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クリエーターが作品に名前を付けるときに気を付けること

近年、自分で作成したデジタルデータを、素材サイトやBoothなどのマーケットで販売したりNFTにして取引することが簡単にできるようになり、クリエーターになる人が増加しています。クリエーターのみなさん、コレクション名や作品名など、名前を考えるとき、どんな手順でされていますか?

言葉に関しては、著作権と商標権が絡んできます(デザインについては意匠権)。作品のタイトルなどに商標登録されている言葉を使うと、商標権侵害となってしまう可能性があります。身近でちょっと引っかかるかも?という事例がありましたので、そうならないよう、リスクを下げる方法を伝授します。

J-PlatPatの使い方

よく耳にするブランド名は、ほとんどが商標登録されているといってもよいでしょう。オリジナルで練りに練って考えたとしても、どこかで使われているかもしれません。そこで、利用するのが、J-PlatPatです。

このサイトは、特許・実用新案、意匠、そして商標のデータベースで、キーワード検索で登録の有無、ステータス(存続、却下、審査待ち、審査中など)が分かります。例えば、「ポッキー」と検索すると127件のデータが検索結果に表れ、そのほとんどが江崎グリコ株式会社の所有です。この商標登録には区分というものがあります。どの商品を指定して商標登録をするかを決めて出願されます。ポッキーは当然、お菓子で登録がされているのですが、ブランドを守るために他のたくさんの商品群で登録がされています。

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/t0201

例えば↑↑↑の登録を見ると区分の中に「コンピュータネットワークにより提供されるダウンロード可能な画像」という表記を見つけることができます。つまりデジタルイラストにPOCKYという名前をつけて販売すると商標権侵害になってしまうわけです。

作品を販売する前にすること

名前を付けるときは、自分のオリジナルだ!と思ったとしても、念のため、
① J-PlatPatでキーワード検索
② ステータスと区分の内容を確認
しておくとよいです。
あ、商標には一般的な名称(略称も)を登録することはできませんので、一般名称は気にする必要はありません。例えばテレビジョン(テレビ)、チョコレート(チョコ)などなど。

コレクションが育ってきたので商標登録したい、というときはおそらく弁理士にお願いすると思うのですが、まずはJ-platpatで検索してみて使用できそうか確認してください。登録は先願主義といって、先に出したもの勝ちですので、その点もお忘れなく。

意匠やパロディも注意が必要

クリエイティブを制作しているときに何かのデザインを参考にする場合は、商標だけでなく意匠も確認した方がよいと思います。意匠は最近、画像や建築、内装も保護対象になっていますでので、注意してください。
パロディやオマージュが許されるかどうか、というのは、モノによって変わります。裁判で争われるようなこともあります。時計の、「フランク・ミュラー vs フランク三浦」は、フランク三浦側が勝訴していて、パロディについて学ぶにはいい判例です。(フランク三浦の商標登録

以上はマーケティング(ブランディング)の研究者としての知識にとどまりますので、詳しく知りたい方は弁護士や弁理士に相談してください。せっかくの作品を傷つけないためにも、また外部からの指摘で悩まないためにも、J-PlatPatを活用して、まずは自分で調べる癖をつけるとよいかもしれません。

(了)


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