【3】家族のこと
子どもが1人、入院するってことは家族全体の生活様式を変えることになる。
私の家族は、両親・2つ下の妹の4人暮らし。
まず、お母さんは毎日10時くらいに病院に来て、確か19時くらいまで付き添ってくれていた。
付き添いの間は、トランプしたり、ビーズしたり、私が喜ぶ事をいつも考えてくれてた。(いつご飯食べてたんだろう。それくらい、全ての時間を費やしてくれていた。それに、私は塩分制限食で美味しくないってご飯食べてたから、お母さんは隠れて食べてくれていたと思う。)
お父さんは、時々仕事終わりに病院に来てくれた。口下手な父だが、心配してくれていた。
お母さんのおばあちゃんは、仕事を辞めて私の家族の家に来てくれて、妹(当時6歳、ようちえん)の面倒を見てくれた。
妹は、子どもで感染リスクがあるから病棟に入れず、面会できなくて、いっぱいお手紙をくれた。(お母さんが姉に取られたみたいで、いっぱい泣いてたって聞いた。寂しかっただろうなと思う。寂しい思いをさせてごめんね。)
こうやって、1人が病気になって入院すると、家族の生活様式もガラッと変わる。
だから、入院してる子どもだけが大変な訳じゃない。みんな我慢して、みんな頑張っている。
私の場合は入院期間が3〜4カ月だったんだけど、それが何年も続く家族もいる。
子どもの時は、自分1人が苦しいんだと思って、甘えたりしていたけど
どんどん歳を重ねていくと、この時の家族の協力に本当に感謝が溢れてくる。
おばあちゃんは、大好きだった仕事を辞めて来てくれたのに、一回もありがとうって言ってないなって、今になって気づく。(なんでおばあちゃんがここに来てるんだろうくらいに思っていた。)
病気で入院していたり、病気とお付き合いしている皆さん。
1人で苦しくて、1人で大変な思いをしてるように思う時があるけど
どんな時も、周りの誰かに支えられてるんだってことを時々思い出したら
少し嬉しい気持ちになるかも。
看護師さんや医療従事者の皆さん。
見えないところで頑張っている家族に、一言でいいので、労いのことばをかけてあげましょうね。私も看護師という立場で、ご家族の皆さんに本当にお疲れ様ですと伝えたい。
子ども病棟の前で待っている兄弟に、えらいねって伝えたい。
写真・文: KEIKO