な夜が、私を待ち受けていた。
先生とお母さんが私が聞こえないところで、私の病気の話をする。
私死ぬの?
って子どもながらに一人で泣いていた。
まずい薬を飲んで、薬の副作用で顔はパンパン。
周りの子達はみんなすぐ退院していく。私はまた痛い検査の繰り返し。
そんな私にも、退院の日がやってきた。
その年のクリスマスの日。クリスマスプレゼントと共に
お母さんから、今日退院できるよって教えてもらって
本当に嬉しかった。
でも、それよりも嬉しかったことがある。
幸せ
外に出てね、寒かった。
寒いって感じたことが、本当に本当に本当に嬉しかった。
病院っていつも同じ温度だから。
冬だ。寒い。嬉しい。
掛け算九九をみんなで言える事が嬉しかった。
病院で、1人で覚えたから。
ほんのささいなこと。日常が、幸せだった。
私は、小学2年生にして
人生で最も重要なことに気付いてしまったかもしれない。
幸せとは、特別なことではないことを。
幸せは、すでに日常に溢れているということに。
人は、大切なものを失ってから初めて、大切だったと気づく生き物だと思う。
私は、病気に日常を奪われて、日常の素晴らしさに気づくことができた。
だから、小学生で病気というパートナーに出逢えたことは超ラッキーだった。
大切なことを教えてくれて、ありがとう。
文:KEIKO