[素パスタ①]私的”素パスタ”の定義、そしてコラトゥーラのパスタ - レシピあり -
素パスタ・シリーズをいっとくか。いきなりだが、用語の使い分けをしておこう。
〈用語使い分け〉
● 素パスタ
ニンニクとかパセリとかチーズとか胡椒とか魚醤とかペペローニとかアンチョビとかだけ。
調味料や薬味に類される材料だけで、一定の大きさの固形の具などが入っていない。
●シンプルパスタ
上記に加え、一定の大きさの具が「2食材」以下
つまり、素うどんみたいに「具がなーんも入ってない」パスタを指して、私はこれを”素パスタ”と呼ぶことにした。
で、究極の素パスタのひとつと言える、コラトゥーラのパスタを紹介しておく。・・・とは言え、実は今回が初出ではない。[コラム①]パスタ茹でる時の塩 で登場させた。
なぜ塩のコラムで登場したのかと言うと、このパスタは(流布しているレシピの大半が)「茹でる時に塩を入れない」という変わり種パスタであるためである。
そもそもコラトゥーラとは何なのか?
Google先生に聞いて、(宣伝リンクを除いた)一番TOPに来たサイトのリンクは以下。
要は、魚醤である。しょっつるやナンプラーの仲間、そのイタリア版である。狭義には、カタクチイワシを発酵して作られた魚醤を指す。
こんなところにも、魚喰いの日本人との嗜好の共通点が見出せてうれしかったりする。
(ちなみに、コラトゥーラを含む魚醤は、卵かけご飯にもピッタリである。旨味が凄いので、生卵と合わさると甘みすら感じる。うま味調味料入りのふりかけを卵かけご飯にかけた時のあの感じ。ただし、大豆醬油に比べて塩気が強いので入れすぎ注意。)
コラトゥーラの特徴としては、①しっかりした旨味、②強烈な塩気、③独特な風味、と言えるかと思う。
「調理」をする際は、これらの特徴をとらえて、美味しさを最大限に引き出す事が肝要となる。
パスタにおいては・・・
まず「①しっかりした旨味」 については、そのまま張り切って特徴を前面に出してもらう。(この特長ゆえ、フライパンで煽ってソースを吸わせるスタイルではなく混ぜスタイルで充分なのだ。)
お次、「②強烈な塩気」については、前述の通り”茹でるお湯に塩を入れない”ことで、塩辛くなりすぎるのを防ぐ。
実際、①があり、かつ②が際立っているので、塩を入れずに茹でたパスタでも充分美味しく仕上がる。
そして最後の「③独特な風味」だが、これはイタリア料理においては、あるいは、パスタ・レシピの黄金パターンとして、”アーリオ・オーリオ”(ニンニクとオリーブオイル)を使う事+ハーブ”イタリアン・パセリ”を使う事で「独特」部分を「美味しい」に転換する。
しかもここでは、フライパンで火を通すのではなく、生のニンニク、イタリアンパセリ、オリーブオイルを準備して、パスタを入れて混ぜる際に余熱で半生程度に火を通すという事で生ハーブ&生ニンニクの風味を残してコラトゥーラの風味と調和させるのである。実に絶妙なバランスのパスタだといつも思う。(ナンプラーやニョクマムにおいても、レモンなどの柑橘やハーブをたくみに使って良さを引き出している。そのイタリア版、といったところか。)
さて、レシピにいこう。Google先生に聞けばいくらでも出て来るが、前述のコラムでも登場させたリンクを再掲しておく。私が、妻の実家で初めてつくったのも、以下レシピを参考にした記憶がある。
★材料(何人分 何g 何cc とかは書きません)
・コラトゥーラ
・ニンニク
・オリーブオイル
・イタリアンパセリ
・パスタ(ショートでもロングでも)
★作り方
お湯を沸かす。塩は入れない。お湯が沸いたら、パスタを茹で始める。
イタリアンパセリとニンニクをなるべく細かくみじん切りにして、茹で上がったパスタを余裕をもって混ぜられるぐらいの大き目のボールに入れ、エキストラバージンオリーブオイル、コラトゥーラも入れる。(味はあとで調整出来るので、くれぐれもコラトゥーラは入れすぎない。)
アルデンテちょっと手前ぐらいのパスタを、湯切りした熱々の状態でボールに放り込み、乳化用のゆで汁も少しだけ足し、余熱で材料に火を通しながらまんべんなく混ぜて出来上がり。
・・・絶望的に簡単なのだ。つまり。
レシピとすら呼べないかもしれない。”究極の素パスタのひとつ”と評した理由がおわかりいただけたかと思う。
ショートだと以下のような感じ。
をっと、2000字オーバー。”コラトゥーラそのもの”に特化したコラムは別に書こう。
次回も、”素パスタ”で行こうかね。